続「時は流れて、いまC4」

目次

1 厚化粧のケータイ 2 カーナビをさがして
3 水彩画のような画面 4 時おり リルートが...
5 失われたスコア 6 大樹に抱かれて
7 野も山も晴れて、その1 8 野も山も晴れて、その2
9 野も山も晴れて、その3 10 野も山も晴れて、その4
11 グリグリ-誘惑するパン、その1 12 グリグリ-誘惑するパン、その2
13 グリグリ-誘惑するパン、その3 14 、失われゆく記憶、その1
15 失われゆく記憶、その2 16、失われゆく記憶、その3
17、失われゆく記憶、その4 18、失われゆく記憶、その5
19、失われゆく記憶、その6 20、毒婦
21、ディープ・インパクト


1 厚化粧のケータイ

オトーサン、 「分からんなぁ」 今度、分からんのは、燃費ではなく、蓬莱屋の場所。 松坂屋の周辺をウロウロして、汗をかいてしまいました。 「また、次の機会にするか」 御徒歩町から、次なる目的地・秋葉原へ。 新しくオープンしたヨドバシカメラを見に行きます。 途中、まぐろ三色丼を食べて、空腹をしのぎました。 お味は?よって、店名は省略。 「外人が増えたなぁ」 「路上喫煙禁止か。ここは千代田区だったっけ?」 「変わったなぁ。別の街みたいだ」 以前、駐車場だった場所に、高層ビル群です。 「東京だけにカネが集中しているんだ」 1枚写真を撮りました。

「TXの駅はどこだろう?」 「おー、あれか!」 線路の向こう側に、ヨドバシカメラの巨大なビルがみえました。 「あんな辺鄙な場所に建てたんだ」 電気街のある中央通りから、人の波がヨドバシカメラに向かっています。 「ひとの流れが変わってるじゃないか。  こりゃ、既存店は大打撃を受けるぞ」

「おお、TX駅の入り口と並んでるじゃないか」 「何も買いたいものないけど、一応のぞいてみよう」 有楽町のビックカメラよりも奥行きが広いようです。 「どこに何があるか、探すの大変そうだ。  でも、ここに来れば、何でもあるという感じはするなぁ」 「充電式の電池でも買うか」 売り場へ。 「あれ、実物が展示してないぞ」 札がかかっていて、それをレジに持っていくと、 交換してくれるという仕組み。 万引き対策でしょうね。 「こんな札じゃ、ニッケルかどうか分からんじゃないか」 「4本パックしかないのか?」 店員も忙しいのか、質問しても不親切です。 頭にきたので、言ってやりました。 「大物を買いにきたけど、  その前に、この電池を買って、店員の態度をチェックしているんだ」 「.....」 この言葉、一定の効果はあったようです。 にわかにその後の応対が改善されました。 「資本主義社会だなぁ」 オトーサン、 すこし、気をよくして、今度は、ケータイ売り場へ。 制服のお嬢さんたちの呼び込みのすさまじいこと。 うらぶれているボーダーホンの売り場へ。 先日、山荘付近で、脱輪して困りはてたことがあります。 「やはり、非常用に1台もっておくか」 読者のみなさん、 「おじんだなぁ。ケータイ、もってないの?」 「あんなもの、ウルサイだけだ。金もかかるし」 電車のなかで、若い娘がケータイをいじっているのをみると、 「ほかにもっと大事なことがあるだろ、自分を磨くとかさ」 そう忠告したくなるクチです。 でも、ケータイをもったのは、わが国で早いほうではなかったでしょうか。 大学で、学生に挙手させました。 「ケータイ、もっているひと」 「ふーん、3分の1しかいないのか。  便利だよ」 「センセイ、おれカネないよ、くれよ」 1997年頃のことでした。 いまは、カップラーメンで節約したカネをケータイに注ぎ込んでいます。 オトーサン、 「あのさ、プリペイドで、安いのない?  カメラもいらないし、メールもいらないから。  文字が大きい、サッパリした奴。  ほら、コマーシャルでやってるでしょう」 「ああ、あれは、ツーカーですよ」 「あ、そう」 そんなことは、百も承知です。 商品知識を試してみただけ。 でも、彼、このテストで、一応合格しました。 人柄もよさそうです。 「一番安いの、どこにある?] 「ここです」 「3900円か、この色しかないの?」 「ええ」 「じゃ、こっちの7400円のは、シルバーある?」 「ええ、在庫みてみます」 店員さん、きびきびと動いてくれます。 「これです」 「あ、そう。...あのね、色がちがうよ」 「えっ?」 「ほら、外箱にガーネットローズと書いてあるじゃない」 「どこに?」 「ほらそこに」 「じゃ、ちょっとお待ち下さい」 棚にある7箱くらいを調べましたが、みんな赤い色。 「すいません。ないですねぇ」 「ま、いいや、赤でも」 「ありがとうございます、  あのご用意できるまで、1時間ほどお待ち願えますか」 「ああ、いいよ」 川上さんに約束した時間まで、あと3時間以上あります。 8階には、食堂街までありそうですが、 エレベーターが混んでいるので敬遠して、一旦、店外へ出ます。 「この辺に、近ツーがあったなぁ」 近畿日本ツーリスト、一時期経営不振だったので、 売却してのでしょうか。 「安部さん、お元気かなぁ?」 社長さんでした。 「おお、ルノワールがある。ここにしよう」 高いですが、まあ、静か。 「やー、混んでるなぁ」 それでも、1時間ほど本を読んで時間つぶしをしました。 「いい本だ。若いひとも読んでほしいな」 ・徳大寺有恒「58歳からの楽々運転術」草思社 1999年 オトーサン、 ケータイ売り場へ戻りました。 「ご準備できました」 「ありがとう、プリペイドカードは、どうなった?  もう使えるようにしてくれた?」 「あの、申し分けないのですが、  3000円のがなくて、5000円のしかないのですが」 「ふーん、さっきはあると言っていたね」 「はい、申し訳けありません」 「じゃ、それでいいや」  3ケ月に1回ぐらいしか使わないから、ドブに捨てるようなものです。 「分かりました。じゃ、支払いを」 「ああ」 レジが混んでいるので、大分待たされました。 ようやく順番がきて、代金が表示されます。 15290。 レジ係りはベテラン社員のようです。 「それって、変だよ」  ケータイが。7000円強で、プリペイドカードが5000円だから、  1万2000円ですむはずなのに」 「おかしいですねぇ。ちょっと、キミ」 係りの店員をよびます。 「注文されたのは、7000円のやつですか?」 「キミ、そこの売り場で、7000円のを指さして、  こいつのシルバーって、言っただろう」 「ええ、でも在庫がなかったものですから」 「キミ、1万円のですって、お客様にきちんと説明したか?」 「いえ」 「すいません、新米なものですから。  じゃ、お取り替えします」 「いいよ、ムリしなくても」 「でも、今後のこともありますから、キチンとしておかなくては」 「あのね。もう番号登録が終わっているよ」 「えっ...」 ベタラン社員、色を失います。 「申し分けありませんが」 「ああ、分かった。  キミ、これからチョンボするなよ」 1万円のはずが、1万5000円になってしまいました。 オトーサン、 その日の夜、 ケータイーの操作を研究しました。 高いだけあって、いろんな機能がついています。 「こんな中途半端な機能なんかいらないのに」 簡易電卓は使いづらいし、 目覚ましも、カレンダーも不要、 ボイスメモも、ICレコーダーとは比較にならない録音時間。 挙句の果てに、ミラーがついているのです。 待ちうけ画面が、ミラーに変身。 「笑っちゃうな。こんなもの、厚化粧の女でも使わんだろう」 分厚い2冊の取扱説明書を真面目に読もうとすると、 その分かりにくさに気が狂いそうになります。 「これって、何とかならんのか。  もっと分かりやすく、薄くならんのか?」 オトーサン、 「この厚化粧、何か日本製品を象徴してるなぁ」 クルマがそのいい例です。 厚化粧そのもの。 肝心の走りにカネをかけないで、 キーレスエントリーだ、自動格納ミラーだ、何だかんだ。 はては、カップフォルダーの数まで競うとは何事でしょう。 C4を買ったおかげで、そんな国産車の惨状が見えてきました。


2 カーナビをさがして

オトーサン、 「"カーナビの達人"、どこかで売ってないかなぁ?」 C4のナビが、33.9万円もするので、 「高いよ、やーめた」 川上さんにそう言って、 買うなら外付けにすることにしました。 ティーダで懲りたのは、 メーカー品は、走行中にTVが写らないこと。 「だって、助手席のひとが退屈するじゃん。  オレだって、音声だけ聞きたい場合もあるし...」 オトーサン、 はじめてナビをつけたのは、アルファロメオ156。 近所の晴海のオ−トウェーブで、お正月セールで買いました。 買ったあとで、実は「カーナビの達人」を買ったのです。 以下、再録しますが、 8社の当時の最新モデルの性能比較があって、 CA:カロッツエリア AVIC-H9 EC:イクリプス AVN9903HD   PA:パナソニック HD9000   KE:ケンウッド HDX-710   AL:アルパイン HDD555S   MI:三菱 CU-H8000VP-2   XA:ザナヴィ AFX-D8300   AZ:アゼスト MAX35HD 11項目にわたる詳細なものでした。                      機種名                  CA EC PA KE AL MI XA AZ 機能   1  地図:100mスケールで見やすいか、情報量は適当か           3位 1位 1位 5位 8位 6位 3位 7位 2  検索:探し出すポイントは正確か。独自のコンテンツがあるか                         1  5  6  4  1  8  1  7 3  ルート探索:どういうルートを引くか、目的地設定はしやすいか                       4  1  4  2  3  6  8  7 4  交差点案内:複雑な交差点でも分かりやすいか                       4  2  1  5  3  5  7  8 5  首都高速の案内:連続する分岐をどう案内するか                     2  3  4  4  6  6  6  1 6  リルート性能:早いタイミングで引き直すか、新しいルートは適切か                1  4  2  4  4  7  8  3   7  上下道・平行道判断:高架の道、平行する道を区別できるか                1  4  2  8  5  5  3  5    8  細街路指導:細街路での探索内容、案内を外れたときの対応は?                1  2  4  7  2  5  8  5 9  リモコン&スクロール:すばやく移動させても、地図は確認しやすいか                3  2  4  1  7  5  7  6 10 VICS受信と指示:渋滞情報を分かリやすく伝えられるか                1  3  4  4  8  2  4  7 11 市街地図とモニター:きれいに細かい地図表示ができているか                3  1  1  7  8  4  5  6        合計     25 28 33 51 57 59 60 62      オトーサン、 「総合順位だと、ケンウッドは、何位かな?」 この点数は、低いほうがいいのです。     総合1位CA:カロッツエリア AVIC-H9  25点       2 EC:イクリプス AVN9903HD   28       3 PA:パナソニック HD9000    33        4 KE:ケンウッド HDX-710     51       5 AL:アルパイン HDD555S     57       6 MI:三菱 CU-H8000VP-2    59       7 XA:ザナヴィ AFX-D8300   60       8 AZ:アゼスト MAX35HD     62 「しまった!4位のカーナビを買ってしまった。  次に買うときは、上位3位の機種にしなければ」 そう思い定めていたのです。 でも、次の機会となったティーダでは、 メーカー品を選んでしまいました。 バックビューモニターがついているためでした。 オトーサン、 てなことで、しばらくナビなしでC4をドライブしていました。 柏に引越してはや1年。 1年も走れば、もはやナビは不要。 頭の中には、走行ルートも、距離も、所要時間も、 さらには、混雑度もインプットされています。 ン10万円も出して、分かっていることを再確認する必要はないのです。 「でも、やはり、ないと不便だなぁ」 引き金になったのは、ご存知の浅草での一件。 駐車場が分からず、仲見世に突っ込んで、エライ目にあいました。 「田中さん、お宅のお客さんで、外付けしたひといる?」 「ええ、いらっしゃいます」 「外付けのお客って、何人いた?  ああ、その前に、おれ、千葉県で何人目のC4オーナー?」 「8人目です」 「じゃぁ、野田ナンバーで何人目?」 「流山のひとの次ですから、2人目です」 「おお、2人目か」 ベストセラーのティーダとはちがって、 当分、希少価値を楽しめそうです。 話が、そちらへ流れてしまい、 肝心の外づけのひとの数や比率を聞き忘れてしまいました。 田中さん、 「実は、お客さんがキャンセルしたナビがあるんですよ」 「へぇ、どこのメーカーの?」 「パナソニックです」 「ストラーダでしょう、いいじゃない」 「DVDナビなんですけどね」 「おれ、DVDでもいいよ。安くしてくれるなら。いくら?」 「本体が20万円、取付費5万円、合計で25万円です」 「高くない?」 「でも、パナと共同で、C4用にアレンジしたんですよ。  ご存知のように、C4は、ガラス部分が合わせガラスになっていて、  その間にラミネートを入れたので、  普通のフィルム・アンテナは装着できないんです。  特注品です」 「ふーん。でも、キャンセルされたんだから、  不良在庫じゃん。安くしなよ」 「....じゃ、本体と取付費で、20万円でいかがですか?」 「いいねぇ」 機種名も教えてもらいました。 オトーサン、 その後、柏駅の新星堂で、”カーナビの達人”をみつけました。 最新モデルの性能比較を期待していましたが、 抽象的な印象記しかありません。 肝心のスコアが載っていないのです。 「さては、メーカーの圧力があったな」 そうなると、あと頼りになるのは、ネットだけ。 まず、DVDナビで問題ないかどうか確認しました。 ●DVDナビ  CD-ROMのデータ量の制約から逃れる為に  各社殆どDVDナビに移行しています。  ほぼ一枚のDVDメディアに日本中の地図データが収録出来る為  何枚ものディスクを入れ替える必要も無くなり、  検索スピードも各社向上した為  今ではナビの基本機能はDVDナビタイプで充分満足出来る水準にあります。  HDDタイプナビが注目される今、  逆に機能を見極めて比較的安価なDVDナビを安く入手するのも  買い物上手かも知れません。 次に、価格コムで、評判をチェックしました。 「おお、いいじゃん!」 各評価項目で、CN-DV155Fは、高い評価を受けています。

最安値もチェックしました。 「9万5299円か。通販にしても安いなぁ」 田中さんの半値です。 さらに、これだけでは、不安なので、 67件の書き込みすべてに目を通しました。 ほとんどは、お値段の件。 あとは、自分で取り付けるにはどうしたらよいか。 肝心の使用レポートは少ないのです。 「面白そう、このひとのサイトを読んでみよう」 ○百趣味さん  9年目のオフロード4WDチャレンジャーにつけました。  約2ヶ月の使用で満足しています。  使用レポートをホームページの下記ページに記載しました。  http://www.geocities.jp/egacite/carnavi.htm そのホームペ−ジをクリックすると、 機種選択の理由が書いてありました。    すぐ必要。  展示在庫があり、売れ筋で評判のよいこと   取付けデザインの関係で黒   オンダッシュ薄型    モニターは最低7インチ、タッチ付き     地図ソフトは新しいこと。 価格は取付費含め12万円以下   HDDタイプが望ましいが、価格が無理ならDVDタイプでもよい   上記を満たす機種として、 パナソニック DVDナビ CN-DV155FDを選択した。     使用した感想も出ていたので、 それにも目を通しました。 「CN-DV155Fで、問題なさそうだな。  問題は、やはり値段だなぁ」 オトーサン、 そこで、スーパーオートバックス柏しょうなんへ。 実物をみたかったのですが、在庫なし。 HDDの最新機種しか展示していません。 しかも、カタログもなし。 請求すると、梱包を解かないと出てこない有様。 頼りになりそうな係員を探してウロウロ。 「あのう、この機種、いくらする?」 「そうですね。ちょっとお待ちください」 待つこと久し。 (「こんな風じゃ、カーナビは売れないよ。  住野社長に言いつけちゃおうかな」) 店員さん、 「えー、お待たせしました。  そうですね。10万円でいかがですか」 「10万円か。安いね」 田中さんの顔が浮かびました。 (「キャンセルするか」) 「で、シトロエンのC4なんだけど、取付費用は?」 「ちょっとお待ちください」 再び、待つこと久し。 (どこか、座るところないのか?」) 「お待たせしました。2万円ですね」 「安いなぁ。  (田中さんは、5万円って言ってたっけ)  で、ほんとうにC4に着くの?」 「ちょっとお待ちください」 さらに、待つこと久し。 (「分かるひとを売り場におけよ」) 「あのー、お買いになったディーラーの電話番号を教えていただけませんか?」 「なんで、そんなものがいるの?」 「車速パルスが必要ですから」 「ふーん、ありがとう。  じゃ、ディーラーに相談してみるよ」、 オトーサン、 田中さんのところへ行きました。 ETCの載せかえが主たる目的です。 「あの例のナビの件だけど、  お宅のお値段、馬鹿高いよ」 「そうですか?」 「だって、オートバックスで聞いてみたら、  本体10万円、取付費2万円と言ってたよ。  もっと安くしてよ」 「でも、オートバックスのようなお値段はウチではムリですよ」 「仕入れ値がちがう?」 「ええ」 その後の激しいやりとりは、省略。 やはり、田中さんのところで買うことにしました。 オートバックスには、気の毒ですが、 いただいてきたカタログを穴のあくほど読みました。

○製品仕様  タイプ DVD  VICS FM  タッチパネル 有  ETC連動 オプション  音声認識    画面サイズ 7インチ  TVチューナー 標準  付属 アンテナ    DVDビデオ再生 対応  音楽再生 MP3  対応メディア CD  DVD  SDカード  本体形状 1DIN  モニタ設置形状 オンダッシュ  本体サイズ  (幅x高さx奥行) 178x50x165mm  本体重量 1.55kg  モニター外形  (幅x高さx奥行) 199x117.2x24.9mm  モニタ重量 0.46kg  入力端子:映像・音声・カメラ  出力端子:映像・音声・デジタル出力 オトーサン、 「タッチパネルというは、いいよなぁ」 ティーダのは、まどろっこしくて、参りました。 いまどき、ダイヤルをぐるぐる回すなんて...


3 水彩画のような画面

オトーサン、 「これで、TXは全区間乗ったな」 ヨドバシカメラでケータイを買った後、 つくばエクスプレスに乗って、秋葉原から浅草に出ました。 六区から雷門まであるき、浅草から押上へ。 乗り換えて京成線の青砥へ。 電車待ちのあいだに、買ったばかりのケータイを初使用。 「あ、通じた!」 通じるに決まっていますが...、初体験で、こんなもの。 「あの川上さん、いますか?」 「はい、私、川上です」 「あの、ナビ取り付け、どうなってますか?」 「あー。出来上っていますよ。もう洗車もすませました」 「早いね、いま5時15分だ」 「ええ」 青砥の次は、お花茶屋。 これで、ぐるりと周遊したことになります。 お花茶屋ー京成上野ー秋葉原ー押上ー青砥ーお花茶屋。 どうってことはないのですが、 ちょっぴり電車マニア気分を味わいます。 駅前の銀行でナビの代金を下ろして、 川上さんのところに向かいます。 「燃費計の液晶画面は、ナビを外づけすると、  見えなくなっているだろうな」 そんな心配もあったので、 燃費計測にいそがしかったのです。 オトーサン、 「早かったね、5時半でも危ないというから、  時間つぶしに苦労したよ」 「どうぞ、これでいいですか?」 「おお、よくやってくれたねぇ」 液晶画面がバッチリ見えるじゃないですか。 「やあ、うまく収まるもんだねぇ」

川上さんに、自宅を目的地にセットしてもらって、 スタートしました。 あとは、何とかなるでしょう。 秋の夕暮れ、夕焼け空がキレイと言いたいところですが、 どんよりと曇っています。 「きれいな夕焼だなぁ」 ナビは、3D画面で、しかも夕焼け空が鮮やかに描かれています。 「へぇ、ストラーダって、おシャレだなぁ」

「この水彩画、谷内六郎さんの絵みたいだ」 記憶の深い層から、その絵がよみがえってきました。 読者のみなさん、 ご存知でしょうか? 谷内六郎さんを。 長く週刊新潮の表紙の絵を描いておられました。

一時期デートで琵琶顔一周ドライブをしたこともある 女の子の親戚とかいうことで、いまだに記憶しているのです。 「誰の奥さんになったんだっけ?  このナビ嬢の声、彼女に似てるなぁ」 コロコロと鈴の音のような声で笑う娘さんでした。 縁がなかったのでしょう。 ふられてしまいましたが、 これからは、形を変えて、付き合い再開です。 ま、それはそれとして、 ティーダのナビ嬢よりは、好感のもてる声です。 これならしばらく消さないでおきましょう。 「でも、この道路の色、いただけないなぁ」 走行ルートが、ピンク色に表示されるのです。 「あのピンクサロンの娘もよかったな」 これは冗談です、冗談。 松下電器には、ピンクサロンの常連がいるのかも。 これも冗談です、冗談。 オトーサン、 「おお、交差点の表示も見やすいな」 こういう分かりやすさは、松下ならでは。 これまで松下製品をいろいろ愛用しているのは、 その使い勝手が良いことと、トリセツが見やすいためです。

オトーサン、 大満足で、ナビのガイド嬢の言う通りに走りました。 「もっと早く受け取りに行けばよかったなぁ」 外が暗くなってきました。 年をとると、夜間の運転は苦手です。 前車の赤いテールランプをみながら運転するのは、キライです。 もっとキライなのは、ディスチャージ・ランプとかいう ヤケに明るいヘッドライトに照射されたとき。 「何で、こんな迷惑なものを役所は認可するんだ!  馬鹿野郎!」 自分ばかり見やすくて、いい気持ちなんて最低じゃないですか。 でも、住宅地に入ると、 このC4でも、ディスチャージ・ランプをつけときゃよかったかな、 そう思わざるをえないシーンが続出します。 無灯火の自転車、ムチャなオートバイや横断者...。 やむを得ず、ライトを上向きにして走りました。 オトーサン、 「えー、6時50分、ようやく無事に帰宅しました。 渋滞で、ナビの予定時間よりも、20分遅れでした。 以上」


4 時おり リルートが..

オトーサン、
9時10分に家を出ました。
行き先は、六本木ヒルズ。
面倒なので、「六本木」で探索したら、1024件も出てきました。
かえって面倒なことになりました。
ナビに阿吽の呼吸を期待するのは、ムリなようです。
いかに、パナといえども、
「助さん格さん、懲らしめておやりなさい」の一言で、
万事オーケーとは、まいらぬようです。
到着予定時間10時30分、31km先と出ました。
約束した時間は、11時30分なので、余裕たっぷり。

オトーサン、
「混むなぁ」
休日の朝、それも三連休の朝の混みようは、
尋常なものではありません。
国道6号線を東京方面に向かっているのですが、
まず根木内で渋滞し、南花島で渋滞し、松戸で渋滞し、
まあ、至るところで渋滞しています。
「えー、到着予定時間、10時55分になってしまいました」
「えー、11時になってしまいました」
「えー、11時10分になってしまいました」
「よーし、わき道をぬけてやれ」
ナビがあると、こんなとき便利です。
「このナビ、再探索と言う代わりに、リルートと言うなぁ」
面白いので、わき道、抜け道、
はては、♪曲がり道くねくね。
「ははーっ、このナビ、ついに迷ったぞ!」
もうリルートの処理が、追いつかないのです。
「せっかく、渋滞を回避して、抜け道から6号線に出てきたのに、
 まだ、この先、渋滞していますね」

「えー、江戸川にかかる橋で渋滞、  サイクリストが気持ちよさそうに橋を渡っていきますね」 「はーっ。オートバイが、白バイにつかまっていますね」 「あっ、救急車がとまっています。自転車をはねたようです」

江戸川をわたると陸橋。 あえて、下の道を走ってみました。 「ふーん、このナビ、なかなかやるじゃん」 例のナビの性能テストで、 高架の道、平行する道を区別できるかという項目で、 パナは、2位でした。 ケンウッドは、何と8位でビリ。 ティーダのも、ダメでした。 「この下の道も動きませんね」 どうやらジタバタしてもダメのようです。 「電話するか、遅れそうだと」 この後も、一寸刻みだったので、川柳を読んでみました。  ・リルートの 叫び空しく 突っ走る    ・渋滞や 嗚呼渋滞や 渋滞や                  柏庵 「えー、10時15分、白鳥交差点を通過しました」 ここを右折すると、川上さんのところに行けます。 「でも、今日は用もないし...」 そんなことを言っていると、 どういう風の吹き回しでしょうか、 突然、異音がしはじめました。 ティーダでは、リアシートやリアドアからでしたが、 今度のC4は、どうやら、ナビから出ているようです。 ナビを抑えると音が消えるので、間違いなさそうです。 「取り付けが甘かったのかも...」 時間に余裕があれば、ちょっと立ち寄れたのですが、 そのまま六本木へ急ぎました。 オトーサン、 「言問橋東詰、大渋滞で渡れません。直進します」 「えー、おかず横丁へきました。ここ一度来たかったのですが」 ○おかず横丁  蔵前橋通りからさらに横道に入ると、   「おかず横丁」の看板が見えてきました。   この近辺は戦災を免れたこともあり、 昭和初期の面影が色濃く残っています。 もともと家族総出で働く町工場が多かった地域で、 おかずだけを買って食卓に並べる家庭がたくさんあったことから、 総菜を扱う商店が集まって出来た横丁なんだそうです。 その名前の通り、量り売りや1つ単位で買える 総菜がいろいろと店頭に並んでいます。   横丁内のお店へ出前を取ることもできるようです。 のんびりと足を休めていると、地元の方が気軽に声をかけてくださいました。 街並みにも、住んでいる人にも、下町の温かさを感じます。 訪れる人を自然体にしてしまう街に、大満足のウォッチャーでした。  出典:街角ウォツチャーがいく www.towa-fudosan.co.jp/mansai_bn/bn0505/watcher.html 「ありゃありゃ、またヨドバシカメラに来てしまいました」 「大手町駅前ですね。10時54分。  あと4.6km、到着予定時間11時15分」 「六本木の交差点にきました。  ミツワ自動車、あれ?アウディのディーラーになっていますね」 「えー、麻布十番公共駐車場から出てまいりました。  11時15分、どうやら、待ち合わせ場所の蕎麦屋さんに  時間前に着けそうです」 この駐車場、1時間300円と安いのですが、 通路が狭いので、C4だと気をつかいます。 また、立体駐車場にいれるために、アンテナを外すのが面倒です。

昔お世話になった上司と昼食後、 六本木ヒルズのチョコレート屋さんで、おしゃべり。 居住棟のそばなので、外人の家族連れが散歩に出てきます。 日本人妻も。何組か。 「外人ばかりですね、ここ日本じゃないみたい」 「この辺、ヤクザも多いんだよ」 右翼の街宣車の大声で、何度もおしゃべりが中断しました。 「落ち着かん街だなぁ」 最近は、こういうところよりも、 利根川べりや、下町のほうが、落ち着くようになりました。 年のせいでしょうか。

オトーサン、 C4で、元上司をご自宅まで送ってから帰宅。 「混むなぁ」 思いきって、霞ヶ関ICから首都高に乗りました。 「正解だった!」 すいすい流れています。 「いいクルマだなぁ」 このC4、ほんとに道路幅が広く感じられます。 「加速もいいしな」 ところが、常磐道に入ると、 事故があったらしく、2kmの渋滞。 結局、三郷の入り口から流山ICの出口まで一寸刻み。 高速性能を味わえせんでした。

オトーサン、 流山IC出口で、ETCが動作不良、ゲートが開きませんでした。 係員いわく、 「一度、ディーラーにみてもらったほうがいいですよ」 「ありがとう」 てなこともあって、帰宅したのは、4時12分。 「えー、89km走って、燃費は7.7km、平均速度21kmでした」 部屋でパソコンに向かって、 ヒデボーさんのグラフで、ティーダの燃費をチェックすると、 平均速度21kmでは、燃費が11kmでした。


5 失われたスコア

オトーサン、 日比谷シャンテで映画をみてから、 直久のラーメンを何年かぶりで食べました。 その後、旭屋書店で、「カーナビの達人」を探しました。 昼休みで立ち読みのひとが多くて、棚に近づけません。 しょうがないので、店員さんに探してもらいました。 「これですか?」 「あれ?”カーナビ&オーディオの達人”になっているね」 「ええ、昨年から名前が変わりました」 「あ、そう」 CGで有名な二玄社の力をもってしても、 カーナビだけでは、採算が取れなかったのでしょう。 「オーディオの部分は不要なんだけどなぁ」 「はあ」 でも、行きがかり上、買わざるをえませんでした。 「...ムダ金を費ってしまった」 オトーサン、 地下鉄に乗って、北千住へ。 乗り変えて、つくばエキスプレエスへ。 空いていたので、座って、買ったばかりの雑誌を取り出しました。 ポピュラークラスナビ実走行テストという記事を読みます。 「おー、オレのナビが出ている!」 対象となったのは、以下の8機種です。 A ケンウッドHDM-555 B ソニーNV-XYZ77 C 三菱CU-V7010RVP D アルパインHD015 E イクリプスAVN204D F カロッツェリアAVIC-DRZ90 G ザナヴィXM-D8400DV H パナソニックCN-DV155FD ミニバンに8機種を装着して同一条件でテストしています。 テスト項目は、以下の6項目です。 @高架道路と下道の判別 A郊外住宅地での測位性能 B立体駐車場での測位と再起動性能 C右左折案内の的確さ D複雑なインターチェンジの誘導性能 E細街路案内の的確さ オトーサン、 「あーあ、やっぱり、文章しかない!」 スコア化しないと、比較できないじゃないですか。 そこで、文章をよく読んで、失われたスコアを復活させることにしました。 ・4点:褒めている ・3点:やや問題あり ・2点:問題がある ・1点:問題が多い ・0点:役に立たない さて、待望の結果は? 「答えはCMの後で」 ご安心下さい、そんな意地悪はいたしません。    総合点  @AB CDE 1位 パナソニック   21点  4 4 4 3 3 3 2位 カロッツエリア 16点 2 2 3 3 3 3 ケンウッド 16点 1 4 4 3 3 1    イクリプス  16点 1 4 3 2 3 2 5位 ザナヴィ 14点 3 2 2 2 2 3 6位 ソニー  12点 0 2 2 2 2 4 7位 アルパイン 10点 2 0 0 4 2 2 8位 三菱 4点 0 0 1 1 0 2 オトーサン、 「おお、おれのパナが、断然トツの1位だ!」 田中さんに、お礼の電話をしなくては。


6 大樹に抱かれて

オトーサン、 「しょうがねぇなぁ」 天気予報が外れてるじゃ、あーりませんか。 朝から、満を持してサイクリングのはずが、外は雨。 「しょうがねぇなぁ」 科学技術が発達しているというのに、 明日の天気も分からないなんて。 軍事費を全部気象庁に回せば、分かるようになるかも。 アメリカも、ハリケ−ン退治に軍事費を回すべきです。 なーんちゃって。 オトーサン、 「えー、12時、スタートします」 サイクリングは、もう手遅れなので、 C4とそのナビの性能テストでもやりましょう。 行き先は、印旛日本医大の先にある松虫寺。 「わが輩はサイクリストの愛読者なら、すでにご存知でしょう。 「えー、C4、実に気持ちのいい走りですね。  エンジン音も軽快だし、足回りも、ステアリング・フィールも絶妙だし」 ただし、絶えず異音がします。 「しょうがねえなぁ」 異音は、ナビから発生しているのです。 明らかに取り付けミスでしょう。 これでは、低年式の中古車に乗っているようです。 ナビの頭を左手で抑えつけると、異音は消えます。 でも、いつまでも片手運転を続けるわけにはいきません。 「そうだ。行き先を入力しなくては、松虫寺だ」 ところが、五十音で「ま」は後ろ。 なかなか出てきません。 画面表示が細かいので、タッチしにくいうえに、 光が反射してナビ画面そのものも、よく見えないのです。 オトーサン、 「えー、12時25分、国道16号線から、464号線に入りました。 先日行った北総線の小室駅のすぐそばです」 やはり、クルマのほうが、早く着きます。 当たり前か。 「えー、ガソリン・スタンドがつぶれています」 「えー、この辺り、レギュラーで121円、ハイオクで131円ですね」 やはり、この先のジョイフル本田の直営セルフに影響されているのでしょう。 「あっ」 北総線沿いにひろがるのは、千葉ニュータウン。 2車線の直進路を時速70kmですいすい走っていたのですが、 路上に何かが落ちていたようです。 一瞬、すごい振動が起きました。 やはり脇見は禁物、こういう予期せぬ出来事があるので、 運転中は、運転に集中しなくては...。 オトーサン、 印西牧の原にきました。 ナビには、右折の指示が出ました。 「この画面、みやすいなぁ」 交差点の拡大図が画面の7割を占めるのです。 「へぇ、北総花の丘公園か、寄ってみるか」 こういう機会を逃すと、永久に見ることがないかも。 「軽食ぐらいあるだろう」 予想が甘すぎました。 「ほんとに何もないなぁ、誰もいないなぁ」 娯楽よりも環境教育や園芸相談に力点があるようです。 景色のよいところを厳選して、写真を3枚撮りました。 ●北総花の丘公園  住所:印西市原山1-12-1 電話:0476-47-4031  開館時間:9:00-17:00 休館日:月曜日、年始年末

オトーサン、 「腹減った。  10分ほどいただけで、駐車料金300円は高いなぁ。  寄らなきゃよかった」 逆戻りして、食べ物屋を探します。 「うるせえなぁ、リルート、リルートって!」 ナビにすれば、当然の義務を果たしているのでしょうが、 空腹の身には、耳障りです。 「うん、ここらで食べよう」 デニース、お好み焼き・道頓堀、餃子の王将などが、 駐車場を囲んで並んでいます。 「四六時中か、魚料理、いいかも」 ウエートレスの傍若無人な態度に呆れて、出てしまいました。 席がいくらでも空いているのに、待たせるのです。 「ここにしよう」 正解でした。味もサービスもOK。 自家製の豆富料理が得意のようです。 ○ぎおん庭  住所:印西市戸神493 電話:0476-48-5545  営業時間:11:30-14:00 17:00^23:00 天丼(ごま豆腐、お新香、コーヒーつき) 920円  杏仁豆腐 210円 オトーサン、 「えー、1時23分、店を出ました」 「おい、このナビ、ダイジョウブカ?」 右折禁止のところを曲がれと指示しています。 「あ、直った。すぐ反省するのは、いいぞ」 しばらくナビの言う通りに走りました。 「変だなぁ。なんで印旛沼のほうへどんどん行くんだ?」 ゴルフ場のなかの昼なお暗い道を突き進みます。 それから右折すると、印旛沼から遠ざかります。 「おお、ここ、この前自転車で通った道だ」 日本医大北総病院の脇です。 もう駅は間近、松虫寺も間近です。 「やっぱり、大迂回だった、このナビ」 この前の総合点21点から1点マイナスしなくては。 でも、松虫寺の駐車場は、ちゃんと表示していました。 お寺のちょっと先にあるのです。 「えー、自宅からここまで32km、燃費10.4km、平均車速28kmでした」

オトーサン、 「おお、なかなかいいお寺だなぁ」 お寺に入る前の道に彼岸花が咲いていました。 リュツクを背負った女性カメラウーマンがしきりに撮影していました。 「姫はどこにおわす?」 イチョウの大樹の陰にひっそりと眠っておられました。 「わが輩はサイクリスト」をお読みの方は、 すでにご存知でしょう、 松虫姫は、奈良時代は聖武天皇の息女。 ハンセン氏病にかかって苦しんでいると、 枕元に薬師如来が現れ、東国は下総の国に下れ、 念仏三味、勤行に励めば、病は癒えると告げられます。 この地で数年、ついに病は完治し、美貌を取り戻します。 メデタシ、メデタシ、.と思うでしょう。 「ところが、ちがうんだなぁ、これが」 お寺の縁起によれば、都に戻った姫は、 異母兄の塩焼王の妃になったために、 皇位継承にまつわる藤原一族の政争に巻きこまれて、 2度も流刑という悲運の身になるのです。 「政争か、政争はいかん。  いつの時代も、ひとを不幸にする」

オトーサン、 3時7分、無事スムースに帰宅しました。 でも、ちょっと気になるガイドがありました。 自宅が近づくと、 「これから細い道に入ります」 ナビ嬢がそう言うじゃないですか。 「2車線で、両側に広い歩道もあって、何が細い道なんだ?」 どこかの首相なら、 「細い道かどうか、国民に聞いてみたい」 そう言って、政争にするでしょうが、 そこは、オトーサン、じっと我慢しました。 そっとナビの総合点から1点引くことにしました。 したがって、パナのナビの総合点は、19点となります。 「あ、そうそう、忘れそうになりました。  今日の走行距離は、57km、平均車速27kmで、  燃費は、10.3km./Lでした」 まあまあの燃費じゃないでしょうか。 ヒデボーさんのグラフでは、ティーダだと13km/Lとなっていますが... オトーサン、 「あ、そうそう」 大事な話を忘れそうになりました。 写真に撮った文章は、松虫寺のトイレにあったもの。 「一歩前へ」というより、オシャレじゃないですか。 「おれのも、まだ、高価なものなんだ」 いかがですか、御同輩のは?


7 野も山も晴れて、その1

オトーサン、 「えっ、今日行くことになったの?」 朝起きると、メモがあって、9時30分スタートとあります。 「まぁ、土曜日に行くよりは混まなくていいけど」 今回は、娘がめずらしく同行します。 彼女の都合で、そうなったのでしょう。 あわただしく荷造りをします。 「えーと、忘れものないかな?」 「山はもう寒いから、ステテコはいていくか」 てなことで、9時半スタート。 距離計をリセットします。 ナビの目的地は、とりあえず柏ICにしました。 「あーあ、やっぱり混んでいる」 ぼやきましたが、たまたま工事で、すぐ流れました。 でも、ラジオの交通情報では、首都高は事故のようです。 その前も、八潮で渋滞しているとか。 「なぁ、下仁田IC経由でいいな?」 「ああ、いいわよ」 娘は、リアシートをベッド代わりに熟睡しております。 オトーサン、 外環から関越道へ出ます。 「空いてるなぁ。 徳大寺有恒さんのいう通りに走ってみよう」 @大型トラックの前後は避ける A車間距離をつめてくるクルマには道を譲る B追い越し車線を割り込まれない程度に前車と距離をあけて走る C速度制限を守るより、流れに乗るほうを優先する 結果的には、時速,80kmから120km、 2000〜3000回転をちょっと越える程度で走りました。 慣らし運転期間中ですが、ま、許容範囲内でしょう。 上信越道に入ると、もう下二田ICは、間近。 「もう、1200kmを超えたか」 「...変ねぇ」 奥方は、千住真理子さんのCDを聞いていましたが、 終わっても出てこないので、あせりまくっています。 「変よねぇ」 「取扱説明書を読んでみたら」 娘は相変わらず、熟睡中。 下仁田ICを出て、1,5kmで、道の駅・下仁田へ到着。 ここは、2度目です。 むっくりと起きた娘、 「ここどこ?」 「下仁田よ」 「あの下仁田ネギの?」 「なんでこんなところに?」 「首都高が大渋滞だったから迂回した」 「あ、そう」 オトーサン、 「2時10分走り続けたけれど、疲れんなぁ、  いいクルマだ」 徳さんの言うように、1時間に1回のペースで 運転しながら深呼吸をしたのも、よかったのかも。 「えー、ここまで157km、燃費14.2km/L、平均車速69kmでした」 案外いい燃費が出ました。. ほっとすると、関心は食い物へ。 「うまそうだ」 売店で神津牧場のアイスクリームを食べました。 女性陣は、トイレのあと、パン屋。 何でも、コンニャク粉をまぜているとか。 「ここのパン、おいしかったでしょう」 「そうだったっけ?」 写真は、円形広場中央の樹齢850年のケヤキと その空洞部分にある大天狗のお賽銭箱です。

オトーサン、 30分ほど休憩して、道の駅を出て、254号線を佐久へ、 ここは、コスモス街道といわれていますが、 その名とは大違いで、男性的な峠道です。 やたらトンネルとカーブが多くて、 気が疲れるはずですが、 三角窓のおかげで、前方視界がよく、 トルクがあるので、登坂道も小気味よく走れました。 「あたし、酔ったみたい」 「どうする?休んでいく?」 「....」 「寝っころがってないで、起きろよ」 「....」 幸い、荒船山を越えて、道は佐久にむかって 直線路の下りになりました。 141号線に出ました。 あとは、清里方面へ向かうだけ。 千曲川沿い、小海線沿いの景色のいい道です。 「どこで食事しようかしらね?」 「佐久の鯉料理もいいかな」 「だって、病気が心配でしょう」 「じゃ、決めてよ」 「....」 奥方は、空腹になると声もでないようです。 オトーサン、 午後1時25分、141号線をそれ、 千曲川をわたって、小海線の八千穂駅へ。 ナビ嬢が「リルートを開始します」と叫びますが、 気にしないことにしました。 「こっちでよかったっけ?」 「奥村土牛美術館の標識通リ行けばいいのよ」 何度も来ているので、奥方はいいナビ嬢です、 駅前のレストランに到着。 「えー、走行距離49km、燃費11.9km/L、平均車速42kmです」 道の駅・下仁田からここまでのデータです。 山越えで燃費はやや悪化しました。 肝心の娘のほうはと見ると、 何度かトイレに行きましたが、 しばらくすると食事の注文もできるようになりました。 「いいお店だけど、ちょっと微妙に外れているのよね」 「そうかい?」 「あの絵がねえ」 「だって、どこかの画家の絵を展示してるからしょうがないだろう」 このお店、奥さんが知識人なのでしょうか? 赤旗と週刊金曜日が置いてありました。 「このランチ、これで1050円は安いよなぁ」 「丁寧につくっているのよね」 例えば、サラダ。 きちんと野菜をむいて形を整え、カレーでかすかに味をつけています。 パンも三切れ、それそれちがうパンで、バターを塗ってあります。 美味しいコーヒーもついていました。 このお店には、2時40分までいました。 ○たかとんぼ  住所:長野県南佐久郡八千穂村穂積1335-3  電話:0267-88-2533  営業時間:11:00-22:00 定休日:月曜日  ランチ:1050円

オトーサン、 すっかり元気回復、 奥方は、お腹いっぱい会話もはずみます。 娘は、リアシートに寝そべっています。 「長野県は、ガソリンが高いなぁ」 「ハイオクが148円よ、すごいわねぇ」 「田中知事、何してるんだろうなぁ」 共産党が強いのに、ガソリン価格がこう高いのは不思議です。 2時42分、野辺山高原のびつくり市へ到着。 野菜を仕入れました。 ここの野菜はびっくりするほど安いのです。 例えば、写真のタマネギは、10kgあって、1100円。 「ほんとに安いのかねぇ?」 「安いんじゃない」

オトーサン、 2時55分スタートし、清里の学校寮の交差点から右折し、 八ケ岳高原道路へ入りますした。 この道は、典型的な山岳道路。 やたらカーブが多いのです。 娘も元気になったようなので、飛ばしました。 「スローイン、ファストアウト」がカーブ走行の鉄則。 「楽しいなぁ」 「そんなに飛ばさないでよ」 「ああ」 カー・オブ・サ・イヤーの選考で、 自動車評論家たちが走っていたと思うと、 ついその気になってしまいます。 「いいクルマだなぁ」 よくテレビの料理番組で、 「うまい」としか言えないタレントをみて、 「ボキャブラリー貧困だなぁ」と笑うのですが、それと同じ。

オトーサン、 やっと山荘に着きました。 午後3時30分でした。 家を出たのが、9時30分ですから、 ここまで6時間かかったことになります。 「えー、道の駅下仁田からここまで、  101km、燃費11.9km/L、平均車速44kmでした」  自宅からだと、ここまで  259km、燃費13.4km/L、平均車速58kmでした」 まあまあの燃費じゃないでしょうか。 ヒデボーさんのグラフでは、ティーダの場合、 車速44kmでは、15.5〜17.5km/L、 車速58kmでは、16〜19km/Lとなっていました。 「ま、燃費だけを考えたら、国産車だな。 でも、クルマは気持ちよく.走れてナンボのものだからなぁ」


8 野も山も晴れて、その2

オトーサン、 「今日もよく晴れたなぁ」 樹々の間から漏れる朝日がきらきら。 「まぶしいな、サイコー!」 朝8時にベランダで朝食。 「起きてこんなぁ」 「行かないのかしら?」 結局、娘は、「交流会」に不参加でした。 オトーサン、 「遅刻しそうだ、急げ!」 坂道を1kmほど集合場所へ下っていきます。 「大勢集まってるなぁ」 年1回催される別荘地の交流会です。 主催は、南信森林管理署(昔の営林署にあたる)。 今年のテーマは、森林観察会とキノコ狩り。 一応、ご紹介させていただくと、式次第は以下の通り。 ・10:30-10:40 あいさつ ・10:40-12:00 森林観察会 ・12:00-13:00 昼食及び懇親会 ・13:00-14:00 キノコ狩り、キノコ鑑定 ・14:00    解散   オトーサン、 新任の森林管理署長さんの話を録音しました。 でも、長いので、途中でカット。 「ふーん、八ヶ岳に6700haもの国有林があるのか」 「この別荘地の総区画は、125で、うち106区画が売却済み。  98棟が建っているのか、へぇ」 「今日は、50人もの方にご参加いただきました」 「あと19区画が売れ残っているので、友人に是非おすすめ下さい。  ....あいよ」 署長さん、 このHPに書き込むことで、義務を果たしましょう。 連絡先:090-2535-4773

その後、樹木医のおじいさんのユーモアあふれるお話し。 「ふーん、この辺は、日本有数の植物の種類の多いところなんだ」 全員、ストレッチ体操もさせられました。 「久しぶりだなぁ、体操は」 身体の節々の筋肉が痛みます。 やはりサイクリングの前後には、体操をすべきなのでしょう。 そして、3班に分かれて、森林観察会へ。 わが第2班は、どういうわけか樹木医と署長も加わります。 「何でも質問してくださいよ」 奥方、樹木医のおじいさんのそばを離れません。 男性陣は、植物なんかに興味がないので、 後から、ススキの原っぱをぬけ、からまつ林を登っていきます。 ときどき、南信森林管理署が事前に 草木につけてくれた名札をみて、 フーンと言う程度で、まことに申し訳ない有様。 顔なじみの人たちとの世間話に興じております。 「皇太子があの山に登ったんですってねぇ?」 「へぇ、編笠山に?」 「編笠山って、どれですか?」 「知らないんですか?」 「私も観音平から登ろうとしたけど、途中でやめました」 「まあ、編笠山の麓で、こうやってウロウロしているのが、  一番ですよ」 「そうですなぁ」 ○皇太子さま:山梨・八ケ岳連峰南部の編笠山を登山   皇太子さまは27日、山梨県の八ケ岳連峰南部、 編笠山(2524m)に登山した。 観音平からアカマツなどの並ぶ林道を進み、 途中の雲海展望台(1875m)では 県有林課の安富芳森課長補佐が展望台からの景観を説明した。 皇太子さまは山小屋に宿泊。 同連峰を縦走して権現岳(2715m)に登り、28日に帰京する予定。 (毎日 年9月27日)

樹木医のおじいさん、 無造作に背の低い樹木の枝を折ります。 参加者みんなが、1枚づつ受け取った頃合を見計らって、 「この葉っぱを噛んでみてください」 「苦いな」 「うん、苦い」 「これ、胃の薬なんです。  煎じて飲んだり、お風呂に入れるといいんです」 「へぇ、良薬口に苦しか」 「その通リ」 奥方、 「ウチの庭にもありますが、何という名前なんですか」 「アキカラマツ」 「アキカラマツね」 奥方、メモしています。 覗く込むと、植物名がギッシリ。 コウソリンナ、シナノザサ、セイヨウタンポポ、ナンテンハギ...

「これキレイねえ、宝石みたい」 どこかのおばあさんが感激しています。 「これ何という名前ですか?」 「.....」 耳が悪いのか、聞きもらしました。

てなことで、ほとんど何も勉強せずに 森林観察会は終わってしまいました。 山道の途中の草原に敷いてくれたビニールに座って、 にぎやかに昼食を摂りました。 といっても、おにぎり3ケとペットボトル(500cc)のお茶。 唯一のご馳走が、大鍋のキノコ汁。 オトーサン、 お隣に座った樹木医のおじいさんに聞きました。 「樹医って、資格をとるのですか?」 「女医、獣医、樹医」 「???」 「あなた、樹木医って言わなきゃ」 「そう、よく間違えられるんですよ?」 このおじいさん、森林インストラクターの資格も取っておられるとか。 「いい加減なやつもいてね。  行者にんにくとスズランを間違えて教えたもんもおるわな。  可哀想に、食べて死んでしもうた」 スズランには、毒があるそうです。 「かえでは、蛙の手から名前がついたんじゃ」 「ゼンマイとよくにたのがあるが、綿の取れる奴がゼンマイだよ」 オトーサン、 樹木医のおじいさんに感化されて、 この後、ひとつだけ、植物の名前を覚えました。 読者のみなさん、 この写真の植物、何だかお分かりですか? お分りになるようなら、大したものです。 森林インストラクターになれるかも。 答えは、次回のお楽しみ。

読者のみなさん、 「そんなつまらんクイズなんか、どうでもいいよ。  肝心のキノコ狩りのほうは、どうなったんだ?」 オトーサン、 「それが....、このところ、野も山も晴れて  キノコなんかありませんでした」 キノコは、雨が降らなきゃ生えないのです。 われらが松茸だって、涙雨の末にできたのかも。 人生、晴れが続けばいいってものじゃないのです。 晴れも曇りも雨もあるのが、自然なのでしょう。


9 野も山も晴れて、その3

オトーサン、 「おお、今日もよく晴れたなぁ」 娘も元気回復してきたので、明野村のドゥ・ミールへ ケーキを食べに行くことにしました。 「車酔いの薬、飲んだ?」 「ええ」 でも、彼女が酔うとやばいので、ゆっくり運転しました。 標高1300mの山荘から下って、 甲州街道を時速60kmでコンスタントに走りました。 道の駅はくしゅうで、燃費をチェック。 「おお、いい燃費だなぁ」 奥方は、例によって、新鮮野菜を買い込んでいます。 娘もつきあって、何か買ってきました。 覗き込むと、香米。 ごはんに少し入れるといいのだとか。 おみやげにするそうです。 オトーサン、 甲州街道を韮崎へ。 ここのガソリンスタンド、ハイオクが135円。 立ち寄らないわけには、行きません。 それから、ゆるやかな斜面を上って、 県立フラワーパークのそばへ。 奥方、ここの直売所でも野菜を買い込んでいます。、 「茅が岳がきれいだなぁ」 「ああ、リンゴが赤く色づいていきた」 お目当てのドゥ・ミールは、もうすぐです。

オトーサン、 ドゥ・ミールに着いてすぐ燃費をチェック。 「うーん、上りだと、やはり燃費が悪化するなぁ」 娘、 「パパが好きそうな記事が出てるよ」 注文したケーキを待っている間、 娘が「'04 るるぶ山梨」をめくっていて、 このお店の記事を発見しました。 「へぇ、あの椅子、フランク・ゲーリーの椅子なんだ」 何でも、30万円はするとか。 木を曲げて組み合わせる作風で有名な作家だとか。 「モンブラン、ください」 5分ほど待って、つくりたての味を味わいました。 「うーん、こんなに美味いものとは」

ケーキがお腹に入ったので、 12時をすぎましたが、まだ空腹にはなっていません。 須玉ICから中央道に入りました。 「おお、1500kmを超えたぞ」 長坂ICを過ぎたあたりで、念願の慣らし運転は終了しました。 後ろから、ティーダが追ってきました。 性能は熟知しているので、長い登坂路でC4の実力をみせつけました。 「やーい、見えなくなった!」 「あなた、120kmも出てるわよ」 てなことで、またまた燃費を悪くする走りをしてしまいました。 オトーサン、 娘の要望で、八ヶ岳アウトレットへ。 「おお、ジャガーの店がある!」 ジャガーといっても、自転車ですが... 娘たちが、夢中になって品定めをしている間、 このお店で時間をつぶしました。 ジャガーの名前がついている割りには、お値段は、3〜4万円。 折りたたみ式自転車も在庫豊富。 残念なのは、ロードレーサーのなかったこと。 次に、時間つぶしをしたのは、大洗さかな館。 茨城県の大洗漁港から毎日、魚を直送とか。 なんで、アウトレットに魚屋が誕生したのか、 理解し難いところですが、理由が判明しました。 2006年夏に大洗にもアウトレットが誕生するので、その前宣伝というわけ。 「随分、お店が入れ代わっているのね」 「そうだね、オープン当初と比べると、半分くらい代ってるなぁ」

オトーサン、 娘の買い物が終わって、 ようやく3時半に山荘に戻りました。 早速、気がかりな燃費データを整理。 「さあ、どうなったか?」

○燃費データ
条件 距離km 燃費km/L 車速km/h
山荘〜道の駅はくしゅう 30 19.2 30
山荘〜ドゥ・ミール 44 13.8 32
山荘〜山荘 80 11.3 34
オトーサン、 昼寝して、目が覚めたら、もう夕方でした。 「ああ、夕陽がきれいだなぁ」 そのあと、家族揃って、近所の温泉へ。 夕食は、道の駅で買った山菜おこわ。 それに、イワナの塩焼きとホウレンソウのおしたし。 簡素なものですが、 娘と一緒の夕食は、やはり楽しいものです。


10 野も山も晴れて、その4

オトーサン、 「もう帰る日か」 今回は、3泊4日。 1週間くらいいないと、庭の草取りもできません。 「まぁ、またくるからいいか」 朝の9時38分に山荘をスタートしました。 7km先の小渕沢ICから中央道に入ります。 「このナビ、便利ね」 前のティーダのナビは、 いちいち、高速道路と指定しないとダメだったのですが、 このパナのナビは、自宅と入力すれば、 小渕沢ICから入って、四つ木ICで降りると表示されます。 「12時55分に着くって」 「早いなぁ、3時間強とは」 「そうね」 「パーキング・エリアも、自動的に案内してくれるんだ。  賢いなぁ」 「車線規制も教えてくれるわよ」 「そうか」 中央道では、タンクローリーの後をついていきました。 娘が乗っている以上、あまり飛ばせないので、 この機会に、どのくらい良い燃費がでるか試してやろうと思ったからです。 このタンクローリー、なかなかのもので、 遅いクルマがあるときは、追い越し車線も利用するのです。 「大体90km前後だな」 そんなことで、いい燃費が出ました。 下記にあるように、須玉ICまでの長い下り坂では、 リッター25kmを記録しました。 (もっとも、ティーダでは、最高36.2kmを記録しましたが) その後も、好燃費を維持。 その秘密は、ステアリングをやたら切らないこと。 白線を見ながら、きれいにトレースする気で運転すればいいのです。 アクセルは、踏む感じでなく、そっと触れるように。 踏んだら最後、急に燃費が悪化します。 オトーサン、 首都高に入ると、三宅坂を頭に渋滞9km。 「また、渋滞9kmよ。やーねぇ」 初台あたりからは、一寸刻みで、急速に燃費がダウンしていきます。 加平で事故というので、霞ヶ関で出ました。 日比谷公園のあたりで、 面白半分にナビ画面を撮影しました。 皇居を中心とした都心の立体地図をご目にかけましょう。 でも、到着予定時間は、この渋滞で、すでに13時55分になっています。 「ほんとに、首都高ダメねぇ」 「都心をぬけないで、帰りたいよなぁ」 「圏央道、早く出来ないかしら」

読者のみなさん、 圏央道、まだ中央道とつながっていませんが、 中央道・八王子ICで降りて、一般道を走って、 あきるのICで圏央道に乗った方、いらっしゃいませんか? 地図でみると、5kmほどですが、渋滞していませんか? 例えば、平日のお昼頃だと、どうでしょう? 何分くらいで、あきるのICへ入れるのでしょうか? 時間がかからないようだと、 大回りになって料金も高くなりますが、 圏央道・あきるのIC〜関越道・鶴が島IC〜外環・三郷IC〜常磐道柏ICという ルートが使えるかもしれません。

オトーサン、 日比谷から浅草へ出て、 言問橋から6号線に乗って柏へ向かいました。 途中、昼食を取るために、寄り道して水元公園へ。 残念ながら月曜日でお休み。 近くの柳亭で、おそばを食べました。 「どんどん、燃費が悪くなるなぁ」 松戸でまた渋滞があって、 自宅に着いたのは、午後2時30分。 山荘を出てから、5時間弱。 燃費は、14.4kmまで落ちました。 参考までに、今回の詳細な燃費データを記しておきましょう。 ○燃費データ
条件 距離km 燃費km/L 車速km/h
須玉IC 25 25.0 56
甲府昭和IC 40 23.8 64
笹子トンネル入口 69 19.2 70
談合坂SA 95 19.2 75
八王子IC 126 19.2 77
新宿IC 159 18.8 75
霞ヶ関IC 165 17.8 67
水元公園 185 15.8 54
自宅 200 14.4 47

また、以下は、ティーダでの燃費データです。 走り方や渋滞の程度で、随分と差が出るものです。       11月    12月    4月 6月 須玉IC 34.0Km 34.9   36.2 28.6  長い下り坂 甲府昭和IC 30.0 30.9   33.3   25.6  ややアップダウン 八王子IC 23.5 24.0   25.6 19.6  アップダウン   自宅 20.9 22.6   22.5 18.0  平坦路 オトーサン、 「C4、いいクルマだなぁ。疲れないもの」 5時間も乗っていたのに、まだ走りたい気分です。 こんなクルマは、はじめて。 ただし、細かい不具合が出ました。 (想定の範囲内ですが) その晩、川上さんに電話しました。 @ナビの取り付けが悪いのか、異音が出る ACDを挿入したが、出てこない Bダッシュボード・ポケットが開かなくなった

川上さん、 「分かりました。業者にすぐ連絡します」 「ありがとう!」 翌日には、すぐ修理の日を連絡してくれました。 「ありがとう!」 いいディーラーにめぐり合えば、輸入車生活は何の問題もありません。 実に、いいもんですよ。


11 グリグリ-誘惑するパン、その1

オトーサン、 先日、NHK-TVで教わりました。 「へぇ、つくばって、パンの街なのか。  ほんとにそうかなぁ?怪しいなぁ」 というのも、近所に日本一のパン屋さんZopfがあって、 しょっちゅう食べているからです。 ○読者が選ぶお気に入りパン屋さん(2004)  1位 ■Zopf(松戸)   2位 ■VIRON(渋谷)   3位 ■メゾンカイザー(白金高輪)  4位 ■ameen's oven(西宮)  5位 ■チクテベーカリー(町田)  6位 ■NICOLAS(水海道)  7位 ■ブランジュリ タケウチ(大阪)  7位 ■ブランジェリー コム・シノワ(神戸)  7位 ■PAUL(東京、大阪) 10位 ■アンデルセン(青山)  出典:http://ps.allabout.co.jp 「ますます、怪しいなぁ」 ベスト20にも、つくばのパン屋は入っていません。 「でも、世の中、まさかということもあるからな。  ま、物は試し、つくばまで行ってみるか」 C4、すでに慣らし運転期間が過ぎました。 常磐道で高速走行性能を試験しがてら、行ってみましょう。 「どうせ、今日は雨で、サイクリングできないしなぁ」 オトーサン、 「えー、8時37分スタートしました」 「えー、いま家から4km、9.2km/Lです。  .一時、燃費10km/Lを超えましたが、  交差点で発進するとき、強く踏んだら、0.4km/Lも減りました。 やはり、急発進は禁物ですね」 「国道16号の桜台交差点に向かっています。  やはり、渋滞しています。一寸刻み。  燃費が気持ちよく落ちていきます。  ヒマに任せて、燃費低下を計測してみましょう」 ・交差点までの距離/燃費(km/L)  470m/7.9 360m/7.5 350m/7.2 250m/7.0 150m/6.8 100m/6.4 10m/6.0 「渋滞だと、強烈に燃費が落ちますね。  燃費を良くしようと思ったら、渋滞を避けるべきですね。  当たり前か」 オトーサン、 「えー、16号、時速50-60kmで流れています。  9時10分、国道6号線と交差する呼塚にきました。  燃費は、6.5km/Lまで持ち直しました」 「えー、柏ICです。  9時22分、家から11km、燃費は、7.8km/L」 「ありゃ、また、ETCゲートが開かない!」 どうも、機器が故障しているようです。 川上さんに電話しなくては。 オトーサン、 「常磐道、かなり混んでいますね。  行きは、ゆっくり走ってみましょう」 3車線ありますが、一番左側の車線を走り通すことにしました。 「えー、いま83kmです。このくらいが一番燃費がよくなるかも」 「えー、74kmまで落ちました」 「えー、67kmです。前の大型トラック、何やってるの?」 「えー、59kmまで落ちました。いい加減にせいよ」 それでも、一旦、この車線を走ることに決めた以上、 こうなったら、男の意地。 我慢くらべです。 でも、ちょっと腹が立ってきました。 「このナビ、高速はみにくいなぁ」 地の画面が山を示す緑で、ICも緑なので、みにくいのです。 ナビに八当たりして気を紛らしましたよー。

「えー、谷和原ICを通過します。  9時29分、家から20km、燃費は、10.3km/Lまで  回復しました」 「いま、小貝川を渡りました。あの橋のそばですね」 先日、取手本陣を見学したとき、おばさんが言っていた 武蔵の撮影に使われた木の橋がすぐそばです。 「えー、常磐道、舗装がいいですね。  ナビの異音が出ません」 「えー、矢田部ICに着きました。  9時40分、家から31km、燃費12.6km/Lになりました」 辛抱した甲斐がありました。 「ここまでくると、一般道もがらがらですねぇ。  下手すると、常磐道よりも早く走れるかも、ハッハッハ」 オトーサン、 つくば市の中心街に出ました。 土浦学園線との表示。 こういう市街地の表示は、パナのナビは優れています。

「あ、ここ前に自転車で走った!」 サイクル・コンピュータが作動していないのに気づいて、 直したあたりです。 「えー、10時03分、家から44km、燃費12.3km/L  ようやくお目当ての店につきました。  だけど、ちっちゃなお店だなぁ」

でも、白いタイル張りのカウンターの上に並べられたパン、 そのどれもが、私を食べてと誘惑してくるのです。 「これを2つ、それから、これも2つ」 すると、お嬢さんが微笑んで、 ひとつひとつ丁寧に取ってくれるのです。 実に、気分がいいし、 どれをとっても美味しそうなので、 デニッシュ系を中心に、たくさん買ってしまいました。 合計1560円! お嬢さんも、お店の感じも、実に良いので、 店内の写真を撮らせてもらえるかと聞きました。 快く撮影に応じてくれました。 調理場から若いご主人が出てきて、 「おいでよ」と優しい声で奥さんを誘うのです。 その熱々ぶりに、思わず微笑んでしまいました。 若いひとが、一生懸命やっている姿って、いいもんですね。

○le pain Gris Gris  住所:茨城県つくば市桜2-15-3-107  電話:0298-57-7538  www.gris-gris.jp  定休日 月曜日・第2火曜日  営業時間:8:00〜19:00(日曜日は、18:00まで)


12 グリグリ-誘惑するパン、その2

オトーサン、 ご主人に聞きました。 「すいません。  このつくば、パンの街で売り出しと聞いたけど、  ほかにいいお店があれば教えてくれませんか?」 「このリーフレットをどうぞ」 「へぇ、あるんだ」 ○パンの街つくばマップ  個性豊かなパン屋さんが参加しています。  毎日焼きてての香りと味でお待ちしています。  ぜひお立ちよりください。 地図には、17店の住所と電話番号が載っています。 「これ、全部回るわけにはいかないので、  いくつか、オススメの店はないですか?」 「そうですねぇ...」 「あなたの独断と偏見でいいから教えてくださいよ」 「つくばで老舗といえば、モルゲンさんですね。  それから、小さなお店ですが、天然酵母が売りなのが、  エクメクさんですね」 「ふーん、じゃ、その2つ回ってみるか」 「でも、エクメクさんは、11時にならないとオープンしませんよ」 「ありがとう!」 オトーサン、 早速、ナビにモルゲンの住所を入力しました。 モルゲンへは、東大通りを南下するようです。 アメリカの町のようにひろびろした並木道を走っていきました。 「おっ、筑波大だ。へぇ、こんなところにあるんだ」 恩師が勤務していたし、同僚が転勤した関係で、 興味がありました。 学内に入るのも何なので、外から写真を撮るだけにしました。

オトーサン、 「ここも、気持ちいい道だなぁ。 自転車で走ったら、気持ちいいかも」 つい歩道に目がいってしまいます。 しばらく洞峰公園脇の森のなかの道を走りました。 「おー、まるでスイスの風景だ!キレイだ」 道がカーブすると、淡黄色の家とスイス国旗が目に飛び込んできました。

「これが、モルゲンか!」 「えっ、こちらが、シ−ゲル?」 同じつくりで、シーゲルという洋菓子店が並んでいるのです。 外車で奥様方が買いに来ています。 「ふーん、奥様ご用達のお店なんだ」 モルゲンで食パンを買いました。 ○モルゲン  住所:つくば市千現2-13-2 電話:0298-852-5775 営業時間:8:30〜18:30   定休日:木曜日  ・バターハスミッシュ1/2 231円 ・惣菜パン 189円 そのあと、シーゲルに入りました。 いかにも、ご婦人方が好きそうなティールームがあります。 りんごたっぷりパイとブレンドコーヒーを注文しました。 「すいません、なんでスイスの国旗が飾ってあるの?」 「ここのオーナーシェフが、スイスとウィーンで修行したものですから」 「へぇ、そうなの」 ティールームのほうは、ウィーンに行った感じになれます。 ○ウィーン菓子 シーゲル  住所:つくば市千現2-13-2  電話:029-852-5777  営業時間:10:00 - 19:00 (ティールームは18:00)  定休日:第1水曜日、木曜定休  http://cake-cake.net/sieger/  ・りんごたっぷりパイ 370円  ・ブレンドコーヒー 480円



オトーサン、 「そうだ、燃費いくらだったっけ?」 家から51km、11.9km/L、平均車速29kmでした。 高速で稼いだ燃費がやや目減りしました。 「桜土浦ICから乗るのか」 走っていると、茗溪学園の案内板がちらっとみえました。 「なつかしいなぁ。ここにあったのか」 その昔、息子の入学式に来たことがあります。 転勤が多かったし、恩師の薦めもあって、 全寮制の中高一貫校に入れたのです。 教育大、筑波大の子弟のために出来たので その点は、安心でしたが、 幼い息子をみると、心配で心配で... ○茗溪学園中学校高等学校  住所:つくば市稲荷前1-1   電話:029-851-6611 www.meikei.ac.jp オトーサン、 構内にちょっとだけ入ってみました。 校歌を刻んだ石碑が立っていました。 ○茗溪学園校歌 ♪青雲のいや高く  にひばり筑波のみどり  まかがよふ茗溪の  名に負ふきよき流れは  とこしえのゆたかさ湛え  はて遠く海にそそげり  この園にうちつどい  生ひたつ桐の若木ら  もろともにしげる葉の  あまねく照れる光は  新しき世にさきがくる  かぎりなき力とならむ (作詞:清水房雄 作曲:三善 晃) 「おお、やってる!やってる!」 グランドに行くと、ラクビーの練習をしていました。 「花園の常連校だったたけれど、いまも強いのかなぁ?」

オトーサン、 「すごい道路だな」 桜土浦ICへの進入路の豪華なこと。 バブル期につくられたのかも。 猪瀬直樹委員がみたら、怒り出すかも。 「また、ETC作動しない!」 一体どうなっているのでしょう? 常磐道、帰路は飛ばすことになっています。 「えー、133km/h出ました。4000回転です」 「えー、140km/h出ました。やはり4000回転です」 その昔、ソアラで160km/h出しましたが、もうそんな元気はありません。 「えー、柏ICに着きました。  燃費は、11.9km/Lでした」 オトーサン、 国道16号に合流するのに、苦労しました。 一寸刻みで、入れないのです。 その後も、渋滞が続きます。 「へぇ、センチュリーが85万円か」 「このガソリンスタンド、ハイオク129円だ。安いなぁ」 「自転車に追い抜かれました」 「おお、この柏遂道の下を昨日自転車でくぐっりましたね。  おお、ここの宇佐美、安いわー!」 ハイオクが128円でしたので、満タンに。 セルフでなくて、この値段は業界の価格破壊かも。 ○16号柏隧道SS 住所:千葉県柏市戸張字三斗蒔290-2 電話:04-7164-6302   営業時間:24時間営業    年中無休   広い敷地に洗車スペースもあり(大型2台)、 大型洗車機も24時間ご利用出来ます。 大型車の出入りがしやすいSSです。 広い「お風呂」も是非ご利用下さい。 乗用車のお客様にはお値打ち価格で洗車を行っておりますので、 是非お試し下さい。 オトーサン、 「えー、柏図書館しょうなん分室によってから、  12時28分、帰宅しました。  走行距離は、ちょうど100km。  燃費は、10.8km/L  平均車速は、33kmでした。  以上」


13 グリグリ-誘惑するパン、その3

オトーサン、 「そうか、そんなに美味しかったか。  オレは、モルゲンの食パンのほうが好きだけどな」 「こんなパン屋さんが、家のそばにあったらね」 「だって、家のそばには、Zopfがあるだろ」 「あそこより、グリグリのほうが美味しいわ。  あの娘も美味しいって言ってたわ」 「そんなに美味いか?」 「美味しいわよ。  やわらかいから、若い人向きだと思うけど」 「通販もやってるみたいだよ」 「通販はダメよ、美味しくなくなるから」 奥方、関係者が聞いたら、目を丸くするようなことを 平気でのたまいます。 オトーサン、 「やっぱり買いに行けということか」 朝起きたら、毎朝コーヒーを飲むマグカップが ピカピカに磨き上げられていました。 「ま、いいか、今日も雨のようだから」 てなことで、娘を南柏駅に送った後、 8時45分、またつくばへ行くことにしました。 「えー、今日はうまく国道16号線に出られました。  渋滞なし。  家から7km、燃費は6.8km/L、平均車速17kmです」 「えー、柏ICまで渋滞なし。時速70kmで走れました。  家から家から13km、燃費8.7km/L、平均車速23kmです」 またも、ETCは作動しません。 「しょうがないなぁ。川上さん、危ないよ、これって」 後ろの大型トラックが急停車しています。 オトーサン、 「今日は、常磐道、中央レーンを走ってみよう」 頑張って走り通しましたが、86km〜102kmのブレがありました。 ・谷和原IC:走行距離21km、燃費10.6km/L、平均車速32km ・谷田部IC:走行距離33km、燃費12.5km/L、平均車速41km 先日と同じ道を走ります。 「ふーん、この道、日本の道100選になっているんだ」 筑波大学の入り口で停車して、 並木道の向うの筑波山の青いシルエットを撮影しました。

オトーサン、 「えー、9時45分、グリグリに着きました。  走行距離33km、燃費12.5km/L、平均車速41kmでした。  つくば市内の道は、快適ですねぇ。  わざわざ走りにくるほどではないけど」 「ありゃ、休み?ほんとかよ」 そうなのです。 定休日が月曜日というのは、頭に入っていましたが、 第2火曜日が、今日とは、トホホ。 ○le pain Gris Gris  住所:茨城県つくば市桜2-15-3-107  電話:0298-57-7538  www.gris-gris.jp  定休日 月曜日・第2火曜日  営業時間:8:00〜19:00(日曜日は、18:00まで) 買えないとなると、 グリグリのパンの味覚の誘惑度が増加します。 「残念だ、実に残念だ」 オトーサン、 「じゃ、コートダジュールへ行くか」 コートダジュールといえば、南仏の紺碧海岸のこと。 でも、この場合は、つくば市にあるお店で、 ネットで評判の洋菓子店です。 「えーと、住所は....」 ナビの言う通りに走っていくと、すぐ着きました。 「ありゃ、臨時休業だ!」 何ということでしょう。 祭日の場合は翌日が定休日だったのです。

○コートダジュール  住所:つくば市東新井19-20  電話:0298-58-3094  営業時間:9:30〜19:30  定休日:月曜日(祭日の場合は翌日) www.la-cotedazurl.com オトーサン、 「ダメモトで、もう1軒、行ってみるか」 このコートダジュールの支店が同じつくば市にあるのです。 住所だけメモしてきました。 「えーと、小野崎147-1だな」 ところが、パナナビには、147番地が表示されないのです。 「しょうがねえなー、130番地を目指すか」 「えー、10時18分、K’sデンキに来ました。  走行距離52km、燃費10.7km/L、平均車速30km。  この駐車場にクルマを置いて、歩いて探してみましょう」 日本の郊外では、住所表示がないので、まったく分かりません。 自転車に乗ったおばさんに出会ったので、聞きました。 「あー、その店なら、その先よ」 なんと、K’sデンキの裏手でした。 「えー、10時28分、お目当ての店につきました。  おお、きれいな店ですねぇ」

○ラ・ヴィ・プロバンサル  住所:つくば市小野崎147-1  電話:0298-60-5380  営業時間:10:00.〜18:30        土日祝祭日 9:00.〜19:00.  定休日 水曜日 オトーサン、 「おお、パンも売ってるんだ」 名物と書いてあったので、ミルクパン1ケと 娘たちが「きれいねー」と言いそうなマロン入りの菓子パン2ケを買いました。 それから自分用にチーズ入りのパン。 しめて、630円。 「この店は、ケーキ屋さんだよなー。  ド派手だなぁ、どれにしようかなぁ?じゃこれとこれとこれ」 「3つですね」 「ああ」

小計1095円、パン代をいれると合計1965円。 「ちょっと買いすぎたか、ま、いいか」 この後、おしゃれなティ−ルームで、クロックムッシュの昼食。 ドリンクとセットで、860円でした。 オトーサン、 11時14分、ラ・ヴィ・プロバンサルを出て、家路に。 常磐道は、中央レーン(92〜109km)を走りました。 「おいおい、どうなってるんだ」 柏IC料金所からもう渋滞。 空いている反対方向の野田へ。 迂回して十余二工業団地入口で国道16号線へ。 「ナビは、2km渋滞しています」 「おいおい、いい加減にせい」 柏市、「東の渋谷」という掛け声で、 市の北部地域の巨大開発を進めています。 つくばエキスプレス開業で、渋滞に拍車がかかっています。 500mほど渋滞につきあってから、 若柴から、右折、抜け道テクを駆使して、 国道6号線の柏市西口へ出ました。 その間、ナビ嬢は、律儀にリルートを繰り返しておりました。 ・矢田部IC:走行距離59km、燃費10.9km/L、平均車速30km ・谷和原IC:走行距離70km、燃費11.2km/L、平均車速34km ・柏IC:走行距離79km、燃費11.7km/L、平均車速36km ・国道16号十余二工業団地入口:走行距離82km、燃費11.6km/L、平均車速36km ・国道6号柏西口:走行距離89km、燃費11.2km/L、平均車速33km 「えー、12時28分、帰宅しました。 今日と先日のデータを比較してみましょう。 ・先日:走行距離100km、燃費10.8km/L、平均車速33km ・今日:走行距離 95km、燃費10.9km/L、平均車速32km 「なーんだ、大差ないなぁ」 「あーあ、グリグリが休みだったなんて」


14 失われゆく記憶

オトーサン、 「ああ、いい天気だ」 今日は、シトロエン城東に修理に行く日です。 この天気なら、江戸川でもサイクリングしたいところですが、 約束した手前、変えるわけには、いきません。 「えー、いま8時43分、南柏駅です。  家から3km、燃費6.2km/L、平均車速19kmです」 燃費が悪いのは、急いでいてアクセルを踏んでしまったせい。 「えー、いま9時30分、国道6号線・根木内交差点です。  走行距離6km、燃費6.7km/L、平均車速19kmです」 この後、めずらしく国道6号線が空いていました。 ・走行距離15km、燃費8.9km/L、平均車速25km、江戸川 ・走行距離17km、燃費9.3km/L、平均車速25km、中川 ・走行距離20km、燃費9.0km/L、平均車速24km、シトロエン城東 川上さん、 「早かったですね」 「今日は、とにかく6号空いていたよ。  こんなことはじめて、下手すると、1時間半もかかるのに」 「早速ですが、ナビの異音を確かめたいので、  ご一緒に走っていたけますか?」 「このナビが凸凹道を走ると、カタカタいうんだ。  あなたひとりでも、走ればすぐ分かるよ」 「でも、一応確認しておかないと」 「そうだなぁ。じゃ、近くの駅まで送ってもらおうかな。  異音をチェックがてら」 オトーサン、 綾瀬駅まで送ってもらって、 西日暮里でJR京浜東北線に乗り換えました。、 構内アナウンス 「お急ぎのところ恐縮ですが、この先蒲田・太井間で人身事故が発生しました。  京浜東北線は運転を見合わせております。  品川までの区間、ご利用の方は、山手線のご利用をお願いいたします」 「しょうがねぇな。飛び込み自殺か」 (開かずの踏み切りでの老女の死亡事故でした) 同じホームの山手線に乗り換えました。 輪行なら大変ですが、身体ひとつ、どうってことはありません。 16分で有楽町駅へ。 お目当ての映画館は、銀座1丁目なので、京橋口から外へ。

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「銀座の柳か」 高いビルのおかげで、柳の影が薄くなってしまいました。 オトーサンの世代なら、 銀ブラの楽しみは、柳並木の下を歩くことでした。 そして、歌を口づさんだものです。 ♪昔恋しい 銀座の柳  仇な年増)を 誰が知ろ  ジャズで踊って リキュルで更けて  あけりゃダンサーの 涙雨  恋の丸ビル あの窓あたり  泣いて文かく 人もある  ラッシュアワーに 拾ったばらを  せめてあの娘の 思い出に  広い東京 恋ゆえせまい  いきな浅草 忍び逢い  あなた地下鉄 私はバスよ  恋のストップ ままならぬ  シネマ見ましょうか お茶のみましょうか  いっそ小田急で 逃げましょうか  変る新宿 あの武蔵野の  月もデパートの 屋根に出る  (東京行進曲   作詞:西條八十 作曲:中山晋平) オトーサン、 「ここもか」 プランタンの隣にあった喫茶店がなくなっています。 「よくお茶したけどなぁ」 パリのカフェみたいで気に入っていたのです。 それが姿を消して、大きなビルの工事中です。 昔の銀座は、次々と姿を消していきます。 それとともに、記憶の起爆剤も失われていきます。、 「おお、ライムライトか、なつかしいなぁ。  まだ残っていたのか」

若い頃、評判の映画「ライムライト」をみて ヒロイン、クレア・ブルームの美しさに惚れました。 このバーにも、確か、一度足を運びましたっけ。 ○映画「ライムライト」  第一次大戦前のロンドン。  カルヴェロ(チャップリン)は、ミュージック・ホールの道化師。  酔ってアパートに帰ると、美女が倒れていた。  すぐに医者を呼び、回復するまで自室で懸命にケアをする。  美女は、バレエの踊り子テリー(クレア・ブルーム)、  足の怪我で、前途に絶望し、自殺を図ったのだった。  かれは、テリーを励まし、ついにカムバックさせることに成功する。  2人は恋仲になるが、年齢差や自分が下り坂であることを理由に、  かれは、テリーから離れていく....、

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オトーサン、 テアトル・シネマで映画「ルパン」をみました。 映画館は、ご婦人方で一杯。 カルチェ提供の豪華な首飾りにため息をついております。 外へ出ると、目の前にカルチェのブティック。 「ティファニーもある、ヴィトンもある」 銀座通りは、こうしたブランドのお店にどんどん変わっているのです。 「いまのうちかも」 そんなことを言うと怒られるかもしれませんが、 文具の伊東屋に立ち寄りました。 買ったのは、ボールペン1本のみ。 「腹減ったなぁ」 目についた適当なレストランに入りました。 ○マリオ  住所:中央区銀座2-8-2 日紫ビル2F 電話:03-3561-2503 営業時間 平日 11:30〜15:00 17:30〜21:30 土日祝 11:30〜20:30 定休日:なし ランチ(パスタ、サラダ、コーヒー付き)1000円〜

食後、しばらく銀ブラ。 「そうそう、あれはいつだったっけ?」 歩行者天国が開通になった日に、 社内の同志を募って、新橋から上野まで、 この中央通りを掃除して歩きましたっけ。 「この店もいつまで続くのかな?」 老舗・明治屋を覗きました。 創業120周年祭の真最中。 ここでも買ったのは、コーヒー豆のみ。 交通会館の地下トイレを使った後、 同じビル内の三省堂へ。 「おお、今日発売か、買おう!」 この本を読めば、 ジェンキンズざんや曽我ひとみさんらが、 失った時の重さが分かるでしょう。 拉致問題を思い出して 急速に失われゆく憤りの気持ちに火がつくといいのですが。

オトーサン、 3時45分、シトロエン城東へ。 「どう?」 「直りました。  やはり、ナビの取り付け方のせいだったようです。  異音はなくなりました。 そのせいで、CDも出てこなくなったようです」 「よかった」 「今日の代金は、無料ということで」 「ハ、ハ、ハ、慰謝料はいらないよ」 取付ミスのせいで、貴重な時間を空費しました。 でも、カードケースの不具合も直してくれていたので、 気をよくしました。 「で、ETCは?」 「私、高速で試してみましたが、やはりゲートは開きませんでした」 「そう、そりゃ、ご苦労さん」 「どうされますか?修理するか、買うか?」 「買うよ。追突でもされたら怖いもん」 「そうですか」 「で、いくら?」 「2万5000円です」 「高いねぇ、ほかに機種ないの?」 「ウチは、パナソニックだけですので」 「取り付け費は?」 「入ってのお値段です」 「ま、しょうがないか...」 お値段が妥当かどうかは、 オートバックスにでも行って聞いてみましょう。 オトーサン、 帰路も国道16号線が空いていました。 ナビもカタカタ鳴ることなく、 CDも使えるようになりました。 千住真理子ヴァイオリン・コンサートの サラサーテ「ツィゴイネルワイゼン」を聞きました。 「何であんなに感激したのかなぁ?」 中学生の頃って、多感なのでしょう。 もはや失われた時ですが.... オトーサン、 帰路も、ナビをリセットして燃費を計測しました。 ・走行距離 5km、燃費7.6km/L、平均車速20km、江戸川 ・走行距離15km、燃費9.3km/L、平均車速24km、根木内交差点 ・走行距離18km、燃費9.1km/L、平均車速23km、自宅 なお、トリップメーターAで、今日の往復データをチェックしました。 ・走行距離53km、燃費8.0km/L、平均車速19km 「あれっ?変だな。燃費が8kmに落ちてている!」 ちょっと、考えて原因が分かりました。 ・往路:走行距離20km、燃費9.0km/L、平均車速24km ・帰路:走行距離18km、燃費9.1km/L、平均車速23km 「そうか、川上さん、15kmもテストしてくれたのか」 トリップメ−ターが、図らずも、 川上さんの頑張りを記録していたのです。


15 失われゆく記憶、その2

オトーサン、 10月5日に、「ニュース 藪にらみ」に書きました。 「おれのシトロエンが優勝だ!2年連続だ!わーい」 シトロエン・クサラの後継モデルが、C4ですから、 うれしくないはずはありません。 だって、わが国のカーキチが愛してやまない 三菱ランサーにも、スバル・インプレッサにも勝ったんですぜ。 あのフォードにも、 兄貴分のプジョー307にも勝ったんですぜ。  「やー、大したもんだ。  オレは、世界一のクルマに乗っているんだ」 実際、いままで乗ったクルマのなかでは、最高です。 それを日々実感しています。 オトーサン、 「WRCって、何だっけ?  忘却とは、忘れさることなりだなぁ」 一世を風靡したメロドラマの傑作「君の名は」の名せりふです。 1952年4月10日にNHKラジオで放送が始まり、54年4月10日まで。 毎回、ドラマの冒頭に以下のナレーションが流れたのです。  ・忘却とは、忘れさることなり すると、みんな夢中で聞きいって、女風呂はがらがら。 愛しあう2人の名は、春樹と真知子。 真知子巻きが流行したものです。 いまの冬ソナどころの騒ぎではありませんでした。 オトーサン、 その昔、販売拡張部(宣伝部)の課長時代、 モータースポーツを担当していました。 F1はホンダに任せて、トヨタはWRCで勝負! 市販車に近いのは、WRCなんだから、 ここで優勝すれば、クルマの優秀性を実証できる。 そんな意気込みでやっていました。 でも、実際は、担当者に任せきりで、 モーターショーの展示に力を入れていました。 モータースポーツ活動のほうは、 事業計画を聞き、予算を査定するだけ。 たまに勝ったりすると、新聞のカローラの全面広告の片隅に、 小さな文字で一行入れたりして... ・ギリシャのアクロポリスラリーで、トヨタセリカが優勝! あとは、安いポスターでごまかしました。 そんな不真面目な姿勢だったので、 頭には何も残っていないのです。 「さて、WRCって何だっけ?」 ○WRC  FIA(国際自動車連盟)公認の「世界ラリー選手権」の略。  73年に始まった。全16戦の総合ポイントで年間王座を争う。  (1)ドライバーとコ・ドライバーが2人で1クルーを組む  (2)競技は一般公道で行われる。  (3)スペシャルステージでタイムトライアルを行う。  (4)総走行距離は数千キロに及ぶ。 「跳んだり跳ねたり、 雪道から泥炭路まで、過酷なレースなんだ」

「じゃ、今年のいま現在のシトロエンの成績は?  へぇ、大したもんじゃないか」

○WRC、グロンホルム逆転優勝!  セバスチャン・ローブ(仏、シトロエン・クサラ)が2年連続年間総合優勝を決めた。  ローブは第13戦では2位に終わったが、総合得点を107とし、  追うマークス・グロンホルム(フィンランド、プジョー307)に36点差をつけて、  3戦を残して年間王者に輝いた。  優勝は通算3時間25分32秒0でグロンホルム。今季2勝、通算18勝目を挙げた。  首位を独走していたペテル・ソルベルク(ノルウェー、スバル・インプレッサ)は  SS25でコース上の岩にマシンをぶつけ、まさかのリタイア。  三菱勢もSS23でジャンルイジ・ガリ(伊)がパンクからリタイア、  SS22でハリ・ロバンペラ(フィンランド)もエンジントラブルで順位を落とした。                開催地         優勝者(チーム)  第1戦 1月21〜23日 モンテカルロ(モナコ) S・ローブ(シトロエン・クサラ)  第2戦 2月11〜13日 スウェディッシュ(スウェーデン) ソルベルグ(スバル・インプレッサ)  第3戦 3月11〜13日 メキシコ ソルベルグ(スバル・インプレッサ)  第4戦 4月8〜10日 ニュージーランド S・ローブ(シトロエン・クサラ)  第5戦 4月29〜5月1日 サルディニア(イタリア) S・ローブ(シトロエン・クサラ)  第6戦 5月13〜15日 キプロス S・ローブ(シトロエン・クサラ)  第7戦 6月3〜5日 トルコ S・ローブ(シトロエン・クサラ)  第8戦 6月24〜26日 アクロポリス(ギリシャ) S・ローブ(シトロエン・クサラ)  第9戦 7月15〜17日 アルゼンチン S・ローブ(シトロエン・クサラ)  第10戦 8月6〜8日 フィンランド グロンホルム(プジョー307)  第11戦 8月26〜28日 ドイチュランド(ドイツ) S・ローブ(シトロエン・クサラ)  第12戦 9月16〜18日 グレートブリテン(英国) ソルベルグ(スバル・インプレッサ)  第13戦 9月30〜10月2日 日本(北海道) グロンホルム(プジョー307)  第14戦 10月21〜23日 ツール・ド・コルス(フランス)  第15戦 10月28〜30日 カタルーニャ(スペイン)  第16戦 11月11〜13日 オーストラリア オトーサン、 興に乗って、 「じゃ、去年2004年の成績は?  あ、そうか、勿論優勝だよな。優勝っていいもんだなぁ」

○WRC シトロエン連覇  世界ラリー選手権(WRC)の2004年シーズンは、 シトロエンが製造者、ドライバーのダブルタイトルを獲得して、幕を閉じた。 日本初のWRC「ラリー・ジャパン」が行われた記念すべきシーズンは、 どんな展開だったのか。 マシン、ドライバーの両面から振り返る。  全16戦中7勝を挙げた「クサラWRC」の強さの理由は何か。  一言でいえば「シンプル・イズ・ベスト」だ。  設計思想は堅実で、ラジカルな部分は少ない。  01年のデビュー以来、基本的な構造は変更せずに、 徹底して「熟成」と「洗練」を重ねてきたマシンなのだ。 その結果、信頼性は抜群に高く、16戦でリタイアはわずか3回。 それも衝突などのアクシデントによるもので、メカニカルトラブルによるものは皆無。 この高い安定性が、セバスチャン・ローブ(仏)のドライバータイトル獲得を後押しした。 オトーサン、 「そのシトロエンが、なんで来年から撤退するんだ?  そうか、そうなんだ。カネがかるからなぁ」 やはり、昔のオトーサンみたいに、予算査定だけしているひとが 生息しているようです。 ○プジョー・シトロエンWRC撤退へ  PSAは2005年シーズンを最後に、  WRCからプジョーとシトロエンの両ワークスティームを撤退させることになった。  1980年代に205ターボ16でWRCに参戦し、  2年連続マニュファクチャラーズ/ドライバーズタイトルを獲得した  プジョーが、206WRCでこの舞台に戻ってきたのは1999年。  翌年から3年連続でマニュファクチャラーズタイトルを取り、  2000年と2002年にはドライバーズタイトルもものにした。  シトロエンがWRCに参戦したのは2002年から。  こちらのマシンはクサラWRCで、  2年目の2003年と2004年の2年連続でマニュファクチャラーズタイトルを取り、 2004年はドライバーズタイトルもものにした。  PSAとしては、5年連続でマニュファクチャラーズタイトルを獲得している。  そこまで順調なPSAがどうしてWRCから撤退するのか。  すます厳しくなる自動車市場を考えると、  モータースポーツ部門にかける予算を削減しなければならないのが理由。 また、2006年に予定されているWRCのレギュレーション変更への不満もあるはず。  WRCをオーガナイズするFIA(国際自動車連盟)は、  マシンの開発コストを抑えることを目的に、  電子制御デバイスなどのコストのかさむメカニズムを禁止する予定でいるというのだ。  しかし、プジョーは307WRCをデビューさせたばかり。  シトロエンにいたってはC4WRCを来年投入するために、  現在のレギュレーションに沿って開発を進めていたところだ。  それらがムダになってしまうのだから、怒るのも無理はないだろう。  ただ、膨大な予算を投下してはいるが、  新型車307WRCが思ったような結果を残せないプジョーと、  少ない予算でやりくりしながらクサラでタイトルを取り、  その勢いでC4WRCの開発を始めたシトロエンとでは、立場が違うはず。  それを考えると今回の決定、プジョー側主導で決められたという感じがする。  プジョー・スポールやシトロエン・スポールという組織がなくなるわけではなく、  近々WRC撤退後のモータースポーツ活動計画が発表されるという。  現在は未定だが、より低予算で、しかも宣伝効果の高いイベントになるだろうから、  少なくともそれがF1になる可能性は低いだろう。  これで2006年から、WRCのワークスティームが一度に2つも消えることになるわけだ。  フランス車好きにとってさびしくなるのはもちろん、  来年といわれる三菱の復帰がもしも...ということになったら、 WRCそのものが存亡の危機に立たされてしまうことにもなりかねない。  FIAがレギュレーション変更を見直すなどして、PSAのこの決定がくつがえることを望みたい。  (森口 将之:自動車評論家、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員) オトーサン、 「やめるのは、簡単だけど、後で後悔するぞ」 選手、監督をはじめとする大勢のスタッフ、 そして、築きあげたチームワークが根こそぎ消滅するのです。 レースで勝つためのノウハウが失われるのです。 ホンダがF1に復帰して頑張っているものの、 ここ数年成績がはかばかしくないのが、そのいい例。 まさに、忘却とは、忘れさることなりなのです。 「日本でシトロエンの販売はこれからなのになぁ。  シトロエン=WRC王者の宣伝もしていないし、  まだ名前が売れていないのに、残念だ。  ほんとに惜しいよなぁ」 ♪ 君の名はと たずねし人あり   その人の 名も知らず   今日砂山に ただひとりきて   浜昼顔に きいてみる  夜霧の街 思い出の橋よ   過ぎた日の あの夜が   ただ何となく 胸にしみじみ   東京恋しや 忘られぬ  海の涯に 満月が出たよ   浜木綿の 花の香に   海女は真珠の 涙ほろほろ   夜の汽笛が かなしいか  (君の名は   作詞:菊田一夫/作曲:古関裕而 唄:織井茂子) 読者のみなさん、 以下のサイトで、メロデイが聞けますよ。  ・www5f.biglobe.ne.jp/~futakoz/ versoj/v-sengokayou/kiminonaha.htm


16 失われゆく記憶、その3

オトーサン、 シトロエンC4を買った後、エンジン性能曲線をみたくて、 シトロエン・ジャパンの広報に電話しました。 宮之原さんは、オトーサンがトヨタ50年史を手がけたことを知ると、 わざわざ英文社史を送ってくれました。 ・DATES from 1919 to the present day (2004) 149ページですが、写真が沢山入っている楽しい社史でした。 パラパラと興味ある部分に目を通した程度でしたが、 今回、精力的に読みこみました。 「こりゃ、面白い!こんなこともあったんだ! シトロエン・オーナーも知らないこともあるかも知れません。 てなことで、まずは、初期の「冒険旅行の時代」へ遡りましょう。 @黒い巡洋艦隊(Croisiere noir)  シトロエンの設立は、1919年。  創業者アンドレ・シトロエンは、車の可能性に気づく。  空間の壁をスピードによって打破するのだ。  たまたま知り合ったのが、アドルフ・ケグレス。  自動車の後輪を無限軌道にする研究者であり、  完成したのが、ハーフ・トラックだった。  彼らは、以後、数々の冒険旅行に乗り出す。  最初に挑戦したのは、サハラ砂漠の横断だった。  ジョルジュ・マリー・アールトとオードゥアン・デュブルイユが  1922年12月に、アルジェをスタートし、  1923年2月、マリのトンブルクに無事到着した。  この成功に気をよくして、今度は総勢16人で、  アフリカ大陸の縦断に挑戦した。  「黒い巡洋艦隊」と名づけられた8台のハーフ・トラックは、 1924年10月、アルジェをスタートし、  砂漠、ブッシュ、サバンナ、沼地、森林を越え、  途中、原住民に襲われたりもするものの、  1925年7月、マダガスカルの首都タナナリブに到着した。  総走行距離は2万km。  パリの国立歴史博物館とタイアップした学術探検旅行でもあった。

A黄色い巡洋艦隊(Croisiere jaune) アンドレ・シトロエンは、マルコポーロの足跡をたどり、  当時、アフリカよりも未知だった中央アジア横断へと挑戦する。  総勢40人、C4FとC6Fをベースにしたハーフ・トラック14台は、  今度は、「黄色い巡洋艦隊」と命名された。  ベイルートからスタートして天津へ向かうチームと  天津からスタートしてベイルートへ向かう、2チーム編成。  1931年4月スタートしたこの大旅行は、波乱万丈だった。  アフガニスタンは暴動の最中であり、  新疆ウイグル自治区には反体制派が溢れ、  各地で山賊が跋扈していた。  そのうえ、中国は自国内を外国人が横断するのをいやがっていた。  自然条件のほうは、もっと過酷だった。  ゴビ砂漠、流砂のヒマラヤ山麓、狭くて険しい道や断崖絶壁。 車を分解して、30kgの荷物を数キロも運ばざるをえなかったこともあった。  寒かった。吹き荒れる風雪。気温は摂氏マイナス25度から30度になったので、  凍りつかないように、一晩中エンジンをかけっ放しだった。  こうした困難を乗りこえ、両チームは、天津で合流して、  1932年2月、北京に到着した。総走行距離1万2115km。  フランスは快挙のニュースに沸いた。  この過酷な冒険旅行は、本格的な学術旅行でもあった。  一行の多くの科学者のなかには、神父ティヤール・ド・シャルダンもいた。  哲学者にして地質学者、古生物学者だった20世紀を代表する人物である。  ギュメ博物館の館長にして考古学者のジョセフ・ハッキン、  アメリカからは、ナショナル・ジオグラフィック・ソサエティのメナール・O・ウイリアムス博士、  中国からは、ツ・ミン・イ博士が率いる著名な科学者たちが加わった。  この探検旅行を後世に伝えるために、歴史編集者、映画製作者、アーチストも参加した。  まさに、世紀の文化事業だった。 

B2CVによる世界一周旅行  「こうもり傘に4つの車輪をつけた車をつくれ」  1936年に、こう命じたのは、ピエール・ブーランジェ。  ミシュラン傘下に入ったシトロエンの会長だった。  「4人の大人と50kgのじゃがいもか樽を積んで、  60km/hの速度が出せ、100kmあたり5Lの燃料で走れる、  どんな悪路でも籠に積んだ卵が壊れない快適な乗り心地で、  女性でも楽に運転できるような簡単な操作・構造であること。  そして、価格は、従来車種のトラクション・アバンの3分の1以下」  この無謀な要求に応えたのが、アンドレ・ルフェーブル。  若き航空技術者にして、レーサー。  ルノーに入るものの、その保守的な風土に嫌気がさし、2年でやめる。  アンドレ・シトロエンと出会い、意気投合して、1933年から参加し、  トラクション・アバント、この2CV、さらにDSを生み出した俊才である。

 2CVは、1939年に発売予定だったが、  第2次世界大戦でパリがドイツに占領されたため、  試作車は分解され、研究が秘密裏に続けられた。  戦後は、物資が欠乏していたので、少ない原材料で製造する必要が出てきた。  1948年10月、のパリ・モーターショーで、2CVはデビューした。  排気量375cc 9馬力の空冷水平対抗2気筒エンジン、  4段変速、最高速度65km/h、燃費は4.5L/100km(リッターあたり22.2km)  前輪駆動、フレキシブル・サスペンション、みたこともない奇抜なスタイルだった。  「爆弾のようだ、いや缶詰だ」と49年月11月発売後の評判は芳しくなかった。  だが、次第に労働者や農民にに受け入れられていった。  1967年には後継車ディアーヌが出て、生産中止されるはずだったが、  「アヒル」を殺さないでという声があがり、  1990年に最終的に生産中止になるまでに、  386万8634台も生産するロングセラー・モデルとなった。  いまも、この2CVを愛する人は多く、個性と冒険のシンボルとなっている。  さて、この2CVの4×4モデル「サハラ」を駈って  (12馬力エンジンをトランクにも搭載!し、24馬力)  世界一周を試みたのは、ジャック・セゲラとジャン・クロード・ボード。 1958年、8つの砂漠を越え、50ケ国を抜けて、  350日星空の下で眠り、2250時間乗り続け、10万kmを走破した。


17 失われゆく記憶、その4

オトーサン、 「いよいよ、DSの時代だ!」 DSといえば、歴史に残る名車ですよね。 C宇宙船、DS DS19のデビューは、1955年10月のパリ・モーターショウだった。  全長4800mm、全幅1800mm、全高1479mm、W/B 3125mm。  (クラウン並みサイズだが、W/Bはとびぬけて長い)  DS19は、そのユニークで大胆な流線形が意表をついた。  まるで宇宙船のようだった。

 DS19のユニークさは、そのサスペンションにも表われていた。  スプリングやショックアブソーバーの代わりに、  中空の球があり、2つに仕切られ、上には窒素ガスが、下には植物油が入っていた。  このハイドロ・ニューマティック・サスペンションは、  路面状態のいかんにかかわらず、車高を一定に保ち、車高調整も可能だった。  「このイラスト、分かりやすいなぁ」

 4輪独立懸架で、前輪には世界ではじめてディスクブレーキがおごられた。  話題のクルマを一目みようと会場は熱気に包まれて、  開始45分までに、バイヤーから750台の注文が入り、  その日の終わりには、何と1万2000台が成約した!のだった。 DS19は、快適このうえない安全なクルマとして、  上流階級のステータス・シンボルになり、「ハイウエーの女王」と呼ばれた。  1975年に生産中止になるまでに、145万6115台生産された。 DDSで大統領専用車  ドイツ占領からフランスを解放したシャルル・ドゴール大統領の人気は  絶大なものだった。  だが、アルジェリア独立を認めたために何度も命を狙われる。   「ジャッカルの日か、面白い映画だったなぁ」  あの尊大にして傲慢な大統領が、何かの拍子で頭を下げたので、  ジャッカルの銃弾が外れてしまうのでしたよね。

 1968年、暗殺を防ぐために、シトロエンに命令が下って、  大統領専用車、DSプレジダンジェルがつくられた。 全長6550mm、全幅2130mm、.W/B 3780mm、  車両重量ときたら、2260kgという巨大なリムジンだった。

Eモンテカルロで活躍したDS オトーサン、 「えっ、あのDSでラリー?」 何か、貴婦人がすそをからげて韋駄天走り、 せっかくの衣装が泥まみれという痛々しい感じもしますが、 あのハイドロ・ニューマティック・サスペンションが 不整地を走破するのに、大いに役立ったのです。 1959年、DS19があまり手をくわえない市販車のままで優勝! シトロエンは大いに気をよくして、 翌1960年にコンペティション部門を設置し、 以後、本格的にラリーに参戦することになった。 1966年には、DS21で2度目の優勝をしている。 DSは、こうして各地のラリーで大活躍をした。

オトーサン、 「そういえば、モンテカルロに行ったなぁ」 写真のハーバーを望むモナコの高級ホテルに泊まりましたっけ。 (ホテル・エルミタージュの体験記は、  このHPにある「嗚呼憧れの南仏旅行」に載っています) 「ああ、こんな狭い街路を走っているのか。  この石畳が、欧州車の足を鍛えたのか」 なーんて、感激したりしました。


18 失われゆく記憶、その5

オトーサン、 「そういえば、シトロエンは、パリダカに出ていたっけ?」 読者のみなさん、 「パリ・ダカって、何のこと?」 「知らないのかよ」 「パリ・ダカといえば、三菱だろうが」 「そうそう、五連覇だもんな」 「増岡浩、来年も出るのかな?」 「片山右京は、どうかな?」 「篠塚健次郎が、1997年に優勝したよなぁ」 「2005年は、バルセロナからダカールまでだったっけ?」 「2006年は、ポルトガルからスタートするんだって?」、, 「ガソリンNAエンジンの市販改造車だけなんだ」 「まあまあ、みなさん、落ち着いて落ち着いて」 ○パリ・ダカール・ラリー  正式名称テレフォニカ・ダカールラリー、通称パリ・ダカ。  ラリー競技大会の一つで、1979年に始まる。  「世界一過酷なモータースポーツ競技」とも言われている。  1月1日にパリからスタートし、バルセロナからアフリカに渡り、  セネガルの首都、ダカールまでのおよそ12000kmを走る。  サハラ砂漠を縦断するため、1988年には6人の死者が出た。  コースは毎年変わり、時にはスタート/ゴール地点も変わるが、  全てのタイトルの通称は「パリ・ダカ」で統一している。  1992年はゴールが南アのケープタウン(ル・カップ)だったし、  1994年はパリとダカールを往復するコースだった。  1995年にはグラナダからスタート。  近年はパリからスタートしなくなった。  1999年にテレビ局の取材担当者らがテロ組織に襲われたために、  2000年ではアフリカステージをダカールからスタートして  エジプト・カイロのギザのピラミッドをゴールとした。  ・出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 オトーサン、 「おお、シトロエンも、やるじゃん!」 Eパリダカ、初出場で優勝  シトロエンは、国際モータースポーツに復帰すべく新鋭マシーンを開発した。  それが、1990年7月にベールを脱いだZXラリー・レイドである。  ただちに、同月の第8回バジャ・アラゴン・クロスカントリーレースに出場し、  アリ・バタネンとブルーノ・ベルグランが優勝した。  この勢いを駆って、1991年1月、はじめて  パリ・トリポリ・ダカール・ラリー(9186km)に参加した。 ルートはパリをスタートし、リビア、ニジェール、マリ、モーリタニアを経由し、 セネガルのダカールに至る9,186km。21日間に及ぶ長く過酷な戦いである。  エントリー車両が、400台を越える盛況だった。  車両は4台用意され、アリ・バタネンをはじめ、3選手が参加した。  レースは、最初からバタネンが快調に飛ばしたが、後ろにピッタリ三菱がついていた。  同僚の2台は、炎上し、脱落。  さらに、サポートカーのドライバーが原住民に射殺されたが、  アリ・バタネンは終始冷静にドライビングを続けて、  ダカールの海に到着し、優勝した。 (三菱の増岡は、この年は不調で総合96位だった) このZXラリー・レイドの活躍は、3月に発売されるZXの先駆けだった。  なお、このZXは、プジョーとの合併を受けて、  2年後に発売されるプジョー306と車体の共通化を図っていた。

 1993年、ラリー車のカラーが、キャメル・イエローから  レッドに変更された。  写真は、1996年のパリダカで3度目の優勝をしたピエール・ラルテイーグの  駆るZXラリー・レイド。  

Fよみがえった黄色い巡洋艦隊 1992年9月、第1回ウエスト - イースト - レイドが開催された。  パリを起点に、モスクワを通り、中央アジアをぬけて、北京に到着という  総走行距離1万600km、所要日数27日の史上最大のラリーである。  読者のみなさん、   1931-32年の「黄色い巡洋艦隊」、覚えておられますよね。  60年前に開拓したこのルート、シトロエンとしては、  何が何でも、勝ちに行かねばならないラリーだった。  参戦したのは、5台のZXラリー・レイド、  ラルティーダら5名が乗って、追いすがる三菱勢を振り切って、  いち早く北京に到着した。

GWRCで連戦連勝  既にご紹介した通り、WRCでは2004年と2005年、  クサラ(Xsara)を駆って、2連覇の偉業を達成している。  また、パリダカをはじめ、各地のラリーで活躍を続けている。  左の写真は、フレンチ・ラリークロスで7連勝した  ジャン-リュク・パイエ(赤)が抱きあって喜んでいるところ。  右の写真は、2003年のWRCのドイツ・ラリーで初勝利を飾って  美酒に酔うセバスチャン・ロエベら。

HWRCチーム オトーサン、 「残念だな、こんなにいいチームだったのに。  辞めたり、転職するひともいたようだしなぁ」  引き金は、FIA(国際自動車連盟)によるWRCのコスト削減の動き。  ギュレーション(改造規定など)を大幅に変更しようとしていたためといわれる。  「2006年は、参戦するのは、スバル・三菱・スズキ、  そして、残留を決めたフォードとシュコダだけ。  こんな参加チームでは、とても、”ワールド”とは言えんなぁ」

オトーサン、 非常に残念なので、 社長に直訴したいと思ったほどです。 でも、ネットに出ていました。(2004年11月22日 毎日新聞)

Q1 シトロエンは来季限りでのWRC撤退を表明していますね。 A  プジョー・シトロエングループとしては、 5年連続でマニュファクチャラーを獲得している。 ドライバーズチャンピオンも取っており、目標を達成した感がある。 WRCの費用負担は年々上がっており、 経営戦略の観点から来季での撤退を決めた。 新しいモータースポーツへの挑戦を模索する時期という判断もある。 Q2 課題は何でしょう。 A 国内販売の今年の見込みは、2000〜2500台程度と目標に届いていない。 販売増にはディーラー網の再構築が必要だ。 現在全国に48店あるディーラーを将来的に70店くらいに増やす。 とはいえ大事なのは量より質だ。 商品の知識、販売ノウハウの質を高めて、強いディーラーを増やしていきたい。 ○フィリップ・クラブロル    89年、INSEEC(国立経済商科大)経済・産業学科卒。 91年シトロエン。2000〜2001年10月までシトロエン・スロバキア社長。 11月よりシトロエン・ジャポン社長。37歳。


19 失われゆく記憶、その6

オトーサン、 シトロエン・ジャポンの社長さんのインタビューを読みました。 「そうか、新しいモータースポーツを模索中か。  すると、次は、何に挑戦するのかなぁ  いままでにないジャンルかな?  それとも、これまでやったことをリニューアルするのかなぁ?」 てなことで、これまで取り上げた以外の活動をまとめてみました。 @冒険旅行の復活  WRCにしても、パリダカにしても、  頂点にいる一握りのひとの祭典になっています。  われわれは、参加できず、ただ見るだけ。  そういう意味で、若いひとが参加できるイベントがほしいものです。  シトロエンでは、過去にそうした活動を活発にやっていました。  ・パリ - カブール - パリ・レイド(1970年)   シトロエンの冒険旅行の伝統を復活させたもの。 30歳以下の若いひと、1300人が参加。   2CVか、ディアヌがメハリに乗るのが条件だった。  ・パリ - ペルセポリス - パリ・レイド(1971年)   前年の成功に気をよくして、今度はイランへ。   若いひと1300人が参加、総走行距離は1万3800km!   これも、2CVか、ディアヌがメハリに乗るのが条件。

 ・レイド・アフリカ(1973年)   アビジャンからチュニスまで、8000km。      若いひと100チームが、2CVでを駆って参加した。

A底辺拡大戦略   ・2CVクロス(1972年)   新しいタイプの競技。   第1回はアルジャントン・シュール・クルーズで開催された。

  Bドラゴン作戦(1988年)   深?から北京まで4500kmを140人の若い欧州人が    AXの集団を組み、ドライブした。   オトーサン、   「これって、これから使えるかも、   世界中のメーカーは狙っている中国市場開拓に役立つし、   参加者をフランス人に限定せずに欧州人全般に拡大しているから、    欧州市場開拓にも役立つはずだし...一石二鳥かも」

  Cワンメーク・レース    読者のなかには、参加された方もおられるでしょう。    写真は、サクソ・カップ(1996年)の模様。    ○ワンメーク・レース    現在各メーカーが様々なワンメイクレースを実施しているが、    1981年にスタートしたシビックレースが、国内初のものだった。    シビックレースは参加台数が増え、    各地域の選手権と全国のサーキットを転戦して争う    インターカップも行われるまでになった。    2002年からはシビックに代わってインテグラによるレースが開催されている。    出典:レースインフォメーション/レースカテゴリー       www.suzukacircuit.co.jp/ms/race/index5.html

Dサクソ・アイス・ドライビング・チャレンジ     これまでシトロエンは、3つのPRイベントを開催していた。    サクソ・カップ、ZX・トロフィー(1996年〜)、    そして、写真のサクソ・アイス。チャレンジである。     だが、1996年、さらに2つのイベントを開発している。    サクソ・ラリーチャレンジとサクソ・ラリークロス・チャレンジである。 

オトーサン、 「確かに、いろいろあるなぁ」 WRCに参加するには、1台当たり、1億から1.5億円かかるといわれていますから、 参加をやめて浮いたお金を使えば、かなり面白いことができそうです。 「ま、プジョー・シトロエングループを信頼して、気長に待つとするか」


20 毒婦

オトーサン、 久しぶりにシトロエン城東へ。 ETCが動作不良で、 ゲートが開かず、追突される危険があるので、 思いきって、取替えることにしたのです。 それと、走行距離が2000kmを超えたので、 遅まきながら、1000km点検も受けることに。 「おお、今日も空いているな」 国道6号線、順調に走って、約束の10時につきました。 「9.4km/Lだ。おお、いい燃費が出た!」 このところのガソリン値上がりで、 ご贔屓のセルフでも、ハイオク132円になりました。 外車だからといって、やはり燃費は気になります。 オトーサン、 川上さんに質問します。 「どのくらい時間かかる?」 「2時間くらいですね」 「じゃ、午後1時頃に戻ってくるよ」 「2時頃にしてもらえないですか?」 「それって、おかしくない?  10時に2時間足したら、12時だよ。  余裕をみて午後1時に戻ってくると言ったのに」 「....」 川上さんを図らずも問いつめて、その理由が分かりました。 ちょっと用事があって、 その時間にならないと戻ってこられないとか。 「なーん、それならそうと早く言ってくれればいいのに」 自分の売った顧客は自分がすべて処理する。 川上さん、責任感がひと一倍強いのです。 オトーサン、 「4時間か、どうやってつぶすかなぁ?」 前回は、上野へ出て、映画をみました。 その前は、秋葉原のヨドバシカメラを見学しました。 「どこか、この辺でいいとこないかなぁ」 まずは、お花茶屋の駅前の古本屋へ。 「これ、面白そうだ」 定価400円のを半値で手に入れました。 ・青木るえか「主婦でスミマセン」角川文庫 平成15年 珈琲館で時間つぶし。 「モーニング、下さい!」 11時までは、モーニングをやっているのです。 コーヒーとトーストなどで500円、ランチと思えば、安いもんです。 オトーサン、 「主婦でスミマセン」を読みはじめました。 「この奥さん、ハチャメチゃだなぁ」 掃除も、料理も、おつきあいも、ダイキライ。 お化粧もしないし、おしゃれもしない。 子供なし、亭主も大事にしない。 「このひと、世の中なめているんじゃないか?」 それでも、堂々と主婦と言い張るあたりが、実に爽快です。 「ホント、最近、こういう勘違いの手合いが増えたなぁ」 昔なら、毒婦と嘲られたもの。 オトーサン、 「そうか、この機会にローソン100を見ておくか」 大学で「現代流通業」を教えていましたから、新業態には興味があります。 駅前の「ショップ99」で場所を聞きました。 「掘切菖蒲園駅のそばですよ。次の駅です」 「あ、そう、ありがとう!」 ついでに、掘切菖蒲園も見学しようと腹に決めました。 店を出る前に、この店のトマトの値段をチェック。 「ふーん、小玉2玉が、104円か」 ついでに、食品スーパーあきたやもチェックしました。 「小玉が2玉で、98円か、安いなぁ」 これで、「ローソン100」のトマトのお値段が いくらするのか楽しみになりました。 オトーサン、 掘切菖蒲園駅へ到着。 「ラッキー通リはどこですか?」 教えてくれたおばさんに、ローソン100に行ったかどうか質問しました。 「行きましたよ」 「どうでしたか?」 「若いひとが多いようね」 「野菜の品揃えはどうですか?」 「ダメね、店が狭いから」 「へぇ」 「あそこ、前はファミリーマートだったのよ。  その前は、洋服やさん」 見ず知らずの他人なのに、百年の知己のように遇してくれます。 「下町はいいなぁ。人情味があって」 オトーサン、 ようやく、ローソン100を探し当てました。 「なーんだ。ジジババだらけだ」 平日の昼間ですから、当然でしょうが、 こうした下町における高齢化の進行を強く感じさせられました。 「ふーん、お茶(500ml)が105円か、案外安いじゃん」 おにぎりも、105円しか置いていないようです。 おにぎり2ケとそのお茶を買いました。 「トマトは?小玉2ケ105円か」

掘切菖蒲園へ向かって100mほど行くと、 食品スーパーがありました。 ふかしたお芋をおじいさんが、 「これ、金時でな、栗みてぇに旨ぇんだ」 しこたま買いこんでいるので、 釣られて1パック買ってしまいました。 「おじさん、お宅、トマトはいくら?」 「トマトはいろいろあるからね」 「お宅、桃太郎だね」 「桃太郎と言っても、いろいろあるからね」 お皿に中玉5つ盛りで、400円でした。 「中玉で1玉あたり、80円か。安いなぁ」 なお、話のついでにいうと、 駅前の赤札堂では、中玉が100円でした。 「こんなんじゃ、ローソン100は、先行き暗いなぁ」 事実、当初の出店計画を削減しているようです。 「新浪さん、世の中、そんなに甘くはないぜ」 お客は、ローソンだろうが、どこだろうが、 いいトマトを安く提供してくれる店へ行ってしまうのです。 当然のことです。 オトーサン、 掘切菖蒲園へ。 「へぇ、入場無料か」 都営ではなく、区営のようです。 「葛飾区、大したもんだ」 気持ちがいいと、時期外れの公園が美しくみえます。、 「萩がきれいだなぁ」

オトーサン、 ベンチに座って、オニギリを食べました。 「風情があるなぁ。  花菖蒲の季節なら、もっと素敵だろうなぁ」 江戸の名所とうたわれた頃は、もっと素敵だったでしょう。

○堀切菖蒲園  住所:東京都葛飾区堀切2-19-1  電話:03-3697-5237  京成線堀切菖蒲園下車徒歩15分  開園時間:900-1630  休園日:年末年始  入園無料  堀切の花菖蒲は江戸名所の一つ。  1804年、伊左衛門によって栽培されたのが始まり。  種類は、200種6000株に及ぶ。  花の見頃は、6月中旬、  園内には会食のできる静観亭がある。 オトーサン、 見終わって、記念にパンフレットでも貰おうと 管理事務所に立ちよりました。 「ありゃ」 受付カウンターは、泥のついた手袋と作業衣の置き場、 その下には、長靴が並べてあります。 係員、 うるさそうに、 「パンフレット?そんなものないわよ」 「....」 見事な毒婦ぶりに、あきれて無言で立ち去りました。 「この連中、公務員なんだろうが...」 英語では"public servent"、翻訳すると公僕。 ひとびとに心底から尽くす名誉ある職業のはず。 これが、その体たらくとは。 「あーあ、江戸の名所が台無しだ。  菖蒲園の横に高速道路の高架なんか造りおって」 もののあはれを知らぬひとが、 堂々と公務員に採用されているようです。

オトーサン、 2時過ぎにシトロエン城東へ。 新入社員のKくんが留守番していました。 「川上さんは?」 「いま外出しています」 「ETC取り付け、終わったかなぁ?」 「ええ、1000km点検も終わりました」 ちゃんと引き継いでいるようです。 「代金は?」 「はい、あちらで」 サービス工場では、経理担当の奥さんが待っていました。 代金は、2万5000円。 3万円を出して、お釣りをもらうことに。 「おお、新札じゃん」 「ええ」 「あなたの発案なの」 「いいえ、昔からです」 「先代からか?」 「ええ」 「お宅、いいねぇ」 「ありがとうございます」 爽やかな応対、商売人は、こうでなくてはなりません。 「ただいま」 川上さんが戻ってきました。 すこし、汗をかいて上気しています。 「ああ、キミの悪口を言ってたところだ」 「....」 「ウソウソ....ところで、あれから何台売れた?」 「千葉では、2台です」 「少ないねぇ。こんなにいいクルマ、もっと売らなきゃ。  どういうひとが買ったの?」 「30代半ばですね」 「2台とも」 「ええ」 30台半といえば、クルマ歴10年、 何台か乗りついて、良し悪しが分かりはじめた頃でしょう。 「運転して楽しいクルマがほしい。  それに、ひとが乗っていないクルマがいいな。  お値段もそんなに高くなくて。  でも、そんなクルマ、あるかな?」 そういう思いのひとが大勢いるのです。 でも、C4の存在はおろか、その魅力も知らないのです。 「長年いろんなクルマに乗ってきたけど、  こんなにいいクルマ、ほかにないよ。  それに、WRC2連覇って、大変なことなんだよ。 世界中の悪路を克服した体験が、  その走りに生かされているのだから。  もっと試乗の機会を増やさなければ」 「でも、お金が...」 「分かるよ。  でも、PRしなきゃ、勿体ないよ、ほんとに  WRCでの活躍を書いた記事くらいコピーして  店頭に置いておくべきだよ」 「はあ..」 「分かるよ、  トヨタもみたいにお金がないから、  テレビのコマーシャルも、全ページ広告も打てない。  でも、お金がないなら、ないなりに知恵を絞らなきゃ。  ディーラーにハッパかけるだけじゃ、能がなさすぎるよ。  オレがシトロエン・ジャポンの社長なら、ネットを重視するけれどなぁ」 「....」 若いひとは、まずネットをみます。 メーカーのPRでないから信用しているのです。 でも、最近のネット、おかしいですね。 迷惑メールの嵐、愉快犯や悪徳業者が跋扈しています。 ケ−タイにガードがかかったので、パソコンに大挙移動しているとか。 「もう、メールは一切読まない」 「掲示板も荒れているな」 「そう、オレなんか、掲示板、読んでないよ」 「程度の悪い奴がのさばっているもんな」 「おれ、パソコンやめる」 「じゃ、おれ、HP、打ち切る」 周囲にも、そんなことを言うひとが増えてきています。 心ないひとのために、信頼できる情報源が消えようしています。 価格コムのC4の評価など論外、犯罪的といってもいいほど。 何も知らないのに、C4に限らず、 世界水準のクルマをけなす書き込みが氾濫しています。 そろそろ、そうした輩を絶滅させるために、 法律を制定して、処罰できるようにすべきではないでしょうか。


21  ディープ・インパクト

オトーサン、 「おお、また勝った!」 ディープ・インパクトでも、ロッテでもありません。 ここは、C4に決まってますよね。 ○ローブ9勝目!全12Sトップ 世界ラリー選手権第14戦 最終レグ   セバスチャン・ローブ(フランス、シトロエン・クサラ)が 3日間合計3時間35分46秒7で今季9勝目、通算19勝目。 全12ステージでトップの完勝だった。 2位はトニ・ガルデマイスター(フィンランド、フォード・フォーカス)、 3位はペター・ソルベルグ(ノルウェー、スバル・インプレッサ)。 三菱ランサー勢はジジ・ガリ(イタリア)の9位が最高。 (スポーツ報知 10月24日)

photo:セバスチャン・ローブ選手 オトーサン、 東京モーターショーに行こうと思って、 自動車雑誌を物色しました。 「面白そうだ。これにするか」 ・東京モーターショー「外車のすべて」モーターフアン別冊 H17/11/18 「おお、またC4をほめた記事がある!」 熊倉重春さんの記事がありました。 彼、年間に試乗するクルマは、何と数百台! 誰よりもクルマを愛すればこその頑張りなのです。 だから、言うことに重みがあります。 ○熊倉重春の選ぶ輸入車10ベスト  ・VWゴルフ: お前は高級車か?  ・シトロエンC4: お洒落なスポーツハッチを望むなら! ・プジョー407:これそ本物の猫足の魅力なのだ  ・クライスラー1300C:威張りたいお父さんは迷わず"買い" ・オペル・アトラ・ワゴン:「通」な人にはわかる本物の実用ワゴン  ・BMW3シリーズ:高性能ドライビングの魔術師!  ・フェラーリF430:誰でも運転できる新しいフェラーリ ・コルベット:昔のアメ車とはもう呼ばせない ・アウディA3スポーツパック:理系な人にぴったりチョイス  ・メルセデスCLSクラス:かつてのカリ−ナEDをベンツがつくるとこうなる 「ん?熊倉さん、なんて書いてある?」 ○シトロエンC4  乗用車の使命第一番は、人間を楽に移動させること。  その根本を知り抜いたシトロエンの最新作がC4.  これまでのクサラは、デザインがぼけていたが、  今度は真っ直ぐシトロエンらしさを叫ぶ。  特異な透過式メーターやセンターが回転しないステアリングなど、  妙な凝り方もフアンには、感涙もの。  走り味も絶妙で、普段はフニュツとしているくせに、  攻めるとビシッと締まるクセモノぶりが光る。  ステアリングの初期反応の鋭敏さなど、  半端なスポーツセダンじゃ太刀打ちできない。  高出力エンジンを積む実用的なクーペは、  いわばフランス版CR-Xか。 お洒落で速いクルマが欲しいが、誰でも乗ってるんじゃイヤだという  マニアにどんぴしゃり。 オトーサン、 大きな本屋さんへ行くと、鵜の目鷹の目で、 シトロエン関連の記事を探します。 「これって、面白そうじゃん!」 ・LE VOLANT 「ユーロ・ホット・ハッチ」学習研究社 2005.3.19 欧州を代表する4人のデザイナーのインタビューが載っていました。 「おお、このひとがデザインしたのか」 C4のスタイル・センター・ディレクター、プルエのインタビューが 載っていました。

photo:ジャン・ピエール・プルエ Q:では、シトロエン・デザインを短い言葉で表現してください。 A:難しいですね。   ”滑らかに静寂のうちに動く生きたオブジェ”かな。   あるいは、”静寂さ、流麗さ、心地よさ”かな。   でも、これらが混じったものですね。   ”心地よさのなかの移動”というのも、悪くないかな....」  オトーサン、 「やっぱり、青山尚輝さんのが、オレにはピッタリくるな」 C4に乗って、まだ、ほんの数ケ月。 C4の魅力って、言葉で表現しにくいのですが、 心と身体の本能的なところで、何か深いインパクトを与えてくれる 優れたクルマのような気がします。 ・AUTO ROUTE 「本当は教えたくない欧州ハッチバック」JAF出版社 2005.10.10 ○シトロエンC4  C4のデザインは、日本車が逆立ちしても敵わない。  それだけに惚れて買っても絶対に後悔しない。  シートのよさも、男女、体格を問わず納得できることを  多くのドライバー、パッセンジャーで確認済み。  実は、クーペに1週間試乗したが、返却時に離れ難い感情に襲われたほど、  愛着が湧いた。  クルマに乗るというもはや日常的な行為が、かつてないほど楽しく、  待ち遠しく感じられたのも事実だ。  そんなクルマ、日本車にはなかなかない。   オトーサン、 「ふーん、これがC4のコンセプトカーだったのか」 ジュネーブショーの主役だったと森口将之さんが紹介しています。

photo:C4シトロエンスポール 森口さんは、無類のフランス車好き。 シトロエン車の歴史について詳しく知りたかったら、 彼が書いたこの本をぬきにして語れないでしょう。 このエッセイで、モータースポーツの歴史を書いたときにも、 随分参考にし、引用させていただきました。 感謝感謝! ・WORLD CAR GUIDE4 「CITOROEN」ネコ・パブリッシング H14/7/8改訂第2版

photo:シトロエンの歴史 読者のみなさん、 長らくご愛読いただき、ありがとうございました。 今回をもって、C4の連載エッセイは終わりにしましょう。 また、何かの機会にお会いできたらいいですね。 C4のオーナークラブができるといいですね。


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