我輩はサイクリスト
輪行で行こう!


目次

1 我輩、安食へ輪行せり、その1 2 我輩、安食へ輪行せり、その2
3 我輩、安食へ輪行せり、その3 4 我輩、大凧を見に行く、その1
5 我輩、大凧を見に行く、その2 6 我輩、松虫姫に会えり!
7 我輩、柴又と下町水辺めぐりへ、その1 8 我輩、我輩、柴又と下町水辺めぐりへ、その2
9 我輩、手賀沼を一周するも... 10 我輩、新周遊ルートを開発せり、その1
11 我輩、新周遊ルートを開発せり、その2 12 我輩、グリグリへ輪行せり、その1
13 我輩、グリグリへ輪行せり、その2 14 我輩、つくばりんりんロードへ、その1
15 我輩、つくばりんりんロードへ、その2 16 我輩、つくばりんりんロードへ、その3
17 我輩、荒川を北千住へ、その1 18 我輩、荒川を北千住へ、その2
19 我輩、手賀沼CR開通を祝う! 20 我輩、房総風土記の丘へ、その1
21 我輩、房総風土記の丘へ、その2 22 我輩、房総風土記の丘へ、その3


1 我輩、安食へ輪行せり、その1

オトーサン、 「運動しなくちゃなぁ」 自転車に乗るようになってから、元気になった気がします。 だって、つくばから自宅まで80km、 休み休みにせよ、8時間も、 年寄りが走り続けることができるなんて、 1年前には想像できたでしょうか? 自転車は、健康にいいのです。 体力づくりに最適なのです。 やはり継続は力なのです。 オト−サン、 「我輩はサイクリスト」をお読みなられた方は、 ご存知のように、最近、輪行に凝っています。 自転車を輪行袋にいれると、電車に持ち込むことができるのです。 行く先が、近所だけでなく、全国いや全世界に広がるのです。 昨日は、本屋で「自転車散歩」シリーズの1冊を買いました。 このシリーズ、京都編や湘南・鎌倉編もあるのです。 好評なら、いずれ、全国津々浦々のガイドが誕生するでしょう。 ・丹羽隆志、中村規「東京周辺自転車散歩」山と渓谷社 2004年  「そうか、東京周辺で28コースもあるんだ。  輪行すれば、あちこち行けるもんだなぁ」 例えば、こんなコースが紹介されています。  ・山手線一周  ・皇居とその周辺  ・浅草・上野下町散策  ・ウォターフロント  ・玉川上水、多摩湖”水みち”巡り  ・多摩川に沿って  ・荒川に沿って  ・江戸川に沿って  ・伊豆大島一周 「この本、なかなかよく出来ているそ」 ルートの地図も載っているし、距離や難易度、見どころも満載。 クルマに自転車を積んで行くことにも配慮してあって、 スタート地点の駐車場と営業時間、料金まで紹介しています。 「そうか、浅草なら雷門の地下に駐車場があるのか」 いずれ、C4に乗って試してみましょう。 「伊豆大島一周50kmか、この程度の距離なら走れるぞ」 でも、輪行は、はじめたばかり。 まずは、近所を一通り走破しなくては。 オトーサン、 「えー、6時5分です、いまからスタートします。  今日は、利根川下流まで電車で行って、  それから自宅まで自転車で戻ってくることにしましょう。  しまった!」 一刻も早くスタートしたくて、 リュックサックに入れておいたカメラを忘れそうになりました。 実は、今日は、リュックを置いていくことにしたのです。、 先日、つくばから戻ってきたとき、 輪行袋やカメラを入れたリュックサックが 次第に重くなってきて、肩こりで参りました。 「リュツクなしで行けないかなぁ?」 近所の自転車屋さんに相談しました。 「いいバッグ、ないかなぁ?」 フロントバックは、輪行袋を収納するには小さすぎます。 それに、ハンドルに重量がかかって、不安定です。 先日雨の日に走って転んだら、破れました。 もうフロントバックは、コリゴリ。 「リアにつけたらどうですか?  ステーを取り付ける必要がありますが」 「うーん。おれの美学に反するなぁ」 「美学ね、なるほど」 オトーサン、 帰宅して 「どこにつけようかなぁ?」 考えがまとまらないので、 実際に自転車を前にして、いくつか試してみました。 太腿や脚に当たったり、 ギアに触ったり、 いいなと思うと、すでに水筒がついていたり... 適切な場所はなかなかないものです。 すこし内腿に触れるけれどなぁ」 輪行袋を折り畳んで、トップチューブに巻きつけました。 読者のみなさん、 取り付け場所、分かりますか? 以前、ご紹介しましたが、 自転車の中央にある三角形をみてください。 サドルを支えているのが、シート・ポスト。 水平なのが、トップチューブ。 シート・ポストの反対側が、ダウンチューブ。 この水平のところに輪行袋を巻きつけて、 バンド4本で固定しました。 「まあ、気分よく走れるそ」 最寄の増尾駅まで走っていきました。 オトーサン、 「えー、自転車をようやく分解して輪行袋に入れ終えました」 何度目かですが、どうも不手際です。 すっかり汗をかいてしまいました。 「しまった!パスネットを忘れてきた」 これも、リュックサックに入れておいたのです。 料金がいくらか調べて、小銭を探して、 券売機に入れようとして、 「我孫子か、するとJRの乗り継ぎになるな」 駅員さんにやり方を教わりました。 クルマにばかり乗っていると、どうも電車の乗り換え作業が億劫です。 「えー、いま、柏駅です。  なんとかJRのプラトフォームまでたどりつきました。  6時43分発の我孫子行きを待っています。  以上」 「えー、我孫子駅に着きました。  成田行き、7時台は、2本しかありませんね。  5分発の次は、53分です。  こんなことやっているから、どんどん利用者が減るのです。  以上」 ぼんやり電車を待っているのも苦手です。 「腹減ったなぁ」 いつも7時には食事をはじめていますから、 胃袋は正直なものです。 見回しましたが、 成田線は儲からないのか、 キオスクも、立ち食い蕎麦屋もなし。 「民営化すると、地方は切り捨てられるんだ。  成田線がそのいい例だ」 オトーサン、 「えー、いま、7時5分、普通電車が到着しました。  車内はガラガラです。  以上」 幸い、身障者用スペースが開いていたので、 そこに輪行袋に入れた自転車を置きました。 「えー、車内アナウンスがありました。  我孫子から成田まで45分かかるそうです。  遠いなぁ。  せめて30分で着けば、利用してやるのに。  以上」 「えー、いま湖北駅に到着しました。  7時15分です。  こんなに時間がかかるようでは、  ここまで自転車で走ってきたほうが、  早かったかもしれませんねぇ。  何やってるんだか。  以上」 でも、お目当ての駅は、まだまだ先なのです。


2 我輩、安食へ輪行せり、その2

オトーサン、 「おお、やっと着いたか」 7時35分に成田線・安食駅に着きました。 あと2駅乗ると、成田駅です。 着いた途端、ため息。 跨線橋を渡らないと、改札を出られません。 自転車をかついで、階段を登るのは、イヤなもんです。 やっと改札を出ました。 15分かけて自転車を組み立てました。 空腹感がよみがえってきました。 見回すと、ほんとに田舎のさびしい駅です。 売店のおばさんに聞きました。 「この辺に食い物屋ないかな?」 「そんなものないよ。だけど、その先にセブン-イレブンがあるよ」 「砂漠にオアシス、砂漠にオアシス」と唱えながら、 セブン-イレブンへ。 おにぎり2ケと伊右衛門(100ml)を朝食用に買いました。 ほんとうは、景色のいいところで、食べたいのですが、 何もないところゆえ、致し方ありません。 そばの建物の日陰の地面にベタ座わりをして 朝食を取ることにしました。 先ほどの自転車組み立てで、指先が汚れています。 包装を巧みに使ってオニギリをつかみます。 この技術、大分慣れてきました。 オトーサン、 食べ終わって、 「おっと、サイクルコンピューターの調整をしなくては」 この調整も慣れてきました。 前輪を回転させ、センサーボタンと本体を近づけてから 調整すれば、一発で合格です。 「さてと行くか?」 とはいえ、どちらに行ったものやら。 「いらっしゃいませ」 「いや、そうじゃないんだ」 セブン-イレブンのオニイチャンに、 買い物目的でないことを告げて、利根川へ出る方向を聞きました。 「あちらです」 「あ、そう。聞いてよかったよ」 反対側に走るところでした。 8時5分スタート。 「おお、踏切りだ」 さきほど乗ってきた成田線のものです。 子供の頃、電車好きだった後遺症でしょうか、 踏切りで待っていると、 立ち止まって電車の写真を撮りたくなります。 オトーサン、 「やけに、クルマが多いなぁ」 一般道、そして356号線を肝を冷やしながら、 利根川にむけて走り続けました。 「えー、8時13分、3.56km、ようやく利根川の堤防に出ました。 以上」 ここなら、前に何度か来たことがあります。 銚子に向かって走っていったとき、 八千代から印旛沼を抜けてきたとき。 もう何度も写真を撮っていますが、 利根川と、利根川にそそぐ長門川を撮影しました。

オトーサン、 安食の水門の先に標識が立っていました。 「海から66.5kmか」 サイクリング・ウェアの背中のポケットからメモを取り出しました。 昨夜、例によって利根川走郎さんのサイトから メモしてきたものです。 「2ケ所ばかり難所があったよなぁ」 右岸のデータをご覧下さい。 ちょっと、違っていますね。   左岸 右岸 67.0 ☆  ☆ 68.0 ☆  ☆ 69.0 ★  ☆ 70.0 ☆  ☆ 71.0 ☆  ☆ 72.0 ☆  ☆ 73.0 ☆  ☆ 74.0 ☆  ☆ 75.0 ☆  ☆ 76.0 ☆  ☆     栄橋 77.0 ☆  ☆ 78.0 ☆  ☆ ☆ 迂回+1.8 79.0 ☆  ☆ 80.0 ☆  ☆ 81.0 ☆  ☆ 82.0 ☆  ☆ 83.0 ☆  ☆ 84.0 ☆  ☆ 85.0 ☆  ☆    大利根橋 ----------- ☆ 舗装有り、車進入不可 ○ 舗装有り、車進入あり ★ 舗装なし、車進入不可 読者のみなさん、 今日のこれまでのルートをご覧下さい。 自宅〜増尾駅〜柏駅〜我孫子駅〜安食駅〜利根川となっています。 これから、利根川に沿って上流に向けて走り、 手賀沼をぬけて、自宅に戻ろうとしているのです。 「何時間、かかるのかなぁ?」 既に真夏のギラギラした太陽が照りつけております。


3 我輩、安食へ輪行せり、その3

オトーサン、 利根川CRを軽快に走りだしました。 毎度感じるのですが、 この自転車専用道、もっと増やしてほしいものです。 「おお、ありゃ、なんだ?」 河原に、青い丸い包みがゴロゴロ。 やがて、その謎が解けました。 第2栄橋の架橋工事で、迂回していたら、 牛を飼っている農家の前へ出ました。 刈り取ったイネを乾かして、 敷き藁として使っているのが判明しました。 オトーサン、 「またかよー」 これも毎度のことですが、行く手をクルマが邪魔しています。 気持ちよく走っているのに、止まらなければなりません。 覗くと、白いセルシオに若いカップル。 女のほうがダッシュボードに足を乗せて、煙草スパスパ。 「あーぁ」 セルシオといったら、わが国の最高級車。 乗り手には、自とマナーが要求されるはず。 乗り手を選ぶはず。 それが、こんなガキ同然の若者が乗っているなんて。 「カネさえ出せば、乗れるってものじゃないだろうに」 日本は、この先一体どうなってしまうのでしょう。 「えー、8時57分、12.33km、木下(きおろし)にきました。  あの店で、この前、鰻を食べたな」 食べたいのは、ヤマヤマですが、いかにも時間が早過ぎます。 「煎餅屋さんに行くか」 木下駅の前にあって、昔ながらの味で好きなのですが、 荷物になるし。 この木下、前にも書きましたが、 その昔、利根水運の中心地として栄えた河岸でした。 オトーサン、 「えー、9時5分、14.32km、栄橋にきました。  自転車道がなくなってしまいました。  以上」 橋を渡ってから、草地を自転車を押して歩きました。 「暑いなー」 やはり、走っていないと、ダメです。 「えー、9時28分、20.44km、古利根沼に着きました。  一休みしましょう。  以上」 木陰で、お茶をごくごく飲みました。

「そうだ、いいこと思いついた!」 輪行袋、トップチューブに巻きつけたのですが、 太腿の内側にあたって、肌がこすれます。 銀座などで、ホステス嬢が、 たまに、そっと触れてくるのはいいものですが、 こうのべつ幕なしに、ビニールが触るのは感心いたしません。 輪行袋を細く折り畳んで、シートポストに巻きつけ、 バンドで固定しました。 「うーん、このほうが、まだいいや」 時々、銀座のホステスがお尻に触ってきますが、 想定内、許容範囲です。 オトーサン、 「えー、9時52分、23.62km、湖北駅に着きました。  駅前の喫茶店で一休みしましょう。  以上」 ○メヌエット 住所:千葉県我孫子市湖北台1-18-2 電話:04-7188-5543 営業時間:9:00〜20:00 定休日:元日以外無休 このお店、確か3度目です。 スイス風のコーヒーも、ケーキ類も期待を裏切りません。 お気に入りのお店です。 今日は、旬のいちじくのケーキを注文しました。 「美味い!」 ま、この暑さ、何を食べてもおいしく感じる 身体状態になっているせいかも知れませんが。 ・10時25分、26.69km、手賀沼フィッシング・センター ・11時34分、41.93km、増尾駅前で、冷麦を食す ・12時05分、42.03km、帰宅。 「やれやれ、やっと着いた」 残暑が厳しいと、後半は休み休みになってしまいます。 「秋が待ち遠しいなぁ」 自転車のベスト・シーズンが間もなくやってきます。


4 我輩、大凧を見に行く、その1

オトーサン、 「秋がきた!」 予想気温は、12時も、午後3時も、摂氏26度。 最高の気温です。 風は、東北東1m。これも、最高でしょう。 「さぁ、輪行で遠出するぞ!」 東武野田線で春日部へ、乗り変え、 東武日光線で北上し、栃木県の藤岡駅へ。 そこから、渡良瀬遊水地を経由して、帰宅しようというもの。 「えー、9時40分、増尾駅です」 例によって、輪行袋に収納するのに手間どたりして、 10時04分運河駅に到着しました。 「面倒だ、予定変更、ここで降りよう」 何ということでしょう。 この東武野田線、柏で乗り換えたかと思うと、 また、運河駅で別のプラットフォームで乗り換えろというのです。 オトーサン、 「さて、どこへ行ったらやら」 とりあえず、駅前のおなじみのパン屋さんへ入りました。 「まだ早いけど、昼飯食べておくか」 食べながら、どこへ行くか考えましょう。 そうそう、輪行袋の取り付け場所をご紹介しなくては。 写真でお分かりのように、シートポストに結わえました。 脚のどこにも触らず、最適です。 おかげで、リュックサックも不要で、肩こりから解放されました。 オトーサン、 2ケ目のパンを食べているときに思いつきました。 「そうだ、大凧会館へ行こう!」 いつも通過しているだけなので、 こういう時に見学しておかなくては。 「えー、10時45分、スタートします」 「えー、利根運河、久しぶりですが、やはりいいですねぇ。 広々して、気持ちいいですねぇ」 「おお、シロサギがいました」

「えー、10時55分、江戸川に出ました、横風が強いですね」 「えー、11時、4.51km、玉葉橋を埼玉県側に渡りました。  江戸川CR、気持ちいいいですねぇ、大空を舞うような自由な気分です」 以下は、走行データ紹介にとどめましょう。 ・11時15分、10.75km、野田橋の下を通過 ・11時25分、12.85km、シンザカヤ通過 ・11時27分、13.68km、野田線鉄橋下を通過 ・11時35分、15.34km、国道16号線・金野井大橋下を通過 ・11時50分、20.34km、宝珠花橋に到着 オトーサン、 「えー、一般道でちょっと怖かったですが、  無事に大凧会館に着きました。  11時54分、20.83kmです」 オトーサン、 受付のおばさんに聞きました。 「すいません、喫茶室、やってますか?」 「いいえ。日曜祝日だけです、ひとがこないから」 「あ、そう」 「映画がはじまりますから、見てらっしゃい」 「はい」 てなことで、大人しく映写室に座りました。 冒頭に「庄和の大凧」と出て、 日本一の大凧だという誇らしげな説明があって、 続いて、その製作過程が詳しく紹介され、 さらに凧揚げ当日の式次第まで紹介されていました。 ○庄和の大凧  縦15m、横11m、800kg、百畳敷。  1841年出羽の国の僧侶・浄心が、  養蚕の豊作占いとして凧をあげるように薦めたことが発端。  各家で凧をつくって競争していたが、共同でやるようになり、  舟運でにぎわっていたこともあって、  人寄せのために、大型化して行った。  明治初期には、現在の半分の大きさ、  そして、中期には現在の大きさとなった。 ○大凧会館  住所:埼玉県北葛飾郡庄和町大字西宝珠花橋637 電話:048-748-1555 営業時間:900-16:30  休館日:第2・4月曜日(祝日なら翌日)       1月1日、12月29日〜31日 入館料:300円 オトーサン、 「もう終わったのか」 10分ほどでしたが、よくまとまっていました。 その後、中央の4階までの吹きぬけの展示室へ。 大凧が4つ並んでいます。 「でかいなぁ」 この地が舟運で大賑わいだった頃が偲ばれます。 いわば、六本木ヒルズのタワーのような位置付けだったのでしょう。 「怪我人も出たんだろうなぁ」


5 我輩、大凧を見に行く、その2

オトーサン、 30分足らずで、大凧会館を出ました。 「おっ、蕎麦屋がある!」 11時前にパン2ケ食べただけなので、 何とか食べられるでしょう。 「かけ一丁!」 「かけはありません、もりでいいですか?」 「ああ。 (何だ、この蕎麦屋、かけがないのか?  それに、その乱暴な口の利きようは」) 名称もいいし、門構えもおしゃれで、流行っている店なのに、 この接客はないでしょう。 「うん、手打ちそば、旨いな。  ずいぶん、細く切ったものだ。  欲を言えば、タレがイマイチだな」 ●竹舟  住所:庄和町西宝珠花  電話:04-748-1008 もりそば 460円  天そば 1200円 オトーサン、 「ハーッ、ハーッ、ハーッ」 荒い息遣いになりました 堤防沿いの一般道を走りたくないので、 ムリヤリ堤防へ上ったためです。 「えー、12時55分、21.54km。これから帰路につきます」 「えー、風が左手から吹きつけてきますね。  ヘルメットのせいでしょうか、風が木枯らしのように、  ヒュ−ヒュー鳴りますね」 「あー、雨がポツンと降ってきました。  そういえば、この前も、ここらで雨に降られたなぁ」 独り言もいわずに、必死に走ったので、 以下は、走行データ紹介にとどめましょう。 ・1時15分、28.15km、野田線鉄橋下を通過 ・1時30分、33.71km、野田橋の下を通過 ・1時50分、38.36km、利根運河 オトーサン、 「雨はやんだようです。風はアゲインストです。  さてと....運河駅から輪行で帰ろうと思っていましたが、  予定変更します。  このまま、江戸川を下流に向かいましょう」 「やはり、40km近くなると、脚が重たくなってきますね」 「あっ、イタチがいました!リスじゃないよな、細いもん」 「あれ?ヨーカ堂の看板が変わっている。 ハトがいなくなった。  色は、セブンーイレブンに似ている さては...鈴木敏文さんの陰謀だな」 鈴木敏文さん、自分がつくったセブン-イレブンのほうが、 どうも、ヨーカ堂より好きなようです。 ●セブン&アイ・ホールディングス  株式会社セブン&アイ・ホールディングス(Seven & I Holdings Co., Ltd.)は、  小売、外食産業などを営む企業を傘下とする持株会社である。   2005年9月1日にヨーカ堂、セブン-イレブン、デニーズの子会社3社が株式移転し、設立。  本社所在地は、東京都千代田区二番町。東証1部上場。  「セブン」は、以下の7つの主要な事業領域を表す。  (注:オトーサン、どうも、こりゃコジツケだなぁ」)  ・コンビニエンスストア  ・スーパーストア  ・レストラン  ・スーパーマーケット  ・百貨店  ・金融サービス  ・IT/サービス業  「アイ」は、innovation(革新)のi(アイ)と「愛」を表している。  「セブン」のロゴはセブン-イレブンのそれで、  「セブン−イレブンとイトーヨーカ堂」の意味が含まれている。    出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 ・2時03分、42.25km、常磐道・江戸川橋下を通過 ・2時20分、45.81km、流山橋の下を通過 ・2時30分、47.24km、南流山駅到着

オトーサン、 「もう、家も近いぞ、あっ危ない!」 バス停のそばの歩道を通過しようとして、 おじさんが急に動いたので、急停止しました。 「痛い!つった、足がつった」 疲労していたところへ、急に左足で止めたせいでしょう。 歩道へ倒れこみました。 道路の反対側のひとたちが、何事かと見ています。 「大したことないんだがなぁ...見るなよ」 ちょっと休んで、足をマッサージしだら、歩けるようになりました。 「えー、足を直しがてら、北小金の陸橋を歩いています。  すごい渋滞ですねぇ」 「えー、足のしこりが残っているので、しばらく休みましょう」 北小金交番のそばのコーヒーの店「ルミエール」に入って、 ケーキセットを頼みました。 ●筋肉が「つる」  原因は、まだはっきりとわかっていない。  (1)代謝説…(遺伝的な)代謝産物の異常  (2)脱水説…水分バランスの異常  (3)電解質説…血漿電解質濃度の異常  (4)環境説…寒冷、温熱の過酷な環境条件  (5)神経説…神経系の反射異常などがある。  予防は  (1)筋肉が疲れて来たら、合間にマッサージする。  (2)運動前に「つり」やすい筋肉をストレッチングする。  (3)スポーツドリンクや果物を運動前に摂取する。 オトーサン、 その後、何とか帰宅しました。 3時45分、56.07km。 平均車速は、15.8km、最高速度は、35.2kmでした。 以下に、今日の輪行+走行ルートを示しましょう。


6 我輩、松虫姫に会えり!

オトーサン、 「しばらく走ってないなぁ」 足つりが心理的に響いているようです。 台風襲来もあって、5日ぶりのサイクリングです。 「今日は、どこに行こうかなぁ?」 しばらく印旛沼に行っていないので、行くことに。 道の駅やちよにクルマを停めて、走り出すのですが、 C4を駐車しっぱなしは心配なので、 輪行ができないか、路線図で研究しました。 「そうか、東武野田線で新鎌ヶ谷まで行って、  そこで北総線に乗りかえて、小室駅下車。  4kmほど国道16号線沿いを走れば、道の駅やちよだ。  簡単じゃん!」 オトーサン、 「えー、9時30分スタートします。  台風一過、雲ひとつない青空です。  最高気温も27度とか、絶好のコンディションです」 でも、タイヤの空気圧が低下していたので、 自分で空気を入れようとしましたが、うまく行きません。 しょうがないので、近所の自転車屋さんへ。 その後、増尾駅へ。 「えー、9時50分、新鎌ヶ谷駅につきました。  なーんだ。  ここ、イオンのショッピングセンターがあるところじゃん」 何度もクルマで来たことがあります。 いつも渋滞するので、電車できたほうが早そうです。 「歩くなぁ」 エスカレーターがあるので、上り下りは楽ですが、 北総線まで100mほど歩かねばなりません。 「高いなぁ」 わずか3駅先なのに、440円もするとは。 「へえ、この北総線に乗れば、浅草まで34分で行けるんだ!」 「へえ、新柴又なら、たったの15分か」 次回、輪行を試してみましょう。 オトーサン、 「おお、すぐ先が国道16号線だ。  歩道は走りやすいかな?」 何度も、この辺りは、くるまで通過していますが、 歩道なんかチェックしたことはありません。 「まあ、そういうもんだよなぁ」 大型トラックの排気ガスを、時々浴びますが、 歩道そのものは、まあ何とか走れます。 「えー、10時43分、4.64km、八千代橋に着きました。  すぐ右手が、道の駅やちよです」 進行方向の新川を撮影しました。 オトーサン、 「やはり、CRは気持ちいいですねぇ。  緑が多くて、空気もいいし、広々しているし」 ここは、いつも真夏日に熱風を感じながら走っていたので、 秋風の涼しさは格別です。 「えー、10時54分、7.35km、神尾橋を通過しました。  ここは自転車専用道路ではなかったのですね。  軽トラのおじいさんが警笛を鳴らして抜いていくので、  文句言ったら、農作業車はいいんだと言っていました」 「えー、また工事・通行禁止です。まだ終わってないんだ」 迂回して、砂利道をしばらく歩きました。 「えー、11時5分、9.58km、阿宗橋を通過しました。  ここから自転車専用道路になるんですね」 路面状態がよくなったので、スピードを上げました。 「えー、風が案外強いですね。アゲインストです。  せいぜい、時速20kmくらいしか出ませんね」 前方に西印旛沼が大きく広がる船戸大橋も、休ますに通過。 「えー、11時26分、16.13km、佐倉ふるさと公園に着きました。  ここで、昼飯にしましょう」 春はオランダ風車とチューリップ畑の風景でしたが、 ♪今はもう秋、コスモス畑になっていました。

オトーサン、 菓子パン2ケとコーラの昼食を終えました。 「さて、これからどうするかな?」 置いてあるサイクリングマップを眺めました。、 ここから双子公園の山田休憩所までは、5.75km弱。 そこまで行って、引き返せば、21.88×2=43.76km。 「距離は頃合だけれど、つまらんなぁ」 国道16号線をまた走るのは、気が進みません。 「そうか、北総線の終点へ出るという手があるそ」 山田休憩所から西印旛沼沿いに北上すると、 印旛日本医大駅に出られそうです。 「さしあたり、印旛沼村役場をめざせばいいんだ」 オトーサン、 「えー、12時3分、スタートします」 「この道、空いていますね。まったくくるまが通りません。 下手なCRよりも道幅も広いし、最高ですね」 「おお、ここら、シラサギの天国ですね。  ゴイサギも、2羽飛び過ぎました。すぐ目の前です。  ここらのサギは、人を怖がりませんね」 「えー、12時35分、26.63km、歩道のある広い道路に出ました。  どっちへ行ったらよいか、標識がないので、分かりません」 「ああ、やっと歩いているひとをみつけました」 「すみません、ここはじめてですが、印旛沼村役場はどこですか?」 「印旛沼村役場?」 「ええ」 「そんなもの、もうないよ。取り壊されたよ」 「あー、そうですか?  じゃぁ、北総線の印旛日本医大駅に行きたいんですが。  どっちの方向へ行けばいいんですか?」 「北総線?知らんなぁ」 「ありがとう」 オトーサン、 「えい、ままよ」 逆戻りして、右手の坂を上ることにしました。 その方向に、サイクリストの姿をみつけたからです。 「あいつ早いなぁ」 追いつけるかと思ったのですが、さにあらず。 坂にさしかかった途端、競輪選手のスピードです。 「しょうがない、いずれ標識が出てくるだろう」 てなことで、当てずつぽうに走っていると 前にクルマで走った覚えのある道に出ました。 「そうだ。このまま進めばいいんだ」 日本医大の脇を通過すると、 千葉ニュータウンのアパ−ト群が見えてきました。 「この病院、大きいなぁ」 この時点では、どんな病院なのか分かりませんでしたが、 後で調べたことを、ここで紹介しておきましょう。 ○日本医科大学 明治9年長谷川泰が設立した済生学舎が源流。 明治37年設立の私立日本医学校が前身。 昭和27年新制大学となる。 1年次は新丸子キャンパス、2年次以降は千駄木キャンパス。 付属施設に丸山名誉教授が設立したワクチン療法研究施設や 平成6年1月開院の千葉北総病院などがある。 開学年度: 学是:克己殉公(こっきじゅんこう) 私心を捨て、医療と社会に献身する URL:http://www.nms.ac.jp/ オトーサン、 「あのー、駅はどこですか?」 若い女性に出会ったので、聞きました。 「あの黒い建物です」 「あの変わった形の?」 「ええ」 横断歩道の真中だったので、それ以上詳しくは聞けませんでした。 おそらく北総線の印旛日本医大駅でしょう。 近づいたところで、写真を撮りました。 何でも、日本の駅百選のひとつとか。 変わった建物です。

オトーサン、 1時ちょうど、30.53km、駅に着きました。 自転車を分解して、輪行袋に収納しました。 「今日は、これで2回目、新記録だな」 つまらん新記録ですが、 これで、行き帰り輪行するという貴重な体験をしたわけです。 「高いなぁ」 この駅から新鎌ケ谷まで、680円もするのです。 「駅はいくつで、この値段だ?  たった5つじゃないか」 と、そのとき、妙な事実こ気づきました。 「何だ?この駅名は? 印旛日本医大、かっこ「松虫姫」かつこ閉じるとは」 オトーサン、 疑問を抱いたまま、新鎌ヶ谷から東武野田線に乗り、 増尾駅のひとつ手前の逆井駅で下車しました。 駅前の喫茶店でケーキセット。 週刊誌を拾い読みしてから、帰宅しました。 「えー、2時50分、32.00km。案外距離は伸びませんでしたね。 平均速度15.8km。  最高速度は、あれっ、変ですね。  リセットしていなかったのでしょう」 ネットで松虫姫について調べました。 御用とお急ぎでない方は、ご一読下さい。 ○松虫姫伝説  松虫寺には、こんな話が伝わっています。  松虫姫は聖武の帝の御子ですが、 おそろしい病(ハンセン氏病)にかかられました。  ある夜、姫の夢枕に薬師如来が立たれて、  「わたしは下総の国・萩原の里の薬師だが、  姫は下総に下られませよ」と、告げられました。  帝はこの話を聞き、すぐに行基を供につけ、姫を東国に下らせました。  姫は、萩原の里の泉のほとりに小屋を建てて、  薬師さまに毎日お参りをして熱心に祈りました。  そして満願の日、姫は疲れ果てて、ついウトウトと眠ってしまいました。  「姫よ、病いは治ったぞよ」  という薬師さまの声に、はっと目を覚ました姫は、  自分の腐りかけていた手足を見ました。  なんと、白く美しい肌に戻っているではありませんか。  側に刺しておいた、都から杖にしてきたイチョウも根づいていて、  かわいい若芽をつけています。  病いが、すっかり治った姫は、親切にしてくれた里人たちに  文字の読み書きや、カイコを飼って絹を織ることを教えたりしました。  帝は、姫が元の美しい姿にもどったのをたいそう喜んで、  行基に七仏薬師を刻ませ、都から大工をつかわして大きなお堂を建てさせました。  これが今の松虫寺の始まりだといいます。  姫は都に帰られて、しあわせに暮らしました。  ずっと後に、姫が亡くなられると、  お骨を分けて、このお寺の隅にも埋めました。  それが「松虫姫の廟」で、今も残っています。  そういうわけで、このお寺には、昔は埼玉や栃木の方からも、  よいマユがとれますようにとお参りに来たものだそうだ。  また、姫のように美しくなるおしろい粉が今でも売られています。  姫が都から持って来てこの地に根付いたイチョウの木は、  今では太く大きくなって、勢いよく葉を茂らせています。  出典:松虫姫 ・johokan.net/history/tradition/matsumushi.html オトーサン、 それから、今日の走行ルートを地図に記入しました。 地図の右端にかすかに松虫寺の卍マークがみえますよね。 「おしろい粉でも買いにいくか」


7 我輩、柴又と下町水辺めぐりへ、その1

オトーサン、 自転車散歩のガイドブックを買いました。  ・丹羽隆志、中村規「東京周辺自転車散歩」山と渓谷社 2004年 この本には、全部で、28コースも収録されているのです。  ・都心散策 7コース  ・山の手・下町 9コース  ・郊外の川へ 5コース  ・自然を満喫 7コース 「どれにしようかなぁ?  うん、このコースにしてみよう」 てなことで選んだのが、表題の「柴又と下町水辺めぐり」というわけ。 このコースは、大きく分けると、3つの見所があります。  @柴又  A中川べり  B水元公園 このうち、@とBはすでに自転車で行ったことがあります。 はじめてなのは、Aの中川べり、 これに、輪行をからませれば、結構楽しめるかも。 オトーサン、 「えー、9時5分スタートします。  今日は雲ひとつない秋晴れですねぇ。  涼しいですね。最高気温は摂氏24度とか。  サイクリングには、サイコーですね」 「えー、9時29分、船橋行きに乗車します。  輪行袋に収納するのに、また汗をかいてしまいました」 「この電車、空いてますね」 上りの柏駅行きよりも、この下りの船橋駅行きのほうが空いています。 輪行に向いています。 「えー、9時40分、新鎌ヶ谷駅に着きました。  2度目ですが、増尾駅から10分強。  近いですね、早いですねぇ」 オトーサン、 この後、チョンボ。 北総開発鉄道に乗るべきなのに、 間違えて新京成へ行ってしまったのです。、 「乗車料金を払い戻したり、とことこ引き返しました」 「輪行袋の肩かけバンドを短くしたので、何とか歩けましたが、 そうでなければ、大汗をかくところでした」 「この北総開発鉄道、料金も高いし、本数も少ないですね。  10時台になると、1時間に3本しかありません」 「えー、11時2分に乗りました。  新柴又までは、えーと、1、2、3、4、5,6、7つ目ですね」 「え−、10時18分、新柴又につきました」 「えー、10時26分、組立完了。  輪行袋に収納するよりも、組み立てるほうが楽ですね」 もうすこし、慣れれば、同じ時間でできるようになるかも。 オトーサン、 「ペットボトル、買わなきゃ」 新柴又駅前には、セブン-イレブンがありましたが、 敬遠して、ショップ99へ。 セブン-イレブン、 最近値下げして、お茶500mLを125円にしましたが、 お茶350mLは、値下げしていないので、131円もするのです。 「量が少なくて、高いなんて変だよなぁ」 読者のみなさん、 お茶は、ショップ99で買わなきゃいけません。 お茶500mLが、な、な、なーんと、103円なのですぞ。 「ま、どうでもいいことだけどね」 オトーサン、 「うん、こっちの方向かな?」 ポケットから、コピーを取り出します。 ”柴又と下町水辺めぐり”に、地図が載っているので、 それをコピーしてもってきているのです。 でも、どこをどう間違ったのか、 着いたところは、京成金町線の柴又駅。 さっき下車したのは、北総開発鉄道の新柴又駅です。 「へえ、寅さんの銅像がある」 柴又駅のほうが、本家本元のようです。 老人会でしょうか、子供のようにはしゃいで、 寅さんの銅像の前で撮影をしょております。 そのウルサイこと。 やはり、ここは、観光地なのです。 「わたくし生まれも育ちも葛飾柴又です」

オトーサン、 自分でも、浅ましいとは思うんですが、 買い食いが好きです。 帝釈天にお参りしてから、 もう待ちきれずに、すぐ近くの店で立ち止まりました。 「それ、うまそうだね」 「どれにします?」 「草団子がいいな」 「1本でいいですか」 「ああ」 100円です。 店先で立ち食いしていると、朝日新聞の記事が置いてあります。 美味いものやの紹介ではなくて、 「とらや」の商標登録をめぐっての争いを報じたもの。 読んでいると、 おばさん、寄ってきて、 「そのお店は、悪いのよ。 後から、この土地にやってきて、 ”とらや”を商標登録してしまったのね。  松竹は裁判所に訴えたけど、負けたのよ。  商標登録をしていなかったからね」 「へえ、それで、"くるまや"にしたわけか。  知ってりゃ、食べなかったのに」 「お客さん、どうでした、その団子のお味?」 「うまいね」 「うちのは、添加物を一切入れていないからね」 「とらやで食べたけど、このお店のほうがおいしいね」 「どうして分かりました?」 「だって、不味かったんだもの」 「そうですか。分かるひとには、分かるのねぇ」 読者のみなさん、 柴又に行くことがあったら、”亀屋”と”とらや”を食べ比べてみてください。 オトーサン、 この後も、参道を出た後、通りかかった店で、 大学いもを食べました。 中年のご夫婦が、ロードレーサーに感銘していたので、 ひとしきり、自転車談義で話がはずみました。 初対面なのにねぇ。 下町って、人情がいいですね。 「さて、お邪魔しました。行かなくては」 「また、おいでくださいね」 「じゃ、またね」 てなことで、リスタ−ト。 北総鉄道の線路沿いに当てづっぽうに走っていたら、 江戸川の堤防に出てしまいました。 この後も、京成たかさご駅に出てしまって、慌てたり、 地図をみて、胸をなでおろしたり、 はじめての道は、迷い道の連続です。 オトーサン、 「えー、11時34分、3.91km、  ようやく中川にかる高砂橋につきました」 ところで、サイクル・コンピュータの示す距離は、 4kmくらい少なくなっています。 京成高砂駅まで走ってきて、 はじめて動いていないのを発見したからです。 高砂橋を渡って、中川の右岸に出ました。 しばらく走ったところで、振り返って、高砂橋を撮影しました。 「中川って、結構、大きい川だなぁ。  でも、江戸川よりは小さいな。  中くらいか。  中くらいだから、中川って言うのかなぁ?」


8 我輩、柴又と下町水辺めぐりへ、その2

オトーサン、 「どうも、この中川べりは走りにくいなぁ」 ちょっと走ると、すぐ橋があるのです。 それも、すぐ通りぬけられればいいのですが、 そうはいかないのです。 中川大橋がその典型的なもの。 橋にぶつかって、左折して、国道6号線沿いに、 東京方面へ数百メートル走って、 環7と交差する青戸8丁目交差点を渡り、 それから中川まで引き返さなければなりません。 排気ガスも騒音もあって、決して気分はよくありまん。 それに、しばらく走ると、砂利道になってしまいました。 中川は、金網越しにしか見えません。 「こりゃ、あかん」 オトーサン、 「えー、飯塚橋を渡りました。  地図をみると、こかからは左岸を走るようです。  いま、12時20分です。9.5km地点です」 「えー、左岸、一般道じゃないですか、危ないなぁ」 道が細い上に、くるまがかなりのスピードで追い越していきます。 「ダメじゃないか、ヤマケイ。  こんなルートを紹介するようでは」 それでも、しばらく我慢して走っていると、 新大場川水門に出ました。 「12時34分、1195km地点です。  おお、ここ、景色いいじゃん」 数多くのボートが係留されています。 どうやら、ここで中川とは別れて、右手の大場川に沿って走るようです。

「えー、この道、クルマさえ走ってなければなぁ」 緑の濃い細い並木道なのです。 ほんのお義理にポールが立っていて、車道と分離されています。 そこを歩け(あるいは、自転車で走れ)というようですが、 この狭さでは、とてもじゃないが、走れません。 結局、また、危険を覚悟して、車道を走ります。 「おー、やっと着いた!  えー、12時45分。13.82kmです」 水元公園に着いたのです。 「もう安心だ」 この景色、前に撮りましたが、実に見事なポプラ並木です。

「この公園、ほんとうにいいなぁ。  奥方にも見せてやりたいなぁ」 都内で北海道の気分を味わえる唯一のスポットではないでしょうか? 水辺に面する広場に行って、オニギリを食べました。 ベンチで寝転んで、20分ほど休憩しました。 オトーサン、 1時25分、18.51km、江戸川CRに出ました。 「江戸川はいいなぁ」 せこせこした中川そいは、もうコリゴリ。 勢いよく走りだします。 広大な河原を眺めながらの自由なひと時、最高です。 堤防へ出ると、すぐ葛飾橋。 これを千葉県側に渡ります。 もうすぐ先が、松戸。 伊勢丹の回転式展望レストランが見えます。 「今日は風が強いなぁ。風速3mくらいあるんじゃないか?」 思うようにスピードが上りません。 「疲れるなぁ」 これまでの感じでは、もう流山橋に着いているはずなのに、 なかなか橋が見えてきません。 「しょうがない、一休みするか」 江戸川の風景を撮りました。 オトーサン、 バテテきました。 「足がつらんだろうなぁ」 ・2時00分、27.50km、流山橋 ・2時07分、28.83km、南流山駅 ・2時28分、32.63km、北小金交番 「ここらで、大事をとって、休憩するか」 この前、足がつったので、入った喫茶店に向かいました。 「ありゃ、定休日だ!」 しょうがないので、そのまま走り続けました。 帰宅したのは、3時05分、走行距離は、38.10km。 でも、サイクルコンピュータの数え忘れ分4kmを加えると、 42.10kmにはなっているかも。. 「まあ、マラソンの距離だったな」 いつものように、 今日走ったルートを地図に落としてみました。


9 我輩、手賀沼を一周するも...

オトーサン、 「久しぶりにホームコースを走るか」 10月1日から手賀沼を周回するサイクリングロードが完成し、 供用開始となるはずです。 さぞ、気持ちよく走れることでしょう。 「えー、9時38分スタートします。  めっきり秋らしくなりましたねぇ。  半袖、半パンツだと、寒いくらいですね。  日が射してきて、気持ちいいですねぇ」 天気予報では、午前9時の気温が摂氏16度、12時でも、21度とか。 「えー、すこし寒かったですが、坂をひとつ登ったら、  もう汗ばんできました」 「いま、森の中の小路を走っていますが、  雨あがりの森の匂いは、いいですね。  甘酸ぱい匂いというのか..」 オトーサン、 「えー、10時02分、5.32km、  国道16号線のトンネルを通過しました」 停車したところに、栗が落ちていました。 小ぶりですが、虫がついていないようなので、拾い集めました。 奥方が喜ぶかも。 「えー、10時06分、もう栗拾いはやめましょう」 あらかた拾ったようです。 「えー、10時12分、6.87km、手賀沼に来ました」 「おー、幟が出ている。さては、CRが開通したな。  さぁ、飛ばすぞ」 でも、あちこちに水溜まり。 通過すると、水しぶきがかかります。 ・10時20分、8.98km、柏大橋 大堀川を遡って、北柏橋から折り返して、北柏ふるさと公園へ。 「遊歩道に落葉がいっぱいです。落葉の季節ですね」 オトーサンの世代だと、どうしても、 イブ・モンタンの「枯葉」を口づさんでしまいます。 ♪ああ、思い出しておくれ  私達が愛しあっていたあの頃を  この世は今よりも美しく  陽光も火と燃えていた 「どうも、日本語じゃ、気分が出んなぁ」 ♪Les feuilles mortes se ramsssent a la pelle Tu vois ,je n'ai pas oublie.... Les feuilles mortes se ramsssent a la pelle Les souvenirs et les regrets aussi Et les vent du Nord les emporte Dans la nuit froides de l'oubli オトーサン、 この後も順調に走ります。 ただ、五本松広場から100mほどは、砂利道です。 ・10時33分、12.43km、松屋 ・10時40分、14.07km、手賀大橋たもと ・10時55分、17.53km、五本松広場 ・10時58分、18.33km、手賀沼フィッシングセンター 「さぁ、楽しみだなぁ、走るぞ!」 ところが、どうでしょう! まだ、工事中、通行止めになっています。 「何だ、何だ?10月20日開通、そんな馬鹿な!」 勝手に、10月1日を20日に遅らせたのでしょうか? それとも、見間違いだったのか? いずれにせよ、一般道を走らないと、先へは進めません。 オトーサン、 沼南側の半分がまだ通行止のため、 やむを得ず、かなりの長距離を一般道を走りました。 (下図の点線部分が未開通) 「えー、いま、霊柩車に抜かれました」 「えー、霊園の横を通過しました」 「えー、いま。大型バスと大型トラックに抜かれました。 「えー、ペット霊園を通過しました」 「ようやく手賀大橋に着きました。  もう安全です。  えー、いま11時15分、23.54kmです」 危険な道をおよそ5kmも走ったことになります。 この道は、もうゴメンです。 手賀大橋から先は、幸いCRが開通していました。   ・11時26分、26.53km、手賀沼一周地点 ・11時35分、28.13km、柏大橋  オトーサン、 柏大橋から帰路につきました。 ・11時49分、28.89km、国道16号線横断 ・11時52分、30.05km、レストラン千代田 「えー、お腹が空いたので、ここで食べてみましょう」 フランス料理でなく、 フランス田舎料理と書いてあるのが、何となくいいですね。 はじめて入りましたが、正解でした。 「こりゃ、うまいわ」 豚肉を頼みましたが、熱々でソースのうまいこと。 ウエイトレスのお姐さんも、テキパキ。 気持ちのいい応対でした。 「もしかして、あの絵、あなたを描いたの?」 「いいえ、いつも見ているから、似てきたのかも」 「はっ、はっ、はっ。  ところで、ラモス、このお店に来た?」 「いいえ、まだです。よろしくお願いします」 レイソルの関係者と思われたのかも。

○レストラン千代田  住所:柏市千代田2-11-21 電話:04-7167-1974 営業時間:11:30-15:00/ 17:30-22:00 定休日:月曜日  ランチ 1575円〜 /ディナー3000円〜- オトーサン、 「えー、12時25分、31.37km、, 日立サッカー場にやってきました」 チケットを買いに、そばのセブン-イレブンに入りました。 「SF席がほしいんだけど」 「SF?」 パートのおばさんでは、ラチがあきません。 しょうがないので、直接、日立サッカー場へ。 でも、ここでは、チケットを発売していないのです。 しょうがないので、黄色いレイソル号を撮影しました。 「えー、1時10分、38.05km、帰宅しました。  えーと、平均速度は、15.7km、最高速度は、30.4kmでした」 「おかしいよなぁ、CRが開通していないんなんて」 秋晴れで、気持ちいいサイクリングでしたが、 やはり、一般道で霊柩車に抜かれたのは、 何とも、はや、イヤな感じでした。


10 我輩、新周遊ルートを開発せり、その1

オトーサン、 「今日は、取手本陣を見に行こう」 何度も、その前を通ていますが、まだ見学していないのです。 「えー、9時08分スタートします」 「秋とはいえ、日が照ると、暑いですねぇ。 でも、日焼けするのも、今日が最後かもなぁ」 「9時34分、国道16号線のトンネルをくぐりました。  昨日の今日、流石に栗は落ちていませんね」 「9時38分、手賀沼に出ました。  今日は、晴れているので、水面の色が青いですねぇ」 昨日と同じ位置で写真を撮りましたが、逆光なので、 同じような写真になってしまいました。

「えー、9時50分、9.74km、手賀大橋に出ました」 「えー、10時05分、13.72km、我孫子側の五本松広場にきました」 ここから100mほどは砂利道。 自転車を押して歩いているうちに、ひらめきました。 「そうだ。手賀沼フィッシングセンターまで行かないで、  手前から、湖北へ抜けていこう」 我孫子高校野球場のわきを抜けましたが、結果的に失敗でした。 同じくらいの距離で、しかも、ずっと砂利道でしt。 オトーサン、 「えー、このけやき坂の登り、たいしたことありませんね」 「いま、湖北台団地の歩道をゆっくり走っています。  木陰がうれしいですね」 「えー、ファミマをみつけたので、寄ってみましょう」: 「今日は、湖北駅手前の踏み切りを渡ってみましょう」 「えー、364号線に出ました」 「えー、この古利根沼近くの坂ですが、今日はいつもと反対で、  下りなので、楽ですねぇ。いつも、息がきれるのですが」 でも、残念ながら、道が凸凹なので、飛ばせませんでした。 「えー、10時35分、18.37km、古利根沼に着きました。  今日は、晴れているので、湖面がきれいですねぇ」

木陰で休息することに、早目の昼食をとります。 「このファミマで買ったフライドチキン、最高ですねぇ。  もう1本買っておきゃよかったなぁ」 週刊「アエラ」に出ていたので、試してみたのです。 ○フライドチキンが販売本数1億本突破!   ファミリーマートが、全国6,500店舗で販売している 「フライドチキン」(税込126円)が本年8月中旬、1億本を突破いたしました。   2001年10月に発売し、昨年は4,000万本になり、   ファミリーマートの看板商品に成長いたしました。   今年は、8月〜来年7月分として6,100万本の売買契約をお取引先様と締結しました。   鶏本来の食感とジューシー感、カリッとした衣の食感。   辛すぎず、しつこすぎず、様々な香辛料・調味料を肉の下味と衣に調合し、   アダルトテイストな、食べるとクセになる美味しさです。 オトーサン、 「えー、10時50分、利根川CRに出ました・  利根川は、河原が広いから、最高ですね」 後ろから風が吹き付けるので、スピードが出ます。 ただし、バッタに要注意! CRの上で、日向ぼっこしているのです。 危うく何羽も轢きそうになりました。 逃げて、目の前を横さまに飛んでいったりして... 「えー、10時58分、20.80km、常磐線の鉄橋にきました。  さて、この先、どう行ったっけ?」 危険を覚悟で、狭いトンネルをぬけてから気づきました。 「しまった。河川敷きのゴルフ場脇をぬければよかったんだ」 その数百メートル先に、国道6号線の大利根橋がありました。 ここを渡りきると、取手駅です。 オトーサン、 「えー、 11時20分、23.31km、取手本陣に着きました。 ちょっとだけ、見学してみましょう」 「思ったよりも、広壮ですね」 係りのおばさん、2人、 うれしそうに奥から飛びだしてきました。 よほど、ヒマをもてあましていたのでしょう。 サイクリング姿にびっくりしています。 「さあ、どうぞどうぞ。お上り下さい」 「いや、今日は、先を急ぐから、写真を撮るだけで」 「どこから、お見えになったの?」 「柏の増尾から」 「そうですか。小貝川を走られました?」 「ええ」 「じゃ、木の橋、みました?」 「ええ、つくば新線の橋のそばでしょう。  渡りましたよ」 「あそこ、いいでしょう。宮本武蔵の撮影に使われたんですよ」 「へぇ」

○旧取手宿染野谷住宅  取手宿は江戸から6番目の宿場として設立された。 1682年、水戸徳川家2代藩主・光圀が最初に宿泊した大名。   1687年に本陣として指定され、本陣を中心に   旅籠屋・茶屋、廻船問屋、船大工、干鰯問屋などが軒を並べ、   江戸へ物資を運搬する高瀬船の停泊地として賑わった。   取手本陣は、1795年に再建されたもので、 式台玄関の上部には破風をつけた重厚な入母屋造りである。 総カヤぶきの寄棟で、母屋のほか醤油蔵、釜蔵、塩蔵、穀蔵、味噌蔵、厩がある。 当時の取手宿周辺は、利根川、小貝川の決壊で街道そのものが常に"水没"状態。   参勤交代の大名らは、これに備えて3本の回り道を用意していたという。 なお、 旧水戸街道は、取手を通らず、   我孫子から布佐・布川を通って小貝川を北上し、龍ヶ崎から牛久・土浦に向かっていた。   住所:取手市藤代700   電話:0297-74-2141 公開時間:10:00-3.30 公開日:金、土、日(年始年末を除く)


11 我輩、周遊ルートを開発せり、その2

オトーサン、 11時20分、23.31km、取手とうきゅうへ。 「メシ食おうかなぁ?」 でも、ここのフードコ−ト、うまくないのです。 「ジャスコまで走ろう。あそこも似たりよったりだけどなぁ」 それに、ファミマのフライドチキンが、案外、腹持ちしているのです。 「この歩道、よく出来ているなぁ」 新大利根橋有料道路まで、この常総ふれあい道路は、 広い歩道があって、それが自転車と歩行者に仕切られているのです。 しかも、段差がないので、助かります。 先日、反対方向から走ってきましたが、 サイクル・コンピュータがとまっていて、 距離を実測できなかったので、悔しい思いをしました。 今日は、その復讐戦のようなもの。 「ラーメン屋ばかりだなぁ」 一番お金がなくても、開業できるからでしょうか。 大勝軒に心惹かれましたが、 ラーメンを食べる気分ではありませんでした。 これ以上、汗をかく必要はないでしょう。 オトーサン、 「11時53分、30.28km、ジャスコ取手店へきました。  そうか、取手から7kmあったのか」 夏は、この店のトイレで頭から水を被ったものですが、 もう秋、さほど汗をかいていません。 直接、フードコートへ。 「うまいもんないかなぁ」 好評!特製やきそば480円を発見。新メニューのようです。 試してみましたが、正解でした。 野菜も多く、お肉もそこそこにあります。 20分ほどで、スタートします。 すぐに新大利根橋有料道路にさしかかります。 橋の上からは、いつもは利根川を撮るのですが、 今日は、河原を撮ってみました。 「やっぱり、利根川は広大だな」 そう感じていただければ、目的を達したことなります。

橋を渡れば、柏市のサイクリングロード。 利根川の右岸を利根運河までまっしぐらに走りました。 「あっ、イタチだ」 CRをすばやく横切っていきます。 カラスの群れを追いちらし、バッタを轢かないように走ります、 無人の荒野を走っているのですが、これで結構忙しいのです。 「ゴホン、ゴホン」 なぜか、咳がとまらなくなりました。 「冷えたのかなぁ。それとも、アスベストのせいか?」 アスベスト被害は、考えすぎかも。 おそらく河原一面のセイタカアワダチソウの花粉のせいでしょう。 ●セイタカアワダチソウ 北米原産のキク科の多年草。   昭和期に日本に入り、たちまち全国に広がった。   高さ2mにもなり、葉にも茎にも短い毛があってざらつく。 晩秋に花が咲く。 頭花は黄色で、みな上向きに偏ってつき、 見た目はきれいだが、花粉症の原因の一つ オトーサン、 「えー、12時48分、37.91km、利根運河がみえました。  どうしようかなぁ?」 久しぶりに柏寿荘でお風呂に入って、 その後、またサイクリングという選択肢もありましたが、やめました。 「また汗をかいてもなぁ」 利根運河へ。 「おお、アオコがない。、なくなっている!」 水面を埋めつくしていたアオコがなく、清流がさらさら。 シロサギの群れも、います。 「へぇ、通水することもあるんだ」 1時00分、42.62km、運河駅のベーカリーへ。 たいして食欲もないのですが、つい寄ってしまいます。 アイスコーヒーとクリームパンを注文しました。 駅前で出会った子供をかかったりします。 ここから輪行して、帰宅しようかと思っていたのですが、 まだまだ走れそうです。 オトーサン、 「えー、1時31分、45.10km、江戸川に出ました。  おお、ここは、風がアゲインストですね」 ・1時42分、48.95km、常磐道江戸川橋 ・1時55分、52.33km、流山橋 ここから、武蔵野線にそって南流山駅へ向かいます。 「へぇ、流山ロードレースってあるんだ」 でも、これ後で調べたら、自転車ではなく、 マラソン大会でした。 10km走るだけ。, オトーサン、 歩道を走って、南流山〜鰺が崎駅〜北小金へ。 「えー、2時22分、56.83km、常磐線の北小金陸橋にきました。  ちょっと休憩しましょう」 やはり、この前、足がつった苦い経験が影響しています。 「お疲れですか?」 自転車に乗った愛想のいいお巡りさんに冷やかされました。 「ああ、ありがとう」 変な返事ですが、こういう場合、どう答えたものか。

「えー、今日はルミエール、やってますね」 20分ほど休憩し、ケーキセットを注文しました。 店内においている雑誌を手にとります。 「へぇ、週刊シルクロード紀行 創刊号か」 パラパラとページをめくりました。 ・平山郁夫「シルクロードへの誘い(1) 玄奘追想行と平和への祈り」 ・椎名 誠「砂と風に消え去った記憶と郷愁を歩く」 ・長澤法隆「シルクロード自転車紀行(1)嘉峪関から敦煌へ」 「へぇ、シルクロードを自転車で走る会があるんだ」 ○長澤 法隆   シルクロード雑学大学代表   1982年法政大学文学部卒業、   現代人間科学研究所経て1984年よりフリーランスライターとして活躍   主な著書 「シルクロード自転車西遊記」(共著)日中出版 「ライフワークのある人生」(「望星」)東海教育研究所   ■メッセージ     20年かけて自転車でシルクロードを見聞する「ツール・ド・シルクロード20年計画」と     銘打った旅行をしています。     中国の西安からイタリアのローマまでを結ぶシルクロードは、1万5000km。     仕事を続けながら、シルクロードのすべてを見聞したいという夢を実現するためには、     旅行する時間をどうやって生み出したらいいのでしょうか。     そこで、シルクロードを20分割し、夏休みやゴールデンウィークを利用して、     20年かけて旅行することにしました。     自転車ならば、地球の凸凹も、砂漠の乾いた風も体感できます。     オアシスが近づいたことは草の香りから知るなど、シルクロードを五感で楽しめるからです。     また、同じような夢を描いている仲間を募って、     シルクロードの歴史や音楽、美術、宗教などを研究している専門家を招いて     話を聞いてシルクロードを「学び」、旅行する事にしました。     中国の西安をスタートしたのは1993年です。     キルギス共和国、カザフスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタン、イランと     自転車旅行を続けてきました。     2004年までの参加者は、延べで約300名。     年齢は12歳から74歳まで、女性が3分の1を占めています。        出典:www.ruralnet.or.jp/ouen/meibo/321.html オトーサン、 「世のなかには、エライひとがいるもんだなぁ・  おれでも、走れるのかなぁ?シルクロード?」 帰宅したのは、午後3時10分。 走行距離61.83km、平均速度14.2km.最高速度39.2kmでした。 とりあえず、今日のルートを地図で確認してみましょう。、


12 我輩、グリグリへ輪行せり、その1

オトーサン、 「どこへ行こうかなぁ?」 秋晴れの一日、サイクリングには最高です。 昨夜から、いろいろ、行き先を考えました。 「そうだ、藤代まで輪行して、それから小貝川沿いに  つくばまで行って、グリグリのパンを買おう」 グリグリのパン、家族に大好評でした。 C4ですでに2度行っております。 今度は趣向を変えて、自転車で行こうというのです。 でも、以前、つくばから8時間かけて、80km走って帰宅しました。 さすがに、それは身体にこたえました。 途中まで輪行すれば、短くて楽でしょう。 オトーサン、 「えー、9時2分スタートします」 上機嫌でスタートしたのですが、 増尾駅でハプニング。 輪行袋のジッパーが外れてしまったのです。 ジッパーの不具合は、寝袋で慣れていますが、 この輪行袋の手強いこと。 何ともなりません。 増尾駅の売店のおばさんに、 ジッパーの付け根を切るために、ハサミを借りようとしたら。 「規則で貸せません」 「そんな冷たいこと言わないでよ」 「だって、規則ですもの」 「この鬼婆」 でも、最後に、渋々貸してくれました。 結局、直すまでに50分もかかってしまいました。 オトーサン、 「えー、10時7分、常磐線の柏駅のプラットフォームです」 我孫子で乗り換えました。 電車待ちの間、売店でアンパンを買いました。 「藤代まで何分かかる?」 「そうね、16分よ」 「案外近いんだ」 「そうよ」 「快速も止まる?」 「止まりますよ」 愛想のいいお姐さんでした。 オトーサン、 11時に藤代駅につきました。 「家を出てから2時間か。何やってるんだか」

自転車を組立てているひとがいました。 かなりの年配と見受けました。 「どちらから、こられました?」 「品川」 「ずいぶん遠くからこられましたねぇ」 「いや、大したことないですよ、上野で乗り換えるだけだからね。  輪行だって、3分もあれば分解・組立できるからね」、 大ベタランのようです。 「で、今日はどちらまで?」 「何かこの近くにコスモスの群生地があるというのでね」 「へぇ、そうなんですか」 オトーサン、 おじいさんとは、別方向へ。 「えー、ようやく11時10分、小貝川の堤防に出ました」 「あ、この橋、文巻橋だったっけ。そうか...」 思い出しました。 小貝川CRの起点です。 「あっ、取れそうだ」 やはり、自転車の組み立てを急いでいたのでしょう。 カチッと音がするまでペダルを押し込んでいませんでした。 まだまだ、輪行には不慣れのようです。 「えー、いい天気ですねえ」 風がアゲインストですが、小貝川は蛇行しているので、 あまり心配しなくてもいいでしょう。 「へぇ、絵描いてる!」 気持ちに余裕が出てきたので、停車しました。 ミニバンに画材セットを入れて、小貝川の風景を描きにきたようです。 「お上手ですね」 「いやー、筑波山がきれいだもんでね」 筑波山を背景に小貝川、河原には一面のコスモス。 「いい景色ですねえ」 「秋を感じるでしょう」 「ええ」

オトーサン、 「えー、11時20分、4.19km、藤代大橋にきました」 「風は、横風に変わりました。ありがたいですね」: 「あれ?前方を走っているひと」 時速20kmで走っているので、みるみる追いつきます。 先程の輪行のおじいさんでした。 「こんにちわ、またお会いしましたね」 「ああ、こんにちわ」 「コスモスの群生地、行かれたのですか?」 「ええ」 迂回したのに、 先を走っているのが、腑に落ちませんが、 走っている最中なので、詳しく聞くことはできません。 「私は、いつもこの速度なので、いいですか?」 「ええ」 時速15km〜18kmののんびりした速度です。 これならいくら長距離を走っても、疲れないでしょう。 ずっと、おしゃべりしながら並走しました。 走った道のこと、買い換えた自転車のことなど... 「こいして友達と走るのもいいなぁ」 ・11時40分、9.39km、二三成橋 ・11時50分、11.68km、岡堰

・12時00分、14.72km、稲豊橋 ・12時10分、17.09km、常総大橋 オトーサン、 「ここですよ」 「ああ、ここねぇ、撮影現場は」 「ええ」 2人とも自転車を降りて、木の橋へ降りていきました。 釣り人がいました。 「こんにちわ」 「どちらまで?」 「今日は、つくばまで行って、エクスプレスに乗って  帰ろうとかと思ってるんですが」 「筑波山に登るんのじゃないの?  それなら楽だね、あと一走りだ。  今日は暖かくて、走るにゃいいねぇ」 「この橋、何かの撮影に使われたのですって?」 「ああ、昔ね」 「武蔵の?」 「ああ、こちら側は護岸工事されてるから、  向こう岸にかけて橋の上にセットを組んでいたよ」 「ああ、なるほど」 「この橋は、何度も流されているんですよ」 「そうでしょうなぁ」 はじめて、おじいさんが会話に参加しました。

オトーサン、 12時28分、20.29km地点の谷原大橋で、 おじいさんと別れました。 理由は単純です。 この橋のたもとのコンビニ「コスモス」で おにぎりを買うためです。 もう耐え難い空腹になっております。 「じゃ、お先に」 おじいさん、飄々と去っていきました。 背中の小さなリュックに食糧があるのでしょうね。 それとも、フロントバックにか。


13 我輩、グリグリへ輪行せり、その2

オトーサン、 おじいさんと分かれて一人旅になりました。 黙々と左岸を走り続けました。 伊奈橋からの左岸を走るのは、はじめて。 景色が新鮮です。 大和橋では、CRがなくなったかと慌てました。てa ・12時36分、21.78km、伊奈橋 ・12時47分、25.22km、大和橋 ・12時57分、27.67km、福岡堰 「えー、1時13分、ここ公園で昼食にします。 おにぎり2ケとお茶、至極簡単なものですが、 河原の草原に寝そべっての食事は、また格別です。 運動して喉が渇いているので、お茶のうまいこと。 「この桜並木、春は、さぞかし、きれいだろうなぁ」 「定年になって、生活が苦しくなるなんて、ウソだなぁ」 ゴルフや海外旅行にしか趣味のないひとは、そうでしょうが、 こうやってサイクリングが趣味なら、家計費は安くてすみます。 「ま、ホームレスのひとには敵わないだろうが」 ・1時30分、32.76km、平和橋 オトーサン、 「あれ?」 「こんな道、走ったことないなぁ」 「あそこで右折すべきではなかったかも」 ひとつ先の真雷神橋まで行ってから右折すべきでした。 でも、怪我の功名というか、 陽光子友の会の本部前に出てしまいました。 「おお、筑波山もいれて、いい写真が撮れそうだ」 さすが新興宗教! いい景色の場所を選んでおります。

オトーサン、 「この道が長いんだよなぁ」 つくば市の中心街まで、およそ9km、 国道号線沿いの歩道を走り続けなければなりません。 「お、栗が落ちている」 「でも、実はないな」 何カ所も栗の木の下を通過しましたが、誰かが拾った後。 ・2時22分、44.56km、TX駅付近 「もうすぐですね」 「この東大通り、いいですね、自転車道があります。  木陰も多いし」

オトーサン、 「えー、2時49分、48.84km、グリグリに到着しました。  遅くなったなぁ」 増尾駅での輪行袋のジッパー不具合事件がなければ、 2時には、着いていたはずです。 「こんにちわ」 「あっ、自転車ですか?」 「今日は、自転車で来ましたよ。  ウチの奥方にお宅のパンが評判だものだから」 「どちらから?」 「柏から」 「へぇ、随分遠いところからありがとうございます」 「近所に日本一のパン屋さんがあるんだけど、  ウチの奥方は、お宅のほうが美味しいって言うんだ」 「ああ、あのお店ですか」 「何っていったっけな」 「Zopfでしょう。行きましたよ。  随分流行っているので、驚きました」 「行列ができる日もあるんだ。  えーと、今日はこんな格好だから、あまり買えないんだ。  荷物になるから。  えーと、どれにしようかなぁ?」 ○le pain Gris Gris  住所:茨城県つくば市桜2-15-3-107  電話:0298-57-7538  www.gris-gris.jp  定休日 月曜日・第2火曜日  営業時間:8:00〜19:00(日曜日は、18:00まで) オトーサン、 前から一度食べたかったコルネをまず選びました。 あとは、家族が好きそうな菓子パンを4つほど。 それから、迷いました。 「あのさ、お宅で通販されているでしょう?」 「ええ」 「通販でパンを買ったことないのだけれど、  ほんとに美味しいのかなぁ?」 「美味しいですよ」 「じゃ、試しに、この安いほうのセットを買おうかな?」 「ありがとうございます。  お届けはいつがいいですか?」 「そうね。あさっての夕方でどうかなぁ」 「結構ですよ」 そんなことで、 あしたの朝食も、 あさっての夕方の到着も、 しあさっての朝食も、 楽しみになってきました。

○コルネ(160円)  コーンフレークが入ったキャラメルクリームと  さっぱりチーズクリームの2種類が楽しめるパン。 ○プティグリセット(価格1200円+冷凍代210円) クロワッサンには、香り高い発酵バターを使い、  デニッシュには、四つ葉の無塩バターを使い、  どちらも手間ひまかけて丁寧に作られています。  そのグリグリの自信作のクロワッサンとデニッシュをセットにしました。  焼き立てを急速冷凍し美味しさを閉じ込めたままお届けします。 オトーサン、 「ほんとにいい道だなぁ」 前方を走っているのは。筑波大学の学生のようです。 「こんないい道で通学できるなんて、恵まれているなぁ」 交差点で追いつくと、彼は、ケータイで通話中。 「留学生なんだ」 何語かは分かりませんでした。 ・3時27分、52.96km、TX駅

「このコルネ、美味いや」 つくばエキスプレスの車内で食べてしまいました。 コルネが2つ、それも逆にくっついているので、 チョコレートとパンを交互に食べられるうえに、 チョコレートのベタ付きをコーンフレークが救ってくれています。 「こりゃ、アイディアだ!」 コロンブスの卵みたいなもんですな。 オトーサン、 つくば駅発:3時45分  流山おおたかの森駅着:4時15分 増尾駅着:4時50分 自宅着:5時 「えー、今日の走行距離は、54.13km。  平均速度15.3km 最高速度28.8kmでした。  以上」 後半の走行ルートを地図に書き込みました。 青い破線は、つくばエキスプレスです。


14 我輩、つくばりんりんロードへ、その1

オトーサン、 先日、東京へ出るとき、車中のひまつぶしに、 久しぶりに、"DIME"を買いました。  若いサラリーマン向けの情報誌ですよね。 「へぇ、つくばりんりんロードっていうのがあるんだ」 廃線になった筑波鉄道の線路跡に 自転車専用道路が出来たというのです。 下調べをすると、常磐線の土浦駅からスタートして、 JR水戸線の岩瀬駅まで全長40kmあるとか。

○岩瀬土浦自転車道路  平成5年に沿線市町村から愛称を募集し、  応募2,719通の中から、  土浦市の神亜紀ちゃん(当時神立小学校1年)の  「つくばりんりんロード」という愛称を採用しました。  昭和62年に廃止となった筑波鉄道の敷地を利用して整備し、  健康で快適なレクリエーションの場として、  また通勤・通学・買い物などの日常生活の交通安全を確保する  自転車道として期待されています。  6ヶ所の駅舎跡地は休憩施設として生まれ変わり、  利用者が安心して利用できる環境が整っています。  この沿線には、筑波山をはじめ歴史的遺産や  公園、観光果樹園などがたくさんあります。 「往復80km、いいねぇ、行こう!」 即断即決。 いまや、根回しも、社内決済もいらない身分。 収入は減りましたが、こういう時には幸せを感じます。 オトーサン、 「えー、9時02分スタートします。  台風一過。雲ひとつない好天に恵まれました。  天気予報では、午前9時の気温は16度、12時21度とか」 迷いましたが、半袖半パンツにしました。 最寄りの増尾駅では、8分で輪行袋に収納を完了しました。 「えー、今日はすべて順調ですね。  いま、9時30分、土浦行きの快速に乗りました」 「9時40分、天王台です、ここでがらがらになりました」 「えー、9時49分、藤代駅です」 この前、ここから小貝川を遡って、つくばまで往きましたっけ。 「えー、10時05分、荒川沖です」 「えー、10時10分、土浦駅に着きました」 駅前広場に出て驚きました。 巨大な駅ビル、駅前には新しいイトーヨーカ堂、高層マンションもあるのです。 「へぇ、変わったなぁ」 その昔、息子の高校に来たときとは様変わり。 オトーサン、 自転車を組み立てて、一安心。 バスの運転手さんに、りんりんロードの入口を聞きました。  「そのヨーカ堂の先の信号3つ目を右折すると、橋にあたる。  そこだよ」 「あの、右折してから、どのくらい距離がありますか?」 「うーん、往けば分かリますよ」 「あ、そう。ありがとう!」、 教えられた通り、行きましたが、途中で道に迷いました。 「橋を渡ってと教えられたけれど、これ常磐線の大きな陸橋だよね。 いいのかな?川の橋でなくて?」 疑心暗鬼で走っていくと、川に出ました。 新川と標識に書いてありす。 欄干の上から右手をみると、きらきら光る水面。 「あれが霞が浦かなぁ?」、 でも、今日は、筑波山のほうに向かうのです。 オトーサン、 迷いに迷って、何人かのひとに道を聞きました。 その挙句、ママチャリのおじいさんに捕まりました、 このおじいさん、茨城弁の持ち主でした。 正直何を言っているのか聞きとれない部分があります。 「ありがとう、ありがとう」 そういって、立ち去ろうとすると、 「あのなぁ、ひとの話は最後まで聴くもんだよ」 また、最初から、説明がはじまるので、閉口しました。 要するに、りんりんロードの標識が不親切なのです。 言う通りに走ると、妙な方向に行ってしまいます。 標識は立てればいいというものではないのです。 分かりやすくないと標識とは言えないのです。 「ほんとに、お役人仕事だなぁ」 それでも、何とか、入り口にたどりつきました。

「おお、この道、走りやすいなぁ」 線路跡ですから、幅も広いし、平坦で舗装の質も上々です。 難をいえば、踏切の跡が、横断道路に変わり、 そこに、クルマ止めの棒が立っているのですが、 背が高すぎて、気分悪いのです。 「自転車を知らんひとが、つくったんだろうなぁ」

オトーサン、 「えー、11時15分、 6.3km、常磐道の下をくぐりぬけました」 この辺までくると、民家がとぎれ、広々した田園風景が広がります。 風はアゲインストですが、正面に山が見えてきます。 「何という山なのかなぁ?」 「腹減ったな、休もう」 藤沢休憩所で休むことにしました。 駅の跡ですが、トイレも水呑み場も東屋も完備しています。 「宮崎酒店か」 駅のそばに1店だけあって、パンも売っていそうです。 サイクリストには、有難いことです。

オトーサン、 食後、気持ちよく走りはじめます。 「あれが筑波山だよ」 すすきの穂とブタクサの黄色の向こうに山がみえます。 「いい景色だなぁ」

童心に帰って、当時憧れだった 電車の運転手のような気分になってきました。 「発車オーライ!出発進行!」 踏み切りならぬ車止めが近づくと、 心のなかで警笛を鳴らします。 ブォーツ、ブォーツ、ブォーツ.... ♪ 線路は続くよ どこまでも...   野をこえ山こえ谷こえて はるかなまちまで ぼくたちの 楽しい旅の夢 つないでる 線路は歌うよ いつまでも 列車のひびきをおいかけて リズムにあわせて ぼくたちも 楽しい旅の歌 歌おうよ (線路は続くよどこまでも 作詞: 佐木 敏 アメリカ民謡) www.interq.or.jp/japan/k3j/song/ syouwa /senrohatudukuyo%20dokomademo.htm オトーサン、 「単調だなぁ」 りんりんロードを走るのに飽きてきました。 向かい風ということもあるでしょう。 道路がひたすら直線ということもあるでしょう。 「このまま岩瀬駅まで行っても、帰るのが大変だし...  何でも、あのしつこいおじいさんの話じゃ、    どんどん、新駅から遠ざかるようだし....」 そうそう、TXなんて言っても、 おじいさんには通じなかったのです。 つくばエキスプレスもダメ。 常磐新線の新駅と言わなければならなかったのです。 「筑波休憩所まで行ってから、引き返すか」 オトーサン、 「ありゃ?」 突然、直線道路が行き止まりになりました。 「そうか、この工事で迂回せよということか」 立て札が出ています。 「ふーん、発掘調査中なのか」

○小田城跡  鎌倉時代から戦国時代末まで、  この地方に勢力を張った小田氏の居城で、  特に南北朝時代に南朝方の関東における拠点として名高い城。  本丸の周りには数多くの曲輪・土累・堀が複雑に組み合わされ、  波紋のように広がっており、  全体が本丸防御のための構成であったことがわかる。


15 我輩、つくばりんりんロードへ、その2

オトーサン、 「遺跡か、面白そうだな」 子供の頃、シュリーマンに憧れました。 その記憶が残っているのか、現場をみると血が騒ぎます。 「大判小判がざっくざく、そんなことないか?」

○ハインリッヒ・シュリーマン   1822/1/6 - 1890/12/6   ドイツの考古学者。 ギリシャ神話に出てくる伝説の都市トロイを発掘した。 下から2番目の層をトロイ戦争時代のものと推測したが、   後の発掘で実際の遺跡は下から7番目の層のものと判明した。   ドイツ語のほか、英語、フランス語、オランダ語、スペイン語、   ポルトガル語、スウェーデン語、イタリア語、ギリシア語、ラテン語、 ロシア語、アラビア語、トルコ語に詳しかった。 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 オトーサン、 発掘の若手監督官に聞きました。 「大変ですね。何か出ましたか?」 「ええ、武具の類が。でも、手掘りだから大変ですよ」 「そうなんですか」 大判小判が出ないと聞いて、急に熱が冷めました。 「あのー、筑波大学のほうへ行きたいんですが、  どうやったらいけますか?」 ほんとうは、パン屋のグリグリへ行きたいのですが、 いきなりグリグリの名前を出しても、ラテン語で聴くようなもの。 まず、通じないでしょう。 「筑波大学ね」 彼、急にうれしそうになりました。 大学の研究者のひとりなのかもしれません。 「あの先の道路、見えるでしょう?」 「ええ、あの陸橋になっているところ」 「そう、あそこを右手に2kmほど行くと、東大通りに出ますから、  道なりに行くと」 「東大通り? あそこなら走ったことがあるから。  分かりました。ありがとう。  (しめしめ、たったの2kmで、グリグリに着くぞ)  そうそう、で、あの道、歩道はついていますか?」 「ついてますよ」 「ありがとう!お邪魔しました」 てなことで、つくばりんりんロードから、早々に離れることにしました。 オトーサン、 「えー、11時57分、14.19km地点で、戻ることにします。  帰りは、追い風で、スイスイ、気持ちいいですねぇ」 ところが、3kmほど走ったあたりで、迷いました。 「変だな、土浦へ向かっている」 軽トラのおじいさんをみつけて、聞きました。 「新駅のほうへ行きたいんですが...」 「あっちだな」 「あっち?じゃ、戻るんだ。何キロくらいありますか?」 「そうさな、10kmくらいかなぁ」 「10kmも?」 「ああ、そんなものだよ」 「ありがとう」 冗談じゃありません。 はじめての道を、それもブタクサなどが繁茂している歩道を 10kmも走るなんて、新手の拷問じゃないですか。 オトーサン、 「しょうがない、行かねばなるまい」 諺にいわく、「千里の道も一里から」 デカルトに言わせれば、「困難は分割せよ」 まず、最初の1kmを走り切ることです。 それに成功したら、次の1km。 これを10回繰り返したら、10kmになります。. ぶつぶつ言いながら戻っていくと、交差点へ。 「ふーん、125号線を直進すると、下妻・筑波か。  左折して59号線を行くと、高野か。  高野なんて知らんなぁ。  まさか高野山じゃあるまいな...」 でも、道路標識の下に、細長い掲示板があって、 「つくば研究学園都市3.9km」とあるじゃないですか。 オトーサン、 10kmのはずが、たちまち4km弱になったので、 随分気が楽になりました。 小さな橋に差しかかりました。 普通ならそのまま通過するところを立ち止まって、撮影。

「きれいな川だなぁ。 水が澄んでいる。 筑波山を源流にしているのかなぁ。 確か、百人一首にあったみなの川かなぁ?」   ・筑波嶺の 峰より落つる 男女川   恋ぞ 積もりて淵となりける     

後で分かりましたが、 この川の名前は、「桜川」でした。 歌に詠まれた「みなの川」ではありませんでした。 でも、筑波山から流れでて、桜川に合流してから、 霞ヶ浦に注ぐので、そう間違っているわけでもなさそうです。 それから、桜川の源流は、筑波山じゃありませんでした。 筑波山よりも北にある、 今日行きそこねた岩瀬駅のそばにある 「鏡が池」だそうです。 自転車で探検した物好きなひとが、そう書いています。 「いいなぁ。一度、行ってみたいなぁ」 ・桜川源流への旅  www.ne.jp/asahi/science-city/ tsukuba/HTML/hishtm/rinkou.htm

photo:鏡が池


16 我輩、つくばりんりんロードへ、その3

オトーサン、 「ありゃ、歩道がない!」 前方は長い坂道、その歩道がなくなっているのです。 「危ないなぁ、押して歩くか」 でも、何とか、この難所を乗りきりました。 町並みがみえてきて、安心します。 少なくとも、高野山に向かっているのではなさそうです。 「えー、12時34分、21.49km、東大通りに出ました。  台坪の交差点です。  ここ、筑波大学の正門なんだ」

「グリグリは、どっちの方かな?」 東大通り、前にも、ご報告したように、 街路樹に覆われた広い歩道がどこまでも延びています。 「右へ行こうか、左へ行こうか」 右折してしばらく走ると、防災科学研究所へ。 「そういえば、この前、地震があったな。  土浦沖が震源地だった」 思えば、今日はとんでもないところに来てしまいました。 関東大震災が近いと噂されているのに、 わざわざ地震の巣に近寄るとは、トホホ。 「でも、ここなら安全だろう」 根拠のない理屈で、安心します。 オトーサン、 東大通りが細くなってきたので、 台坪交差点に引き返すことにしました。 「おお、きれいだなぁ」

冬ソナの撮影に使えそうな場所です。 ジュンサンとユジンが並んで歩いていても、不思議ではありません。 筑波大学の構内に入る道で、関係者以外立ち入り禁止とあります。 「ここ、走ったら気持ちいいだろうなぁ」 「えー、12時50分、24.83km、台坪交差点に戻ってきました。  これから柴崎の交差点をめざします」 「えー、1時ぴったり、グリグリに着きました」 「コンチワー。  この前、送ってもらったパン、美味しかったよ。  わが家で評判よかったクロワッサン、  10ケ送ってほしいんだけど」 「ありがとうございます」 オトーサン、 先日、グリグリのパンを送ってもらいました。 「冷凍のパンを解凍したって、美味くなんかないだろう」 そう嵩をくくっていましたが、さに非ず。 「こりゃ、うめえわ」 「こんなに美味いパン、久しぶりね。パリで食べて以来よ」 「焼き立てって、美味しいものなのね」 冷凍代と送料が余分にかかりますが、それを補って余りある美味しさ。 「こんなに美味しいのなら、もっと買ってくればよかったのに。  沢山、買っておけば、単価も安くなるし」 「だって、ウチの冷凍庫、もう入らないよ」 扉を開けると、物が落ちてくるすし詰め状態なのです。 「冷蔵庫、新しいのに買い替えるか」 「グリグリのパンのために?」 「それもそうだなぁ」 「でも、残念ね」 奥方、なくなるのを惜しんで、2日置きに食べています。

○le pain Gris Gris  住所:茨城県つくば市桜2-15-3-107  電話:0298-57-7538  www.gris-gris.jp  定休日 月曜日・第2火曜日  営業時間:8:00〜19:00(日曜日は、18:00まで) オトーサン、 「えー、いま、柴崎の交差点から筑波大学沿いに  24号線を走っています。  ここも気持ちいい道ですねぇ。  今日は、この歩道橋を渡って、向こう側を走ってみるか」 それが間違いだったようです。 筑波大学の構内に入ってしまいました。 「ま、いいか、すぐ出られるだろう」 それも間違いでした。 いつまで経っても、構内なのです。 「ここは、図書館だな」 「ここは、学生会館か」 そのまま走り続けるのも何なので、 自転車に乗った学生に道を聞くことに。 「すみません、駅に出たいんだけど」 「つくば駅ですか?」 「ええ、つくばエキスプレスの」 「ちょうど、そちらの方面に行くので、ご案内します」 ゆっくり走りながら、学生を観察しました。 「男かなぁ、女かなぁ」. 服装からすると、男子学生のようですが、 肌色からすると、女子学生のようでもあります。 「きみ、2年生?」 「いいえ、4年です」 「そうなの。じゃ、もう就職、決まったでしょう」 「ええ、東京のほうで」 「よかったね。  ボクも大学で教えていたから、  ゼミの学生の就職が決まると、ほっとしたよ。  親御さんも、これで一安心だね」 「ええ」 「この構内、自転車には最高だね」 「ええ、私も、この大学に入ってから、自転車が好きになりました。  もっといい自転車が欲しいんだけど」 「就職すれば、買えるさ」 「そうですね。  じゃ、私、ここらで失礼します。  その先を右手に行ってください」 学生宿舎のあたりで、この女子大生と別れました。 「いい娘だなぁ」 都会の大学生とちがって、ここの学生は純朴のようです。 オトーサン、 「いいのかな。こんなところを抜けて」 外国人教師等宿泊施設、客員講師等宿泊施設を通過しました。 「そうか、つくばは、不便だから、教員宿舎が必要なんだ」 健診センターと大きな病院の間を通過しました。 再び、森にはいります。 「おかしいなぁ」 夫婦2人連れに出会いました。 「すいません、道に迷ったんですが」 「いえ、私ども、ここはじめてですので」 筑波大学受験生の親御さんとみました。 「あの建物は何なのでしょうね?」 「さぁ」 聞かれたって分かるはずありません。

オトーサン、 「おお、こりゃ、何だ?」 大きな池があって、高いタワーがあります。 芝生広場で、OLさんたちが、お弁当を広げています。 「すいません、ここ、きれいですね。  何という場所ですか?」 「松見公園です」 「あのタワーは、何ですか」 「sennukitouです」 このOLさんたちは、アジア系の留学生なのかも。 「?」

photo:栓抜き塔 オトーサン、 その後も、すっと迷い放し。 図書館情報大学西なる交差点に出ました。 ここでも、若いひとに道を聞いて、ようやく駅へ。 「えー、ようやく着きました。  いま1時50分、31.38km走りました」 この後、つくばエキスプレスに乗って、 流山おおたかの森で東武線に乗り換えて、増尾駅へ。 帰宅したのは、3時02分、走行距離32.19km。 最高速度13.5km/h、平均走行速度28.3km/hでした。. オトーサン、 帰宅して、どこを走ったのか、地図で確認しました。 ついでに筑波大学のHPをのぞいてみました。 「よく出来ているなぁ」

○筑波大学  東京教育大学を母体に筑波に移転。   わが国で初めての「開かれた大学」として   教育・研究の新しい仕組みや大学自治を導入。   1973年 総合大学として発足   1975年 大学院設置   1976年 附属病院開院   2002年 図書館情報大学と統合   2004年 国立大学法人筑波大学発足  ○平成16年度卒業生・修了生の進路状況  ・大学:就職者33.9%、進学者41.5%    (企業 83.8%、教員7.0%、公務員9,2%)   ・大学院:修士-就職者47.5%, 進学者11.8%         博士-就職者60.0% オトーサン、 「大学院へ行くひとが、4割を超えているのか。  筑波大は、大学院大学なんだ!」 興に乗って、調査を続行しました。 この前、出会った大学生がどこに就職したのか調べてみました。 分かるはずはありませんが、 以下は、平成16年度の主要就職先企業名です。 調べ終えるのに、1時間もかかりました。 ・6人.. 東京三菱銀行、みずほ銀行、NHK ・4人...野村證券、常陽銀行、積水ハウス、富士通、ソフトバンク、光通信 ・3人...日本航空、全日空、日本経済新聞、ミズノ、スズキ、      西武百貨店、ワタミフードサービス、 「あの娘さん、  どこに就職したのかなぁ?  東京とうれしそうに言っていたけど、  もしかしたら、東京三菱銀行なのかもなぁ」 とんだ詮索をしました。ごめんなさい。


17 我輩、荒川を北千住へ、その1

オトーサン、 かねてから、荒川を走りたいと思っていました。 「東京周辺自転車散歩」に出ているのです。 葛西臨海公園から熊谷まで、全長は何と90km! 「いくら何でも、往復はムリだなぁ」 1日に、180kmも走ったら、死んでしまいます。 「ショートカットできないかなぁ?」 いろいろ研究した結果、 東武野田線で大宮まで行き、JR川越線に乗り換えて、 指扇駅下車、その後、荒川を下って、北千住へ。 つくばエキスプレスで、流山おおたかの森へ。 乗り換えて、増尾駅下車というルートを考案いたしました。 「でも、電車に乗る時間が多そうだなぁ」 「荒川、走りたかったら、これしかないのじゃないの?」 「そりゃ、そうだけど」 オトーサン、 「えー、ようやく天気になりました。  6時37分、スタートします」 「えー、6時37分増尾駅発、7時05分柏駅発で、  ようやく大宮駅につきました。  柏からでも、1時間10分もかかりました。  遠いねぇ」 「えー、ようやく川越行き普通列車に乗りました。  いま、8時36分です。  それにしても、この大宮駅、大きな駅ですねえ。  こんなにスゴイとは思いませんでした」

○IR大宮駅   2004年度の乗客数は1日当たり228,271人。 JR東日本エリアでは、新宿・池袋・渋谷・横浜・東京・品川・新橋に次ぐ。 ・1、2番線:京浜東北線   ・3、4番線:宇都宮線   ・6、7番線:高崎・上越線/宇都宮線(東北線)/成田エクスプレス ・9番線:宇都宮線(東北線)   ・11番線:宇都宮線(東北線)/高崎・上越線 ・ 13〜15番線:新幹線   ・16番線:東北新幹線   ・17番線:東北・山形・秋田新幹線   ・18番線:上越・長野新幹線   ・19〜22番線:埼京線/川越線  ほかに、東武鉄道/埼玉新都市交通/伊奈線が乗り入れている。 オトーサン、 「えー、8時54分、組み立てが終わりました。、  指扇駅をスタートしまーす」 「さて、どうすりゃ、荒川に出られるのかな?」  指扇という駅名、なかなか風格があります。  荒川へはどう行ったらよいか、  扇型の立て札か何かで指してくれればいいのですが、  ただの郊外駅、そんなものあるはずありません。 ○指扇(さしおうぎ)   南北朝時代の1351年の記録によると、   足利氏の一族である上野右馬助頼兼が 建武の中興の際の恩賞として「武蔵国差扇郷」を拝領したとある。   江戸時代の初めに旗本山内豊前守一唯が賜った 指扇領三千石の地域が扇の形をしていたからという説もある。   しかし、湿地(サシ)に続く傾斜地(オギ)が正しい。

オトーサン、 「おお、サイクリストがいた!」 追いつくと、老夫婦でした。 この年配になると、「夫唱婦随」ですね。 旦那さんは、大ベテラン。 奥さんは、初心者と見ました。 大変親切で、新上江橋までリードしてくれました。 旦那さん、 「左岸は、道が複雑だから、この橋を渡りきって右岸を走るといいよ」 奥さん、 「私たちは、コスモスを見に熊谷のほうへ行きますので、  川中のコースを走ります。じゃ、お気をつけて」

オトーサン、 橋の上で見送って、写真を撮りました。 「これが、荒川か。上流はきれいだなぁ」 大きな河原の向う正面に、富士山がみえます。 でも、残念ながら、写真には写っていませんでした。

「ありゃ、ここ、一般道じゃん」 右岸、道幅が広いのはいいのですが、 猛スピードでクルマが追い越していきます。 「こりゃ、あかん」 どうも、先程の旦那さん、 大ベテランなので、一般道を平気で走っているようです。 「しまったなぁ、地図の通りに走ればよかった」 早速、前方にみえた治水橋を渡って、左岸に戻りました。 「えー、いま、9時28分、8.12kmです。,  おお、いい道になりました!」

オトーサン、 「暑くなってきたなぁ、  今日はリュックを持ってきたけど、正解だったなぁ」 朝6時の気温は13度で肌寒かったのですが、 快晴なので、気温がぐんぐん上昇してきたようです。 長袖のサイクルウエアを脱いで、リュックサックに収納しました。 「えー、9時55分、14.19km、羽根倉橋を通過しました」 「ありゃ、砂利道になってしまいました」 土手に登ってみましたが、草ぼうぼう。 また、土手下の道に舞い戻ります。 「水溜まりばっかりだ!」 「この地図、なんて不親切なんだ!」 はるか向こうに見える秋が瀬橋まで歩きました。 自転車を押して、水溜りをよけながら歩くと、 一向に橋が近づいてきませんでした。 「あーぁ、何やってるんだか」 オトーサン、 「ああ、やっと着いた」 時計をみると、10時17分、17.45kmでした。 20分、3kmあまりも、歩いていたようです。 はじめてのルート、道に迷って歩くこともありますが、 こんなに長い距離を歩いたのは、はじめでです。 


18 我輩、荒川を北千住へ、その2

オトーサン、 「おお、いい景色だ!」 おだやかな水面が広がって手います。 「ここカヌー、許可されているんですか?」 「ああ、ここから先、1.4kmまではね」 「いいなぁ」 その昔、本栖湖で夜中にカヌーを出して、 満天の星を眺めたことを思い出しました、 「夜中に、ダイジョウブだったんですか?」 「ええ、風もなかったし、優秀なインストラクターもいたし」 そんな話をしました。 日曜日ならではの、おだやかな会話でした。

オトーサン、 「この辺、いい眺めだなぁ」 気持ちよく走っていくと、 真新しい公園のほうへ道が左折して、荒川の左岸に渡りました。 「ありゃ?」 渡ると、また川があるじゃないですか。 「変だなぁ」 もう道を間違えるのは、こりごり。 「東京周辺自転車散歩」をリュックから取り出して、 目を皿のようにして、地図をみます。 「変だなぁ、地図に出ていない!」 読者のみなさん、 後で分かったのですが、 下の地図にあるように、彩湖というのができて、 新しくサイクリングロードもできていたのです。 だから、地図には載っていないのです。 こういうこともあるのです。

オトーサン、 「すいません」 お得意のすいませんを連発することにします。 これも、当たり外れがあることは、先刻覚悟しております。 今回は、中年のサイクリストに聞きました。 幸い、日曜日なので、出会えたのです。 「荒川の右岸に出たいのですが」 「ああ、分かりました」 実に親切なひとで、反対方向なのに道案内をしてくれました。 道路が広いので、話をしながら、並走できます。 「私は、この辺のものですが、両国まで自転車で通っているんですよ」 「えっ、両国まで?すごいなぁ。どのくらい距離がありますか?」 「28kmですね」 「会社にロッカーがあるの?」 「ええ。雨の日は流石にやめますが。 でも、雨でも、帰りだったら走ってウチに帰ります」 「そうか、ズブヌレじゃ、会社に顔を出せないよね」 「まあね」 彼には、笹目橋まで案内してもらいました。 オトーサン、 「えー、10時58分、29.69km、笹目橋を右岸に渡りました。  カレ、いい奴だったなぁ」 迷っていたばかりで鬱屈していた気持ちが晴れてきました。 戸田橋を通過しました。 「おお、ボートだ!後輩たち、頑張ってるかなぁ?」 戸田は、東京大学漕艇部のホームコ−ス。 東大といえば、運動下手で知られていますが、 そのなかにあって唯一強いのが、このボート部です。 ○東京大学漕艇部   住所:埼玉県戸田市戸田公園5-5       東京大学漕艇部艇庫

○端艇部応援歌 「嗚呼向陵に正気あり」  一、 嗚呼向陵に正気あり 青春の児が熱血の     双手にかざす紅の 護国旗の色君見ずや   我が当年の丈夫が 鉄腕撫して立つところ   墨江の空連勝の 覇業の光栄に輝きぬ 二、 干戈一度収りて 平和よ暫し春の夢   唯三尺の剣を撫す 丈夫の悲憤幾春秋   飛躍を待ちて幽谷に 臥竜の思ひ幾春秋  越殿の花我知らず 唯営々の意気の跡 三、 霧大利根を罩むる朝 堅氷わりて凛然と   激流切りて遡るとき 見よ筑波嶺に日はあかし   花墨堤に匂いては 綾瀬の流れ若緑   波上に浮ぶ春光に 七雄の歌楫枕 四、 さはれ高眠永からず 今壮快の晴れ軍   墨江十里惨として 乾坤どよむ鬨の声   嗚呼戦はむ勝軍 光栄の歴史を飾るべく   渾身の血は踊るなり    戦はんかな友よいざ 戦はんかな友よいざ オトーサン、 「オレも頑張らなくっちゃ」 久しぶりに、トップギアに入れてみました。 「おお!30km/h超えた!」 道もいいので、気持ちよく走り続けました。 この速度なら、あっという間に北千住へ着いてしまうでしょう。 「あーあ」 前方に救急車が見えました。 あたりは運動公園ですから、野球の球が当たったのかも。 それとも、急な運動で心臓麻痺でも起こしたのかも。 近づいていって、原因が判明しました。 サイクリスの集団が困ったような顔をしています。 撥ねられた女性の友人でしょうか、2人が立ち尽くしています。 集団で暴走していたのかも。 はねられたほうも、急に飛び出したのかも。 いずれにせよ、日曜日の公園は、 人が多いだけに、多くの危険が潜んでいるようです。 ○自転車の意外なルール  (道路交通法第19条)2台以上並んで走ってはならない。

オトーサン、 その後、すこし速度を控えめにしましたが、 女性サイクリストに抜かれて、頭にきました。 「速いなぁ」 優に30kmは出しています。 ついに、振り切られてしまいました。 「ま、いいか、女子の競輪選手なんだろう」 「女子の競輪ってなくなったんじゃないかな?」 「おっ、水門だ!」 ここは、隅田川が分岐する地点です。 ここも、荒川を渡ると勘違いしやすい場所です。 実際は、地図にあるように、墨田川を渡っているのです。 草原に座って、絵を描いているひともいました。

オトーサン、 その後は、順調に橋を通過していきます。 ・11時36分、33.44km、隅田川分岐 ・11時42分、34.90km、鹿浜橋 ・11時52分、38.38km、扇大橋 ・12時02分、41.06km、千住大橋 オトーサン、 「さて、ここから駅にはどうやっていくのかなぁ」 でも、もうダイジョウブ。 駅へ向かうと思われるママチャリがたくさんいます。 「へぇ、ここが北千住の商店街か」 宿場通リと書いてあります。 「そうか、ここなんだ!」 急にひらめきました。 千住は、あの芭蕉が「奥の細道」で深川の庵を出て、 墨田川を遡り、下船し、いよいよ陸行をはじめた記念すべき場所でした。 ○奥の細道   千じゆと云所にて船をあがれば、 前途三千里のおもひ胸にふさがりて、 幻のちまたに離別の泪をそゝぐ。   行春や鳥啼魚の目は泪 是を矢立の初として、行道なをすゝまず。 人々は途中に立ならびて、後かげのみゆる迄はと見送なるべし。 脳裏に、当時の宿場町の光景が浮かびました。 「オレの自転車旅行も、風狂の旅だなぁ。  いつまで続くか知らんけど、  名句の一句も、残しておかねばなぁ」

オトーサン、 「腹減った!」 名句の代わりに出たのは、下世話なきまり文句。 駅前の喫茶店で、スパゲッティ・ミートソースを注文しました。 このお店、今月末で閉店とか。 マスターが、年なので、引退するとか。 「いいねぇ、老後は悠々自適ですか?」 「もう気ままにしていいでしょう、働きづめに働いてきたんだから」 「そうねえ、そうだよね」 オトーサン、 北千住からつくばエキスプレスで、流山おおたかの森へ、 東武線に乗り換えて、増尾駅へ。 2時02分に帰宅しました。 走行距離42.38km、平均速度15.2km/h、最高速度33.6kmでした。


19 我輩、手賀沼CR開通を祝す!

オトーサン、 「えー、ようやく晴れました。  手賀沼までぶらぶら遊びに行ってみようかと思います。  10時38分スタートします」 「えー、11時04分、5.55km。  大分遠回りしました。  いま、国道16号線のトンネルをくぐったところです。  残念ながら、栗はもう落ちていませんね。  栗の季節は終わったのかも」 「えー、11時16分、8.38km、手賀沼に出て、柏ふるさと公園にきました。  もうすごい数のテントですね。一体、何があるのでしょう?  近所の大学の体育祭でもあるのでしょうか?」  テントを張っている若いひとに聞いたら、10月30日に開催される  手賀沼エコマラソンの準備とか。 ○手賀沼エコマラソ   「手賀沼」は、日本一汚染された沼として知られていた。   平成7年から「手賀沼浄化」を願って、柏市、我孫子市、沼南町共同で   マラソン実行委員会が発足し、毎年10月下旬にレースを開催することなった。   その特徴は、   (1)手賀大橋を2度渡る周回コース   (2)都心に近く交通の便がいいので、毎年6〜8千人のランナーが参加。   (3)コースは自然がいつぱいで、8割が平坦。   (4)制限時間は、3時間以内で完走可能と 初心者向き。   全国で毎年2000の市民マラソンが開催されているが、   ランナーズ社の人気ランキニングで、13位。   全国ハーフマラソンでは、トップの人気でした。   「手賀沼エコマラソン実行委員会事務局」   電話;04-7167-8345

オトーサン、 「えー、11時37分、12.58km、松屋にやってきました。  ここで食べるか?他にするか?」 半そで、半パンでしたが、走ったら汗ばんできました。 でも、ちょっと、のんびりすると、急に肌寒くなってきました。 「まず、ジャンパーでも見てみるか」 近くにスーパーのライフがあります。 「へぇ、100円ショップが入店しているのか」 ジャンパーは持っています、家にあります。 当座の間に合わせでいいので、 105円のレインジャケットを買いました。 そのままライフを出るのも何なので、衣料品売り場へ。 「半値で1500円か、高いなぁ」 後学のために、色柄や新機能をみていたら、 まあまあのものを発見しました。 「おお、1000円なら安い」 発作的に買ってしまいました。 オトーサン、 レジで、 「いますぐ着るからね」 「はい、分かりました」 気持ちのいい娘だったので、質問してみました。 たまには、松屋以外で食べるのもいいかも。 「この辺に、おいしい店ない?」 「さぁ。でも、この辺、ラーメン街道といわれているんですよ」 「そうなの?」 てなことで、近くの「ラーメン・ショップ」へ。 はじめての店は、リスキーですが、 注文したネギラーメン(660円)、いける味でした。 麺も、スープも、まあまあ。 父上様、母上様、細い丸いネギが美味しゅうございました。 読者のみなさん、 誰のせりふかお分かりですね。 オトーサン、 機嫌よく手賀沼遊歩道を走って、手賀大橋のたもとの親水広場へ。 「おお、いよいよ冬の到来だなぁ」 漁協前の水面にいる野鳥の数が増えています。 「冬になったら、双眼鏡をもってこよう」 三脚を持ち出して、カメラマンを気取るものいいかも。

オトーサン、 「さて、帰るとするか」 12時40分、 手賀大橋を沼南町側に渡りました。 「おーっ!」 10月末にならないと、完成しないはずのCRが もう出来ているようじゃないですか。 「そうか、手賀沼エコマラソンに会わせて開通したんだ。  でも、ほんとうに走れるのかなぁ?」 でも、ほんとうに走れました。 工事中の立て札もきれいに撤去されています。 「こりゃ、最高だ!  道幅も広いし、舗装も最高だし、誰も走っていないし...」. 勿論、帰るのはやめて、試走することにします。

オトーサン、 「えー、1時02分、18.8km、  手賀沼フィッシング・センターまでやってきました。  いやーっ、気持ちよかった」 ただ、風がアゲインストでした。 せいぜい、時速20kmくらいまでしか出ないのです。 手賀沼FSからは、遊歩道。 散歩のひともいるので、そう走れません。 途中、季節外れの桜が咲いていました。 まるで、手賀沼CR開通を祝っているかのように。

オトーサン、 「えー、1時36分、24.01km、  手賀大橋へ戻ってきました。  下沼を一周したことになります。 ここから、また手賀大橋を渡って、 上沼沿いに沼南町側を走ります。 こちらのCRは、一足先に開通しております。 「よーし、今度は飛ばすぞ!」 今度は、追い風です。、 ちらっとサイクルメ−ターをみると、時速35kmの表示が... 「気持ちいいいのう」 行きと同じルートで帰ることにしました。 「ちょっと休んでいくか」 新柏駅手前の喫茶店をのぞいてみました。 外から見たよりも、内部が広くおしゃれでした。 近所の奥さん方のために、各種女性誌がありました。 ビールを飲みたいところですが、コーヒーで我慢。 帰宅してからの、執筆作業の妨げになります。 「乾杯!」 小声で祝杯を上げます。 何といったって、ホームコースが整備されたのです。 手賀大橋を2度渡って、8の字を描きます。 総延長は、一周して20km。 「2回走れば40km、5回で100kmだ!」 ま、5回もぐるぐる回ることもないでしょうが、 安全快適なCRが出来たのは、喜ばしいことです。

オトーサン、 ちょっと前から小雨が降りだしました。 「えー、午後2時32分、無事帰宅しました」 走行距離33.47km、平均速度14.6km/h、最高速度35.2km/hでした。


20 我輩、房総風土記の丘へ、その1

オトーサン、 「えー、今日は、霧ですねぇ。  7時40分、スタートします」 「えー、今日は、長袖・長スボンにしましたが、正解でした。  指切り手袋、指先がかじかんでいます。  冬が近づいているんですねぇ」 「えー、8時14分、6.99km、手賀沼の近くにきました」 いつもは空いてるルートなのですが、通勤時間。 何台ものクルマに追い越されて、肝を冷やしました。 この濃霧だというのに、ライトをつけないクルマが大半。 「そんなに飛ばすなよ、すれすれに走るなよ。  危ないなぁ、危険運転だなぁ、事故起こすなよ。  オレをはねたら、慰謝料高くつくぞ、一生かかっても払えないぞ、  あんたの人生、その時点で、お終いだぞ」 体中にそういうオーラを発して走ったせいか、 無事、この難所を乗り切りました、 オトーサン、 危ないなぁと思いながら走ってきたら、 案の上、手賀沼の入り口で事故でした。 ミニバンが変なところに駐車し、 高校生が不機嫌そうな顔で立っています。 ミニバンから降りてきた 人のよさそうなおねえさん、 オトーサンをみて、ばつが悪そうな顔で、 「自転車をひっかけちゃったの。  自転車、ここに置いといていいでしょうね」 「....」 こういう時って、どう対応したらいいのでしょうね。 「救急車呼ぼうか?警察に連絡した?」  でも、目撃者でもないし、 自転車も壊れているようではなかったので、 何も言わずに通過しました。 おばさんには、 「霧の日は、とくに気をつけなくちゃ」 高校生には、 「おい、急に飛び出したのか?ヘルメットくらいかぶれよ」 そう警告すべきだったのかも....。 読者のみなさん、 「オレはダイジョウブ。年寄りの繰言」 そうお思いかもしれませんが、 事故は、いつも不意にやってくるのです。 ほんとうに自転車には用心しましょうね。 連中は、交通規則なんか習っていないのです。 無事生き延びるためには、万事、用心深くしなくては。 「せめてライトつけろよ。  バッテリーがあがることなんかないから」 タクシー会社によっては、常時点灯を義務づけています。 北欧諸国では常時点灯。 真昼間でもライトをつけっ放しです。 日本も、これから冬になれば、北欧なみ。 「常時点灯しよう!」 「注意1秒、事故1生!」 そう強くアドバイスしておきましょう。 オトーサン、 「えー、8時22分 9.39km、手賀大橋にきました」 汗をかいたので、ジャンパーをぬぎ、半袖Tシャツ姿に。 脱いだジャンパーは、腰のまわりにくくりつけました。 「さぁ、これから新しい道路だ」 先日開通したばかりのCRを走りだしました。 「霧がどんどん濃くなっていくなぁ」 やはり沼の周囲は、水蒸気が多いせいでしょうか。

「ははは、見えますか?」 途中、三脚をもったカメラマンをみかけて冷やかしました。 この濃霧では、水鳥の撮影どころではないでしょう。 「危ない!」 ひとのことは言えませんね。 無風なので、気持ちよく走っていたら、急に車止めが現れました。 霧も生き物、濃淡があるのです。 いい道なので、知らぬ間に速度も上っていたようです。 オトーサン、 「えー、8時54分、17.54km、  無事、湖北台駅につきました」 今日の目的地は、安食よりひとつ先の下総松崎。 ここに、房総風土記の丘や房総の村があるのです。 今日は、前回の安食行きと違うルートを試してみました。 先日は、増尾駅から柏へ、乗り換えて我孫子へ、 また乗り換えて、JR成田線へ。 待ち時間も考えると、 自転車で直接JR成田線の駅まで行ったほうが、 早いのではないかと思ったのです。 「改善、改善、また改善」 遊びだからどうでもいいようなものですが、 「トヨタ生産方式」が身についてしまったのかも。 家を出たのが、7時40分ですから、 ここまで、1時間14分。 先日は、家をスタートしたのが、6時05分、 我孫子発が7時05分、8分後に湖北を通過しましたから、 所要時間は1時間08分。 そう自転車でくるのと時間は変わりません。 オトーサン、 「えー、9時40分、下総松崎に着きました。  いい天気ですねぇ。霧なんかまったくありません。  半袖でも、暑いくらいの陽気になりました」 「えっ?へぇー」 驚いたのは、駅の小さいことではなく、 その駅名のユニークな読み方でした。 "shimoza manzaki" 英語表記で、そう書いてあるじゃないですか。 「しもふさ まつざき」ではなく、 「しもうさ まんざき」なのです。


21 我輩、房総風土記の丘へ、その2

オトーサン、 駅を出て、道標に沿って走り出しました。 矢印形の小さな道標に、 「房総風土記の丘」と書いてあるので、 迷うことありません。 「有難いなぁ」 「うん、ここにもある」 途中までは順調でした。 「ありゃ、ないぞ!どっちへ行くんだ?」 右手は、狭いけれども、平坦な道。 左手は、広い坂道になっていて、その先カーブ。 「さぁ、どっちへ行くべきか?」 下総松崎、うららかな農村地帯なのはいいのですが、人影もなし。 道を聞くにも、聞けません。 「坂道をしばらく走ってみるか」 でも、間違っていたら、大損こきます。 「ま、いいか。登ってみるか。  この自転車、坂を気にしないほうだから。  それに、房総風土記の”丘”というからには、坂の上だろう」 かなり長い坂を登っていきました。 すると、「坂田ケ池」なる道標が出現しました。 「おいおい、房総風土記の丘は、いずこ?」 しょうがないので、池へ。 すると、ようやく、お目当ての道標が出ました。 今度は、巨大なもの。 いままでサボっていた分を一挙に取り返す勢いです。 「ここが入り口なのか」 オトーサン、 「こっちへ行ってみよう」 「岩屋古墳」という道標が出ています。 右折して森の中へ。 土の道です。 砂利道でなければ、ロードレーサーはダイジョウブなはず。 「あっ!」 スリップして転倒してしまいました。 道がちょっとぬかるんでいたので嵩をくくったのが失敗でした。 自転車も人間も何ともなかったのは、不幸中の幸い。 被害といえば、ペットボトルがホルダーから外れて、 道に転がって、呑み口に泥がついたことぐらい。 「しょうがねえなぁ」 百メートルほど自転車を押して歩きました。 「ここか。  何か、防空壕みたいだなぁ」 つい戦時中のことを思い出してしまいます。 米軍の爆弾や焼夷弾が雨霰と降り注ぐので、 サイレンが鳴ると、こうした横穴に逃げ込んだものです。 白地の大きな看板には、 「古墳はお墓です、登ってはいけません」 「そうか、登ってはいけないんだ」 どこだったか、場所を忘れましたが、登った記憶があります。 (追記:  お笑いタレントが古墳に上って、  頂上からロケットを打ち上げているTV番組がありました。  これってやばくない?  新聞沙汰にはならなかったようですが...) オトーサン、 この後、本命の101号古墳へ。 「おお、埴輪が並んでいる!思ったよりも小さいなぁ」 案内板には、こう書いてありました。 ・古墳は6世紀中頃のもので、  径21.4m、高さ3.6m、円墳から前方後円墳につくりかえられた。  埴輪は、人形、家形、動物、円筒、朝顔がある。

photo:岩屋古墳(上) 復元古墳「竜角寺古墳群第101号古墳」(中、下) オトーサン、 いくつか疑問があったので、帰宅して調べました。 「埴輪って、何なの?」 ○埴輪  日本の古墳時代に特有の素焼の焼き物。  古墳上に並べ立てられた。  日本各地の古墳に分布している。  円筒埴輪と形象埴輪の2種類に区分される。  古墳時代の衣服・髪型・武具・農具・建築様式などを知る貴重な史料。 ○意義  円筒埴輪は、墳丘を囲い込んでいることからみて、  聖域を区画する役割があった。  家形埴輪は、死者の生前の居館を表したもの。  器財埴輪は、蓋が高貴な身分を表象するもの。  蓋形埴輪も同様。  盾や甲冑などの武具は、悪霊や災いの侵入を防ぐもの。  人物埴輪や動物埴輪は、行列や群像で並べられており、  葬送儀礼を表現したとする説がある。   「なぜ、円墳から前方後円墳に変わったの?」 ○前方後円墳   円墳と方墳(正方形の墳墓)の複合形で、 周囲に堀が巡らされている。 前方後円形の起源は、未だ解明されていない   出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 オトーサン、 この埴輪の写真が気に入ったので、 右クリックして、デスクトップの背景に指定してみました。 「可愛いなぁ」 「なつかしく感じるのは、なぜだろう?」 「なぜ、耳の穴が2つもあるんだろう?」 ひとの言うことを耳を澄ませて聞けというのか、 それとも、いつ災いがやてくるか分からないから、 気をつけろというのでしょうか? 「分らんなぁ」 「オレのお墓も、こういう風にするか。  それとも、いっそ"後方前方墳"にしてみるか」 数万年後の考古学者が、こう書くかもしれません。 「後方前円墳は、わが国に1例あるのみ。  誰を祭ったものか、また、その起源も未だ解明されていない」 なーんちゃって。 オトーサン、 古墳のそばに、白亜の建物を発見! 「ふーん、なんで、ここに学習院があるんだ?」 分からないまま、自転車を押して歩いていくと、 「こりゃ、堂々たる民家だなぁ」 これには、御子神家住宅と書いてあります。

○房総風土記の丘 広大な史跡公園。   龍角寺古墳群113基のうち、78基が連なる。  最大のものは岩屋古墳で、1辺が78メートルの方墳。   重要文化財「旧学習院初等科正堂」(1899建造)や 重要文化財「旧御子神家住宅」(1780年建造)などが移築されている。


22 我輩、房総風土記の丘へ、その3

オトーサン、 「腹、減ったなぁ」 時計をみると、もう10時24分。 どこか昼飯を食べる場所をみつけねばなりません。 先に資料館という標識。 「ふーん、あそこに行けば、喫茶室くらいあるかも」 自転車を停めて、入り口へ。 「入館料300円か」 でも、よく見ると、65歳以上無料とも。 「しめしめ」 ちょっと見た感じでは、土器や模型が展示してある程度。 受付のおばさん、 「そこから先へ進んで下さい。房総の村へ行けますから」 「????」 どうも、房総風土記の丘とは別の施設のようです。 この資料館は、そこへの入場ゲートになっているようです。 「あのー、房総の村に行くと、食べるところある?」 「ありますよ」 「じゃ、入場しよう」 ○資料館   埴輪や須恵器の展示や企画展が開催されている。   住所:千葉県印旛郡栄町竜角寺1026   電話: 0476-95-3333 入館時間: 9:00〜16:30   休館日:月曜日  入場料::300円(65歳以上無料) オトーサン、 「ふーん、昔の村だなぁ」 里山の風景というのでしょう。 丘の下に田畑が広がり、稲が干され、 薪を積んだ小屋がぽつんと立っています。 「おーい、メシ、メシ、メシはどこだ?」 丘へ小径を登っていくと、ようやく広場へ。 「茶屋だ!」 看板には、団子、羊羹、ラムネのお品書きも。 「ちゃんとした昼飯は食わせてくれんのか。 おばさん、お団子ください」 団子2本で、250円でした。 これで、一応、空腹がおさまりました。 「11時か。まだ時間はあるな」 ようやく、「房総の村」を見学する態勢に入りました。 「小学校の遠足かな?」 子供たちが、農家の庭でいくつかのグループに分かれて、 ガイドから何か教わっています。、 「体験授業っていうやつかも」 「最近の子供は、何も知らんからなぁ」 「おお、竹馬がある!」 子供の頃、はじめて乗れるようになったときの あの感激がよみがえってきました。 「子供たちが、体験できるんだ。こりゃ、いいことだ」 にわかに、「房総の村」の評価が高まりました。

「おばさん、これ何?」 「綿よ。あそこの畑に植えてあるわよ。  蜂に気をつけてね」 庭先で、おばさんが、筵に綿を広げて作業しています。 これも、子供たちに実演しているようです。、

オトーサン、 畑へ行って、綿を撮影しました。 「おお、外人カップルだ。  一駅先が成田空港なので、立ち寄る観光客がいるのかも」 その外人男性、やおら近寄ってきます。 "hello" 「ハロー、ほえあ、あー、ゆー、ふろむ?」 "Canada" 「おー」 "is that a ぽーせらん?" たわわに実った柿を指しているように見えました。 ポーセランといえば、陶器。 陶器といえば、柿右衛門。 柿でしょう。 「イエース!」 でも、本当のところ、白状すると、 ポーセランが柿がどうか分かりませんでした。 でも、こういうケースでは、力強く答えるほうがベターなのです。 (後で調べたら、柿は、パーシモン(persimmon)でした) オトーサン、 「まともな食い物ないのか?」 「ここなら、ありそうだ」 「ダメなの?美味しそうなのになぁ」 かに汁や山菜ごはんのいい匂いがしているのに、 体験しなくては、いけないのです。 「自分で、ご飯も炊かなきゃダメなの?」 「ええ、すみませんねぇ」 「残念だなぁ」 無性に美味いものを食べたくなりました。

○県立房総のむら   伝統的な生活様式や技術を来館者が直接体験するとともに、 県内各地から出土した遺物や、武家・商家・農家などの展示を通して 歴史を学ぶ博物館。 オトーサン、 「えー、駅に戻ってきました。  11時55分、23.63kmです」 駅で、自転車を輪行袋にいれていると、 地元のサイクリストのおじさんが話しかけてきました。 「ほー、あんたのは、電車に持ち込めるのかね」 「あなたのも、持ち込めますよ」 「持ち込むと、いくら取られるのかね?」 「無料ですよ」 「へぇ」 彼のホームグラウンドは、この近辺。 印旛沼や利根川サイクリングロード、、 銚子に出て、九十九里浜まで走ったとか。 「すごいですね」 安食まで来たことを話すと、美味しいうなぎ屋を教えてくれました。 「小林がいいよ。あそこは、いつも混んでいる。 だから、電話して、弁当つくってもらっておくといいよ。. .水門のそばの広場があるだろう。あそこで食べるんだ」 「いいですねぇ」 どこから来たかと聞かれたので、 「柏から」というと、手賀沼へ行ったよと自慢気です。 参考までに、手賀沼CRがつい最近完成したと伝えました。 「そうか、今度走りに行こう!」 オトーサン、 「腹減った」 美味なうなぎ屋の話しが出たので、 我孫子まで行って、西周のうなぎを食べることにしました。 でも、このJR成田線、単線なのです。 ときどき下り電車を待機し、時間がどんどん経っていきます。 気持ちが変わってきて、手前の東我孫子で下車しました。 「えー、1時02分、組み立てが終りました」 もう空腹を通り越しています。 「どこでもいいから、食べるところないかなぁ?」 「ないなぁ。なんて辺鄙な駅なんだ」 しょうがないので、手賀沼へ下って、いつもの松屋へ。 「えー、ここまで28.84km、もう1時27分です」 オトーサン、 2時37分に帰宅しました。 「えー、走行距離38.86km、平均車速14.1km、  最高速度、62,6km....変だなぁ。  そんなに出るはずはないのに。  変だなぁ....」


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