光のギリシャへ、いらっしゃい

2010年6月中旬に、ギリシャ旅行。
ギリシャといえば...神話とオリンピック。
最近では、欧州信用不安に揺れています。
でも、この旅行を通じて堪能したのは。
まぶしい光に祝福された永遠のギリシャでした。
断崖の上に白壁の家が密集するサントリーニ島、
エーゲ海に浮かぶ"白い宝石"ミコノス島で、
海の青、家々の白さを満喫しました。
旅の手配をしてくれた娘に感謝しつつ、
旅の日記をまとめ直しました。

いらっしゃい、光のギリシャへ。


目次

1 まず、アテネへ 2 サントリーニ島・フィラへ 3 ロバ タクシー 4 イアへ 5 プール、そして食事 6 ミコノス島へ 7 旧市街へ 8 エーゲ海クルーズ 9 アネテ・パルテノン宮殿


1 まず、アテネへ

6月14日。 5時半起床。 ---いよいよだ。 旅支度の最終チェック。 太くて青いネットワークケーブルを鞄に入れる。 現地でインターネットをしたい。 9時10分、家を出て、バス停へ。 南柏駅-我孫子-成田--京成成田--成田空港第1ターミナル。 車中、AERAの後、新書を読む。 ・松谷浩尚「イスタンブールを愛した人々」中公新書 13時35分、トルコ航空TK51便に搭乗。 イスタンブールまで、11時間20分の飛行だ。 空いていたので、3人席を独り占め。 だが、ほとんど横にならず、機内映画を鑑賞。 1時39分、イスタンブール着。 現地時間では、7時39分。 ヘップバーンにそっくりなステュワーデスに声をかける。 「お元気で」 空港ロビーに出る。 アラビアのロレンスみたいな衣装のひともいる。 カラス天狗のようなおばあさんも。 空港の書店で、洋書を入手。 ・James Patterson "Step on a crack" vision 8時25分、アテネ行きの搭乗ロビーへ。 長女が椅子に寝そべっていた。 「なんで、こんなところにいるんだ?」 「なんでたって...」 「アテネのホテルで待ち合わせじゃないの」 「いやぁ、暑いのなんの...」 長女は、NYからの便が午前中に到着したので 一足早く、グランバザールを下見したらしい。 10時37分、アテネ行きの便が離陸。 11時半、空港に直結しているソフィテルに到着。 娘たちは、747号室。こちらは746号。 「いい部屋だな」 早速、インターネットに接続してみる。 部屋にはネットワークケーブルもある。 ホテルが設定した5桁のピンコードを入力する。 ---おお!やったぁ。 早速、googleのニュ−スを見る。 ・日本、1-0 カメルーンに勝利  前半39分、本田のゴール


2 サントリーニ島・フィラへ

6月15日。 7時起床。 ネットへの接続に成功するが、 なぜかHPのUPができない。 8時半、朝食はビユッフェ。 「ぐっすり寝られたわ」 「いいベッドだったね、一日過ごしたいほど」 「シャワーも最高。天井から降ってくる」 「この朝食も美味しいわ、幸せ」 「このホテル、いくらなの」 「600ユーロ」 「うわっ」 9時半、空港ビルへ。 「あったわ!」 お目当てのRIMOAの新型スーツケースを買う。 「514ユーロ、日本より安いわね」 11時45分、サントリーニ島行きのオリンピック航空にのる。 タラップを5段上がると、もう機内だ。 44人乗りは満席。 すぐにジュースのサービス。 「きれいね」 眼下には、エーゲ海に浮かぶ島が次々と現れる。 飛行時間わずか30分で、サントリーニ島に到着。 空港でタクシーを拾う。 屋根にスーツケースを2ケ、トランクに2ケ ベンツ6気筒は、音もなく海岸を走りぬけ フィラ(fira)の街へ入っていく。 この島では、すべての建物が白い。 そういう規則になっているそうだ。 降ろされたところは、坂の下。 100mほどスーツケースを引き、石畳を登る。 2時、ホテルに到着。 ・Aressana Spa Hotel and Suites 白亜のミュージアムのような造りだ。 従業員は、みなアットホームな雰囲気。 インターネットは、ロビーで使えるらしい。 部屋へ行く途中、プールを撮る。

ブーゲンビリアの花盛り。 部屋は、バスルームも広くないが、清楚。 壁には、LGの液晶TVがかかっている。 W杯のTV中継に見入る。 ・スロバキアvsニュージーランド:1−1 3時半、一休みして外出する。 外は、灼熱地獄だ。 狭い小路に入る。 建物の日陰やシェードの下を海風が吹き抜ける。

店に入るとエアコンが涼しい。 貴金属、衣料品、みやげ物屋が軒を連ねている。 海側には、レストランやカフェが並ぶ。 娘たちの買い物につきあうのに飽きて、 SNACK BAR"Mc.Daniels"に入って、 まず、生ビールを注文する。 次に、地元の名物Portonを選ぶ。 (ケバブやフランドポテトなどを円形の薄いパンで巻いたもの) かじりながら、TVをみる。 ・ポルトガルvsコートジボアール:0―0  6時20分、夕食は、Dionisosで。 有名店だけあって、どれも美味だ タコ、イカのフライ、ムサカ、サラダ、スパゲッティ。 そして、ビールと白ワイン。 「安いわね」 「4人でお腹一杯食べて、54ユーロだもんね」 「また明日来ようかしら」 夕食後は、夕陽を見にいく。 大聖堂の鐘が鳴っている。 少年がアコーデオンを弾いて商売している。 カフェ・ドミンゴに入り、フラッペを飲む。 「最高のスポットね」 「こんな景色ないわよね」 「海、火山島、断崖にぎっしり並ぶレストラン、大聖堂...」 帰り道で、白シャツ屋へ寄る。 女性陣は、購買意欲全開。 コロンボ刑事のようなおじさん、商売上手だ。 9時半、大満足でホテルに戻る。 W杯のTV中継をみながら寝入る。 ・ブラジルvs北朝鮮:2−1


3 ロバ タクシー

6月16日。 6時半起床。 ♪コケコッコー 鶏の鳴き声で目覚める。 ホテルのロビーへ。 ワイヤレスゾーンがあるので、 ネットへの接続も、HPのUPにも成功する。 部屋へ戻って、シャワー。 たくさん撮った写真を整理する。 9時、朝食はビユッフェ。 「美味しいわね」 「何とかいう有名なシェフがいるらしい」 ・Nikos Pouliasis- Koukoumavios 「手が込んでいるわよね」 プラムを丸かじりする。 ホテルのプールサイドに実っていたものかも。 「このゆで卵、美味しいわ」 「朝から鳴いている奴のかもな」 「こホテル、誰かの紹介なの?」 長女ネットでみつけたらしい。 「今日のご予定は?」 「暑くならないうちに、ロバに乗りましょ。  戻ってきたら、シエスタ。   出かけるのは、夜になってから」 10時半、外出する。 「やけに観光客が多いな」 「竹下通リ状態ね」 「ほら、豪華客船が着いたからよ」 沖合いに客船が停泊している。 港まで何隻ものボートがやってきている。 「慌しいね、さっとみて船に戻るなんて」 「こちらは、4泊。ぜいたくだね」 崖の小路を降りていく。 ここも、お店が並んでいる。 「ロバがいるわ、たくさん、いるわ」 100頭以上もいそうだ。 「パパも乗りましょうよ」 「いや、遠慮する。オレは動画でキミたちを撮るから」 「そんなこといわないで」 生まれてはじめて、ロバに乗る。 あぶみに足をかけ、よっこらしょと背にまたがり、 手綱代わりの器具を両手で握る。 先頭は、長女。次女、つれあいの順序だ。 撮影者は最後尾。 馬丁が、4頭を引きつれ、階段を降りはじめる。 恐怖で身体がガチガチになる。 いつ振り落とされるか。 器具を握りしめる。 ロバは、右側の崖に異常接近し、 左側の樹木をこすり過ぎていく。 あるいている観光客の脇をすり抜けていく。 しばらくすると、乗馬のコツを思い出す。 太腿を締め、重心を下にすればいいのだ。 そして、階段を下りるときは、すこし腰を浮かす。 自転車で、障害物を乗り越えるときと同じだ。 眼下の見事な景色をみる余裕が出てきた。 ボートの航跡がみえる。 港の風景も飛びこんでくる。 ロバをよけようと恐怖の女性には、 "No Ploblem"と声をかけてあげる。 (効果はないようだが) およそ15分ほどで、今度は引き返す。 上りのほうが、下りよりも楽だ。 そう気がついて、右手を器具から外し、 ポケットのデジカメを取り出し、 ダイヤルをまわして、動画モードに切り変える。 撮影開始! ・動画参照 ロバがゆれ、カメラも揺れる。 前方の3人を撮るだけでは、物足りないので、 わき見して、海も撮る。 12時05分、元の場所に戻り、料金を払う。 馬丁が、言う。 「下りで5ユーロ、上りで5ユーロ。 4人だから、40ユーロ」 「そんはずはないわよね」 「さっき乗るとき、20ユーロと言ってたわよね」 押し問答の結果、30ユーロで決着する。 念のため、他の馬丁に確かめると、 40ユーロが相場らしい。 12時半、坂の途中のBar Restaurant"Rastoni"で、 フラッペを飲む。 買い物を続ける女性陣と別れて、ホテルへ戻る。 汗だくなので、シャワーを浴び、 ついでに浴槽で溜まったシャツなどを洗濯し、 ベランダで乾かす。 ---やれやれ。 エアコンを入れ、柏庵日乗を書く。 2時半、中庭で昼食。 女性陣が買ってきたPortonを食す。 「じゃ、7時半まで自由行動ね」 部屋に戻り、ベッドに寝そべって W杯のTV中継に見入る。 ・ホンジュラスvsチリ 0−1 途中、ウトウトする。 5時から、優勝候補登場の試合。 ・スペインvsスイス 0−1 大番狂わせだ。 6時、洗濯物が乾いたので、しまう。 7時半、夕食に外出する。 「そうそう、スイスが勝ったんだ」 「へぇ」 レストランの前に、看板が出ていて、 W杯のTV中継時間が書いてある。 8時、"PALEA TAVERNA"で夕食。 イワシのフライ、焼きエビ、スパゲッティ、サラダ、 白ワイン、地場ビール(Mythos) 「このお店もおいしいかったわね」 「エビが高かったけど、60.4ユーロで済んだわ」 8時、大聖堂の鐘が鳴る。 腹こなしに、お店を覗いてあるく。 カフェ・ドミンゴは、もう閉まっていた。 写真を撮って歩く。 この時間になると、夜風が涼しい。 10時半、ホテルに戻る。 W杯のTV中継をみながら寝入る。 ・南アvsウルグァイ:0−3


4 イアへ

6月17日。 6時起床。 ♪コケコッコー 今朝も鶏の鳴き声で目覚める。 ホテルのロビーで、HPのUP。 部屋へ戻って、シャワー。 9時、朝食。 部屋に戻って、写真の整理。 10時すぎから水着を着用し、プールへ。 誰も泳いでいない。 ---気持ちいいな。 泳ぐのは、何年ぶりだろう。 左肩が痛むので、長泳ぎはやめる。 娘たちは、シェードのかかった場所でのんびり。 ---やらなくては。 部屋に戻って、旅日誌を書く。 12時半、チャネルをいじっていて、BBC放送を発見する。 ギリシャ語でないから、少しは分かる。 昨日のサッカーのニュースが多い。 ---遅いなぁ、何してるんだろう。 1時半ロビー集合なのに、 女性陣がなかなか現れない。 ようやくやってきたら、着飾っている。 「何よ、その格好?  折角、高級リゾート地に行くのに」 娘に怒られる。 暑さ対策の半パンに自転車ウエアだ。 2時、イア行きのバスに乗る。 日本のバス停とはちがい、広場に10台ほどのバスが 乱雑に止っているだけ。 どれが、どこ行きかも分からない。 「イーア、イーア」 普段着のおじさんが、怒鳴りはじめる。 代金1.4ユーロを払って、乗り込む。 バスは、満員で、立っている人もいる。 荒涼たる砂漠のような大地だ。 眼下に海がみえ、岩山の中腹を縫うように走る。 ---しまった! 動画を撮っていたら、電池の残量警告ランプが... 写真が撮れないとは。 20分で、イア(oia)に着く。 ここが高級リゾートのイアか? 砂ぼこりに塗れた雑貨屋のようなスーパーマーケットがあるだけ。 長女に教えてもらって、現金引き出し機で 現金100ユーロをおろす。 ---これで足りるかな? 「こっちよ」 次女の案内で、坂を200mほど上る。 「おお、別世界だ!」 純白の家、テラス、階段の下に、海が広がる。 彼方には島影と船が。 だが、灼熱地獄だ。 女性陣の買い物を待っているとイライラする。 一足先に、"Pelikanos"で待つことに。

カフェ/バー/レストランで、360度の眺望が売りだ。 ---イアは、ほんとに岬なんだな。 おの360度を動画で撮りたいが、残量不足。 パノラマ撮影も、危ないのでやめる。 絶景を心に刻むだけにする。 昼食は、クラブサンドとクレープをシェア。 クレープは、チーズとキノコで、大人の味だった。 飲み物は、地元のビール"Mythos"。 占めて、代金は45ユーロ。 「フィラよりも、高目ね」 「そりゃ、そうよ、セレブがくるリゾートだもの」 3時半、装身具を探しているらしい女性陣と別れて、 涼しい土産物屋で時間つぶし。 ---この絵葉書、買おう。 昨日のロバが通った道が写っている。 すごい崖道だ。 次の土産物屋でも時間をつぶし、 表紙にサントリーの風景があるメモパッドを買う。 ---おお、青いドーム屋根の教会がある。 電池残量不足ながら、何とか撮影できた。

「暑い、暑い、暑い」 "Hot Hotter Hottestとつぶやきながら、 石畳の照り返しがきつい小路を歩く。 5時、たまらずレストランに入る。 海に突き出たビザンチンの要塞の前で、 絶景が広がっている。 地元のビール"Mythos"を注文して、日陰席に陣取る。 いい潮風も吹いてくる。 ちょうど、ギリシャとナイジェリア戦がスタートしたところ。 この地では、ナイジェリアをニジェリアと発音する。 店員がみなTVに魅入っている。 この前の試合結果を聞く。 ---韓国は、大負けしたんだ。気の毒に。 ・アルゼンチンvs韓国 4 - 1 その様子をみて、 「お前は、何人か」と聞かれる。 日本人と答えると、ニコッとしてVサイン。 「ミラクル!」というと、笑う。 やはり、勝ってよかった。 国歌斉唱をはじめると、店員たちが歌っている。 5時半、要塞見物にきた女性陣と落ちあい、 さきほどの道を戻る。 急に観光客が増えて、竹下通リになる。 船が着いたらしい。 つれあいに手伝ってもらって、 ディナーに備えて、衣装を調達する。 ・皮のサンダル 15ユーロ 次女に手伝ってもらって、 ・シャツ 35ユーロ まだ買い物を続けるらしい女性陣と別れて、 サッカー中継をしているBarに入る。 フラッペを注文。 6時34分、お客らが大歓声。 GOAL! ・ギリシャvsナイジェリア 2 - 1 7時、お目当てのレストランへ。 海を見下ろす特等席だ。 白いテ−ブルクロス、花瓶に薔薇の花。 セレブ御用立とかで、料理も気取っている。 地元の白ワインを注文する。 イセエビ、カマス、鴨、スパゲッティなど。 日が暮れてきて、キャンドルがともる。 実にロマンティックだ。 お味は、いまいちだったが、 お値段のほうは、最高レベルだった。 ・AMBROSIA 258ユーロ 9時20分発のバスで、フィラへ戻る。 10時、部屋に入る。 汗びしょびしょなので、シャワー。 W杯のTV中継をみながら寝入る。 ・フランスvsメキシコ 0 - 2


5 プール、そして食事

6月18日。 6時起床。 ---今朝は涼しいなぁ。 ホテルのロビーへ 回線速度が遅いものの、順調にHPのUPができた。 9時、朝食。 10時からプールへ。 昨日より多めに泳ぐ。 甲羅干しをしながら、洋書を読む。 娘たちは、シェードで囲まれたベッドで寝ている。 「ここが一番いいわね」 「暑い時間に、街に行くことないわね」 1時間ほどで、部屋に戻る。 旅日誌を書き、BBC放送を見て過ごす。 水泳の後の疲れが心地いい。 昼寝を決めこむ。 2時、女性陣がもどってくる。 お湯をもらって、中庭で、持参したカップ麺を食す。 ・明星 関西風うどん 「たまには、いいわね」 「お醤油味って、落ち着くわよね」 部屋に戻る。 女性陣は、リラクゼーションへ。 3時から、ようやくサッカ−中継がはじまる。 ・ドイツvsセルビア 0 - 1 3時から、次の試合。 ・スロベニアvs米国 2 - 2 6時15分、外出する。 この地では、昼間はシエスタなのだ。 「今日は、ひとが少ないわね」 「ほら、船が出て行くでしょ」 女性陣は、最後の日とあって買い物ムード全開。 つられて、小物などを買い込む。 ・半ズボン 20ユーロ ・鞄 15ユーロ ・首飾り 3ユーロ 迷路のような小路を歩くのは楽しい。 7時半、再び、"Dionisos"へ。 「何といっても、ここが一番ね」 「昨日のAMBROSIAは、高いだけで、美味しくないものね」 ビール、白ワイン、タコ、サラダと同じものを注文。 ムール貝と、スタッフド・マッシュルームにトライ。 「どれも美味しかったわ」 「タコは絶品ね」 「もう一皿、注文しようか」 「ひとり、一皿、注文したら」 「ははは」 9時、教会の鐘が鳴る。 代金は50ユーロ。 「デザートで締めましょうよ」 「そうね」 10時、買い物を終えて、 ホテルのそばの"CAFE CLASSICO"へ。 ギリシャコーヒー、カプチーノ、 レモンケーキ、チョコケーキを注文する。 「ここのケーキは、まあまあね」 「ギリシャのケーキは、食えたもんじゃないもんな」 「なんでででしょうね、あのだら甘さ」 「食事に一切糖分が入っていないから、 身体が甘さを欲するかららしいわよ」 10時半、いつまでも街歩きを続けたいが、 ホテルに戻る。 後半戦から見られた。 ・イングランドvsアルジェリア 0 - 0 つれあいは、遅くまで荷づくり。


6 ミコノス島へ

6月19日。 5時起床。 ---今朝も涼しいね。 ホテルのロビーで、HPをUP。 スーツケースに荷物を仕舞う。 8時、朝食。 「このホテル、最高だったわね」 「ヴィラになっているのがいいわね」 9時からプールへ。 泳いだ後は甲羅干し、洋書を読み進む。 娘たちは、しばらくプールサイドにいたが、 買い物に出かけてしまう。 「まだ、買うのか」 「気になっていたのを買いに行くみたい」 つれあいも、付いて行くことに。 「オレも行くかな」 海を見下ろす"Palia Kameni Bar"で、 フラッペを飲む。 泳いだ後のドリンクは、格別だ。 11時、チェックアウト。 迎えのバスがやってくる。 32人と大荷物を積みこみ、港に向かう。 料金は、1人7.5ユーロ。 バスは、断崖を縫うようにして下りていく。 海と対岸のフィラの町がみえる。 イアの町は、連山の冠雪のようだ。 夢中で、動画を撮影する。 (勘違いして、消去してしまった) 何ともいえないよう青緑色の海だ。 30分ほど待合室で待つ。 やがて、高速船"Flying Cat 4"が接岸する。 389人+62人乗りの大型船だ。 ミコノス島までの料金は41ユーロ。 所要時間2時間半。

甲板に出してもらえないので、 船窓から港や島影や波頭を撮影する。 スナック菓子で、空腹をいやす。 船内TVに、岡田監督の顔が映る。 「どこと戦うんだ?」 「...」 洋書を読んでいて、睡魔に襲われる。 目が覚めると、列車は海岸べりを走っている。 ---いい景色だな。ここはどこだ?   そうか、エーゲ海だった。 2時半、船内TVにまた岡田監督の顔が。 相手は、オランダだった。 2時30分、ミコノス島に到着する。 大勢なので、下船には時間がかかる。 「あいつら遅いな」 ゆったりと最後に出てきたので、 バスは出ていってしまい、 タクシーも出払っている。 灼熱の太陽の下で待っていると、 愚痴が出てくる。 迎えのクルマを頼むべきだった。 45分後、ようやくタクシーがつかまり、 ホテルへ向かう。 ここも急傾斜の細い道だが、ベンツのおじさんは、 F1レーサーのように飛ばす。 山を越えると、眼下に海が見えた。 4時、ホテル"Perican Bay Art Hotel"に着く。 ここもヴィラ形式になっている。 受付嬢に、ネット接続の可否を聞く。 ロビーなら無線接続が可能、 パスワードを書いて渡してくれる。 これで、一安心だ。 部屋のテラスからの眺めを撮る。 青い海がみえる。

部屋に入るなり、TVをつける。 4時20分、試合終了。 ・日本vsオランダ 0 - 1 4時半、ホテルの1階食堂のテラスで、 ウェルカム・ドリンク。 次女から、ミコノス島観光のレクチャーを受ける。 「これから夕食に街へ出ます」 「2つ、候補があります、どちらにいたしましょう」 「どっちでもいい、お腹ぺこぺこ」 「食後は、街を少し散歩します」 「どうせ買い物だろう」 「帰りは、南バス・ステーションで乗車し、  Plati Gialosで降りてください」 「オレ、ホテルカードもらったっけ」 「...」 女性陣は連日の奮闘でお疲れのようだ。 5時、ホテルを出て、バス停まで歩く。 ハイビスカスが咲き乱れる家がある。 鶏が鳴いている。 「あら、ヤギも飼ってる」 砂糖キビ畑の間の路地をぬけると、 砂っぽい車道に出た。 大勢がバスを待っている。 ほとんどは、ビキニスタイルの女性たち。 ビーチからホテルに戻るのだろう。 5時30分、バスがくる。 自販機で切符を買う。 1.4ユーロ、小銭オンリー。 満員のバスは、20分で、ミコノス・タウンに着く。 街路を200mほど下ると、海。 左手には、ミコノス島名物の6つの風車。 長女が見学に向かおうとすると、次女が制止。 「見学は明日、今日はお食事に」 てなことで、一直線にレストランへ。 ・Niko's Taverna とりあえず、"Mythos"で喉をいやす。 ウニ、アンチョビ、イワシの塩焼き、スタッフト・トマト、 それに白ワインを注文する。 「ほら、ペリカンよ」 「島にいると聞いたけど、本当にいるのね」 早速、女性陣は撮影タイム。 こちらは、動画を撮影する。 「おいしかったわね」 「これで、60ユーロは安いわね」 食後は、散歩。 というか、お目当ての店の場所を聞き回る。 人がすれ違えないような小路が続き、 まるで迷路だから、地図では分からない。 路地の片隅に、サンダル屋"Anna's Corner"があった。 皮のサンダル(25ユーロ)を買う。 「もったいないわね、買ったばかりなのに」 「だって、あれは足が痛いんだもの」 親指と人指し指の間が痛むのだ。 1時間後、ついに次女が名物の菓子屋を発見! 間口1間もないお店だった。 頑固おやじは、英語も怪しいが、 腕は確かなのだろう。 リトル・ヴェニスの夕景を楽しむ。

海岸に並んだカフェ、砂浜で遊ぶ子供たち。 フィラやイアに比べると大衆的なリゾート地だった。 帰りは、バスをやめて、タクシーで。 このベンツのおじさんも、F1レーサーのように飛ばす。 先が見えない曲がり角に突っ込んでいく。 20分でホテルに戻る。 代金は、10ユーロ。 「汗びしょり、プールに行ってくる」 誰もいないプールで一泳ぎ。 ---そういえば、かなりビール飲んだっけ。 9時15分、就寝。 つれあいが、ボヤいている。 「狭いダブルベッド、やーね」


7 旧市街へ

6月20日。 5時起床。 ---無事接続できるかな。 15分ほど格闘する。 やがて、原因が判明する。 教えてくれたパスワードがちがっていたのだ。 "Perican Bay"ではなく、pericanbayだった。 つまり、全部、小文字で入力すべきなのだ。 一段落したので、ホテルの部屋を撮る。 8時半、つれあいが起きて、 9時半からの朝食は、ブフェ。 トマトが丸ごと1ケあったのがうれしかった。 食後は、旅日誌を書く。 女性陣は、ビーチへ行ったようだ。 書き終えて、BBC放送をみて、ウトウト。 12時50分、プールへ。 気持ちよく泳いでいたら、 おじさん・おばさんたちが、 ターンする場所で井戸端会議をはじめた。 デッキチェアに陣どって、洋書を読み進む。 3時、女性陣が戻ってきて昼食。 熱湯を注いで、インスタントのちらし寿司。 お味のほうは、うまいとは言えない。 W杯のTV中継をみる。 ・スロバキアvsパラグアイ 0―2 4時20分、バス乗って、ミコノスタウンへ。 まず、風車を見学。 6つあるはずが、1ケ壊れている。

その後は、女性陣の買い物が延々と続く。 ヒマなので、路地の写真を撮ってまわる。 喉が渇いたので、アイスクリーム。 店の前の木陰のベンチで、洋書を読み進む。 ---いい眼の保養だな。 色とりどりの女性たちが通っていく 座りあきて、ぶらぶら。 今度は、W杯のTV中継をしている店へ。 ・イタリアvsニュージーランド 1―1 ---まだかなぁ。 しょうがないので、土産物屋へ。 ペリカンの絵葉書と ミコノスタウンの絵入りブックマーカーを買う。 7時、ようやく女性陣の買い物が終わって、 レストラン"Eva's Garden"へ。 葡萄棚の下で、お食事だ。 チキンサラダ、アンチョビ、焼きエビ、スパゲッティ、 それに白ワインとビール。 「この店は、グリルしたのが美味しいわね」

8時半、海辺へ急ぐ。 夕陽が沈んでいく。 「もう1ケ所、みておきましょう」 名前は分からないが、純白の教会だった。 「こんなところに猫が」 「これ、絵葉書にあったよ」 石垣の割れ目から顔を覗かせている。 9時20分、海辺に面したレストランのテラス席へ。 カプチーノもアイスクリーム・フラッペも美味だった。 次女がいう。 「パパはもう帰りなよ。 あたしたち、これから1時間ほど買い物するから」 「まだ、買うのかよ。店閉まっていないか?」 「12時までやっているのよ」 10時、ホテルにひとりでもどる。 ジャワーの後、W杯のTV中継をみる。 ・ブラジルvsコートジボワール 3―1


8 エーゲ海クルーズ

6月21日。 5時起床。 無事スムースに接続できた。 6時半、ひとりで散歩に出る。 ---海辺に行ってみよう。 ジョギングしている中年夫婦の後を歩いていく。 ---おお、壮観だな。 ビーチをパラソルとデッキチェアが埋めつくしている。 7時すぎ、部屋に戻って、旅支度。 8時、プールサイドで朝食。 「屋外は気持ちいいね」 「ここのプール、きれいだね」 「ハトが水を飲みにきているもんね」 「塩素殺菌でなく、循環式なのかしら」 「そうかもね」 食後、デッキ・チェアでハトの行動を観察していると、 気持ちよくなって、ウトウトする。 娘たちも、デッキ・チェアで日光浴。 つれあいは、一足先に部屋に戻り、荷物の整理。 10時、ホテルをチェックアウト。 迎えのバスで、港まで20分。 待合室で隣り合わせた子供が本を読んでいる。 母親が得意そうに言う。 「ラテン語なの」 その昔、1週間ほど習ったことがある。 大学の授業で、プラトンの「ソクラテスの弁明」を習い、 俄かに関心が湧いたのだ。 動詞の活用で頓挫したが... 10時半、真っ赤な船体のフェリーが到着し、 乗り込むが、ちがう船だった。 11時、アテネ行きのフェリーがくる。 「いい船だね、席も豪華だね」 「ビジネスクラスにしたようよ」 岩だらけの乾いた島に別れをつげる。 人口1万人、夏になると5万人になる観光の島。 欧州の大金持ちたちの投資の対象になっているが、 海賊出身とあって島民らは、媚びることはない。 昔ながらの暮らしのベースを堅固に守っている。 「ミコノス、よかったね」。 アテネまでの3時間半は、快適に過ぎていく。 船窓から海や島影をみる。 飽きると、洋書を読みふける。 喉が渇くと、カフェでカプチーノを飲む。 女性陣は、テーブル席をみつけて、おしゃべり。 「デッキにも出られるのよ」 つれあいに言われて、デッキへ。 ---みんな気持ちよさそうにしているな。 ビキニの女性もいるし、綱なしの犬までいる。 動画を撮影する。 2時半、下船。 横浜港のように大きな港だ。 埠頭には、タクシー乗り場があって、 たくさんのイエローキャブが待っている。 スムースに乗車し、一路市内へ。 運転手はハンサムな青年だが、道不案内だ。 運転中に、地図をみたり、ナビをみたり... やがて、ハイウェーに乗り、市内にはいる。 「どこも大都会は同じだな」 ビル、クルマの渋滞、ひとごみ... 「へぇ、トロリーバスが走っているんだ」 「いろんな街路樹があるのね」 次女がしびれを切らす。 「ここでいいです」 ホテルから100メートルほど離れたところで、降りる。 運ちゃんは出稼ぎで到着早々なのだろう。 3時、ホテルに到着。 初印象は、シテイホテルだった。 受付嬢に早速インターネットで接続について聞く。 90分5ユーロのカードを買えば、部屋でも使えるという。 「あら、いいお部屋ね、清潔そのもの」 「最近、現代風にリフォームしたんだって」 母娘の会話をよそに、早速、接続にトライ。 カードの裏面をコインで削ると、 USER NAMEとPASSWORDが出てくる。 パソコンの電源を入れ、エクスプローラーを起動すると、 "ATHENE GATE HOTEL"のホームページ。 ギリシャ語を英語に変えると、空欄が。 そこに先程のUSER NAMEとPASSWORDを入力する。 「おお、つながった!」 柏市の天気をみる。 「気温29度、曇りだ」 「さぁ、行きましょう、パパはお部屋で待ってる?」 女性陣は、あわただしく、街へ買い物に出かける。 「いや、一緒に行く」 ペネロペ・クルス似の受付嬢にスーパーの場所を教えてもらる。 5時、聞くこと10回、ようやく見つかる。 長女とつれあいが、食生活を豊かにすべく、 買い物に励む。 イワシの缶詰やオリーブオイルをみて、 「荷物が重くなるだけ。 紀伊国屋か明治屋に行けば売ってるだろう」 「高いわ。売ってないかも」 支払い係として、義務を果たす。 代金は、しめて65ユーロだった。 6時、ホテルに戻る。 「やけにレンタカー屋が多い通リだな」 「---」 荷物が重いのか、返事はない。 船酔いの薬を飲んだ後遺症が残っているのだ。 部屋でTVをつける。 ここも、LG製品だ。 W杯の結果は、 ・ポルトガルvs北朝鮮 7−0 いまやっているのは、 ・チリvsスイス 1 −0 6時半、女性陣が衣装変えして、街へ出る。 夕食のはずが、買い物が延々と続く。 「アネテも、いい雰囲気だな」 9時、ようやく夕食。 NHK TVで紹介されたとかいうレストランだ。 大きな樹の下の席は、にぎわっている。 隣りあう庭園には、ステージがあって、 3人の歌手がギリシャの歌を歌っている。 「この店、おいしくないね」 ハウスワイン、ギリシャ・サラダ、チーズスパゲッテイ。 「ようやく最後で盛り返したわね。 あたしの頼んだラムチョップ、美味かった」 「でも、オレの注文した子羊の煮込みも、美味かっただろう」 「まあまあ、喧嘩しないで。子羊料理が美味かったということで、 収めましょうよ」 「ヨーロッパは、牛より子羊のほうが美味なのよ」 「日本じゃ、臭いのにね」 10時、ホテルに戻る。 「ルーフ・ガーデンに行こうよ」 「あなたひとりで行ったら?」 「みんなで行きましょうよ」 さして期待もせず、8Fのルーフ・ガーデンへ。 「うわー」 みんなで競ってパルテノン宮殿の夜景を撮る。

「このホテル、商売下手ね」 「白いテーブルクロスを敷いて、キャンドル点せば、 10ユーロは席料が取れるのに」 「あの裏で、花火をあげれば、100ユーロだ」 などやけに盛りあがる。 涼しい風で、船酔い薬も吹き飛んだようだ。 「ギリシャがいいのは、夜になってからね」 「そうそう」 ようやく全員の気持ちがひとつになる。 10時45分、部屋にもどる。 身体を拭いただけで、ベッドに転がり、 W杯のTV中継をみる。 ・スペインvsホンジュラス 2―0 つれあいは、バスルームへ。 「浴槽がないなんてね」


9 アテネ・パルテノン宮殿

6月22日。 5時起床。 シャワーを浴びる。 6時、ネットに接続する。 スムースにHPがUPできた。 8時、ガーデンレストランで朝食。 パルテノン宮殿側でなく、ゼウス神殿側だ。 「さびしい遺跡ね」 「柱が倒れてバラバラになってるから、構造が分かるわね」 「さて、今日の予定は?」 「9時から11時まで、パルテノン宮殿見学。 12時、ホテルチェックアウト。 荷物を預けて、4時半まで市内見学。 その後、イスタンブールに飛びます」 「そうか、午後いっぱい買い物できるんだ」 「ギリシャは、今日が最後よ」 「随分、のんびりできたわね」 9時、ホテルそばの遊歩道を抜けると、 もうアクロポリスの長い遊歩道がはじまる。 「ほら、あそこ。人がみえるでしょ、豆粒みたいに」 「思ったより高いところにあるな」 灼熱の太陽のなかの上りはきつい。 時々、木陰で休憩する。 上るにつれて、見晴らしがよくなる。 デジカメをパノラマモードにする。 「こりゃ、すごいな」 眼下にすり鉢状の野外劇場がみえる。

いまでも、使っているそうだ。 こういうところで、オペラをみたら最高だろう。 ようやく頂上につく。 歩いていて、何度も滑りそうになる。 何千年ものあいだ観光客が歩いたせいだろうか、 石畳がつるつるになっている。 各国語のガイドたちの声が響く。 ガイドブックには、美しい写真が掲載されている。 だが、大規模な修復工事中で、 きれいな写真を撮るには、かなり工夫がいる。

展望台があるので、そこから市街を撮る。 勧告客が持っているデジカメも一眼レフも、 すべて日本製だというのを確認すると、誇らしい気持ちになる。 観光客は、笑顔で写真を撮っている。 はるばるやってきたことのあかし。 家族の絆を確かめ、愛の形を記録に残す営なみ。 パルテノン宮殿ほど長きにわたって残らないだろうが、 ひとには、命の次くらいに思い出が大事なのだ。 11時、時間通りにホテルに戻る。 見学の後半は、曇ってきて楽だったが、 やはり、シャワーを浴びると、リフレッシュする。 11時50分、ロビーに集合。 娘たちがチェックアウトなど、 旅の手配一式をやってくれるから、 大名旅行のようなものだ。 「さぁ、出かけましょう」 「オレは、昨日の靴屋に寄りたいんだけど」 「じゃ、行きましょう」 夏は暑くて、足が蒸れる。 そこで、イタリアのGEOX社は、 靴の側面に4つもの穴をデザインした靴を開発したのだ。 履いてみる。 次女がアドバイス。 「親指を思いっきり前に突っこんでみて。 かかとに指一本分の余裕があればOKよ」 「OKだ。この靴、軽くていいね」 代金は、89ユーロ。 日本から履いてきた靴は、 お店のひとにプレゼント(?)する。 その後は、女性陣が買い物モード全開に。 アテネ随一の繁華街で長時間過ごす。 「この店、いいわね」 新手のファストファッションのお店のようだ。 こちらは、ヒマをもてあまして、うろうろ。 道端で、アイスコーンを買ったり、 屋台のおじさんから、スモモを買ったりする。 ついに、カフェのテラス席に座る。 フレッペを注文し、洋書を読み進む。 渋滞で排ガスの臭いがひどい。 それでも、さまざまな美人をみていると楽しいし、 向こうにアクロポリスが見えるというのもいい。 3時、ようやく昼食。 探していた店が見あたらないので、カンで決める。 「神父さんも食べてるから、間違いないだろう」 食べることしか楽しみがないからな」 ・メトロポリス 「ピザ、美味しいわ」 「クラブ・サンドの軽い食味!」 「このレストラン、当たりね」 「地元のひとのお気に入りスポットみたいね」 4時10分、ホテルに戻る。 女性陣は、スーツケースに戦利品を収納している。 ホテルのひとが親切にタクシーを呼びとめてくれる。 スーツケース4ケを積むのをいやがるタクシーも多いのだ。 ハイウェーを30分で空港へ。 待ち時間に、洋書を一冊買う。 ミコノス島に住む小説家のミステリーだ。 7時48分、離陸。 機内食を食べ終わると、もう着陸だ。 8時45分、イスタンブ−ル着。


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