癌とも知らずマンハッタン
マンハッタンよ こんにちわ | 行かなくちゃ "GREEN KITCHEN" |
野菜のおじや | 雪が降る 背中が痛い |
ハーレムのアポロシアターへ | 痛みこらえて 映画鑑賞その1 |
タダだった市長公邸見学 | 痛みが消えた大晦日 |
痛みこらえて お正月 | ブロードウェイでミュージカル |
娘のボーイフレンドに ご挨拶 | 痛みこらえて 映画鑑賞その2 |
痛みこらえて 映画鑑賞その3 | ♪ああ 川の流れのように |
12月24日。 6時半、起床。 肩や背中が痛む。 録画映画をみて、映画批評を書く。 10時50分に呼んだタクシ−がくる。 「逆井駅まで」 成田空港までが近くなった。 新鎌ヶ谷発10時50分のアクセス特急に乗り、 12時12分、空港第1ターミナルに到着。 「がらがらだね」 「昨日の休日がピークだったみたいね」 1時、昼食はそば。 ユニクロがあったので、 長女へのおみややげに、超軽量のダウンを買う。 3時05分、DELTA航空l172号便は、無事離陸。 「あら、客席にモニターがないわね」 「古い機材を使ってるな」 スクリーンの前の席へ、ひとり移動する。 映画三昧だ。 見たのは、3本。 ・GOING THE DISTANCE ・CHARLIE St CLOUD ・GET LOW キンドル読書も捗った。 25日、午前3時半、NY JFK空港に無事着陸。 現地時間は、24日午後1時半。 雲ひとつない快晴で、気温4度。 タクシーを拾って、市内へ。 車内から風景を撮る。
3時、娘のアパートに着く。 幸い、一足先に着いていた次女がお出迎え。 部屋へ入るなり、寝る支度。 つれあいは、持参した食料品雑貨を披露している。 やはり肩や背中が痛む。 5時に起きて、ヒゲをそり、この柏庵日乗を書く。 日産の株価をみる。 ・前日比10円安の785円 東証大引け、前日比67円安の1万0279円 今日の一句は、 ・冬晴れの マンハッタンよ こんにちわ 柏庵
12月25日。 4時半、6時と目覚める。 依然として肩や背中が痛むので、 寝ていると辛い。 8時に外出する。 ---NYの街は、2年ぶりだな。 休日朝のUpper Eastは静かだ。 York Ave.からは、 1ブロック先のEast Riverの輝きがみえる。 顔や首筋が冷たい。 目出し帽とネックウォーマーを 肩かけ鞄から取り出す。 防寒対策が万全だ。 ダウンは2枚重ねにし、 ロングショーツを2枚重ね、 フリースのパンツを履き、 冷える足元は長靴下を履いて、ブーツ。 意外だったのは、手袋不要なこと。 ダウンのポケットに突っ込めばすむ。 行き先は、1st Aveの77th St.にある馴染みのダイナー。 途中、いろいろなクリスマス飾りをみながら、 "GREEN KITCHEN"へ。
メニューを抱えた案内嬢に告げて、 お気に入りのガラス窓のある席へ。 ここからは、東西南北の通行者がよくみえる。 犬の散歩やジョギングをする若い女性、 ローラースケートの若者など... 今朝は、NYPDのパトカーが2台停まって、 警官たちが降りてくる。 ---おお、店のなかに入ってくるぞ。 事件かと思ったが、朝食を摂るようだ。 案内嬢とメリークリマスの挨拶交換をしている。 お婆さんがつれあいとやってきて、 案内嬢とハグしている。 その後も、ウェイターが次々と挨拶にやってくる。 "Grandmother"という単語が聞こえたが、 オーナーの祖母なのだろうか? ---でかいなぁ。 やがて注文した"Half Grapefruit"が運ばれてくる。 続いて、スクランブルエッグ、ポテト、ハムの大皿、 よく焼けた薄手のトースト2枚。 客層はいりいろだ。 後ろの方で、"Market"という言葉がする。 Wall Streetに勤めているひとも多いのかも。 9時、娘のアパートに戻る。 まだ、3人とも熟睡している。 キンドルでも読もうかと本体のスイッチを入れる。 画面に妙な警告表示。 ・電池容量が不足しています ---しまった!バッテリーを忘れた。 これでは、滞在中に楽しみしていた Starbacksなどでのキンドル読書ができない。 しょうがないので、娘の本棚をのぞく。 ---これは面白そうだ。 ・米原万里「不実な美女か貞淑な醜女か」徳間書店。 著者は、ロシア語通訳の第1人者。 この本は、通訳の難しさや悲喜劇について 余すところなく語っている。 日ソの領土問題について、 日本の高官が誤解したくだりは、示唆的だ。 それは解決済みの問題だと相手が答えたのに、 著名な通訳が高齢のゆえか、一瞬躊躇し、 えーと言ったので、 日本の高官がこれは脈があると思ったとある。 笑ってしまうエピソードもふんだんに紹介されている。 その1例は、ロシアの長寿学者との質疑応答。 Q:長寿者の食生活はどうなっているのでしょうか A:(ロシア語で)蛋白質、灰分、繊維、ビタミン、ミネラル、 炭水化物は豊富に摂取しますが、動物性脂肪はほとんどとりません。 通訳:長寿者のみなさんはたっぷりと栄養をとっております。 自信たっぷり、透きとおるような美声で通訳したので、 大事な情報がスキップされていることに気づかないで、 会議は終わってしまったとか。 読売文学賞を得た名著。 外国語学習者には、必読の書だろう。 残念ながら、米原万里さんは、2006年に癌で死去。 残された何冊もの著書が、せめてもの救いだ。 米原ワールドを楽しめる。 12時、全員で外出。 「あら、ここ休みね」 「じゃ、パパの好きな店にする?」 てなことで、再度、"GREEN KITCHEN"へ。 満員だったが、2度目と知った案内嬢が、 1st Aveに面した席を用意してくれた。 ワッフル(ソーセージ付き)を注文、 長女は、ワッフル(ヨーグルト、フルーツ付き)を注文する。 つれあいと次女は、クロワッサンとサラダをシェア。 ---うわっ、でかいでかいなぁ。 ・SANTA FE BBQ RANCH SALADA 青野菜のうえに、ベーコン、アボカド、トマト、 チーズ、チキンが載っている。 チップを入れて、しめて45ドル。 全員トイレをすませて、店を出る。 ---バスがこないなぁ。 1時半、タクシーで、5番街へ。 薄着の次女は冷えたらしい。 「トイレへ行きたい」 ティファニーの隣にあるトランプタワーのB1Fへ。 トイレ待ちの女性客で長蛇の列だ。 五番街は、昔と変わらず大賑わいだった。 「この高島屋がつぶれたのよ」 「Forever21か」 「ここにユニクロが出るのよ」 「ほう、いい場所だね」
その後、定番の観光コースを回る。 次女は最近買った1眼レフで撮影に余念がない。 ・Rockefeller Center(もみの木とスケートリンク) ・St.Patricks Cathedral(クリスマスのミサ) ・Bryant Park(売店群とスケートリンク) ・Macy's(この百貨店のショウウインドが名物) ---こりゃ、撮っておかなくては。 大道芸人が自由の女神に扮していた。
買い物も済ませる。 幸い、キンドルのバッテリーも買えた。 次女は、RDで化粧品を買う。 このドラッグストアには、ビデオの自販機があった。 借りることもでき、返却もできる。 いずれ日本でも普及するかも。
「この辺、日本人村ができているのよ」 New York Public Libraryのそばに新しくできた スーパー"Berkeley College"には、日本の食品が揃っていた。 つれあいと長女の会話。 「鏡餅もあるわ、魚沼産のコシヒカリもある!」 「てんぷらそばも食べられるのよ」 「これじゃ、苦労して日本から持ってこなくてもよかったのに」 「でも、高いからね」 長女は、家賃が高いから節約ムードだ。 「クイーンズに引越そうかしら」
4時、タクシーを拾って、アッパーウエストへ。 直前割り込みに怒った運転手との会話。 "In JAPAN,we say this AHO" "aho?" "AHO" "AHO" "DO AHO.DO means..." "Very Crazy" "Yes!" このドミニカ人の運転手はなかなか頭がいい。 5時15分帰宅。 夕食は、クリスマス風に。 長女がボーイフレンドからもらったスパークリング・ワインを開け、 "Fairway"で買ってきたチキンやサラダ、パンで。 食後、ホームページをUP。 就寝前にキンドルを充電する。 今日の一句は、 ・お上りさん 多いねと言う お上りさん 柏庵
12月26日。 5時半、起床。 ---変だな、まだ起きないな。 女性陣は、ウッドベリー・コモンズに行く予定だ。 マンハッタンからクルマで1時間ほど郊外にある 有名なアウトレットだ。 「今日は雪になるそうだからやめといたら?」 「今日行かなきゃ、いつ行けるのよ」 この柏庵日乗を書き、 「不実な美女か貞淑な醜女か」を読みすすむ。 一向に起きてこない。 8時半、先にアパートを出る。 ---今日は、違う店で食べよう。 ・GRACIE'S CAFE 2年前には、ここにもよく来た。 今日は、おばさんがいなくて、 若いメキシコ人が切り盛りしている。 お値段は安いが、味は"GREEN KITCHEN"のほうがいい。 スキランブルエッグも、ポテトも、パンも、コーヒーも、 いまいちだが、ハッシュドビーフは久しぶり。 隣に失業中かと思われる知的な男性が座る。 フリーペーパーを読み、コーヒーしか注文しない。 ケータイで何やら話している。 会計を済ますと慌てて店を飛び出していった。 赤信号のYork Ave,を斜めに横断して、 一目散に駆けていき、バスに飛び乗った。 仕事がみつかったのかな? リーマン・ショック前の証券マンたちは、 バスになど乗らず、もっぱらタクシーだった。 ---ハトに餌やってるな。 通りの向こうに老婆がよたよたやってくる。 紙包みからパン屑をぶちまけて、 足早に立ち去っていく。 マンハッタンでは、餌やりは違法行為なのだろう。 9時15分、10ドル払って店を出る。 老婆の後ろにあった看板を撮る。 マンハッタンの駐車料金は高い。 1時間600円くらいだ。
86丁目に向かって歩いていく。 再開発ビルがニョキニョキ立っている。 そんなアパートの上層階のベランダに、 きれいなクリスマスの飾りつけがあった。 無機物のなかの有機物。 教会よりも、信仰を感じさせる。
9時半、86丁目へ。 "BARNS & NOBLE"の大きな店舗が閉鎖されている。 ここでの洋書探しは、NY滞在の楽しみだった。 だが、キンドルをはじめとする電子書籍の波で、 経営不振に陥っている。 丸善や紀伊国屋の将来を暗示しているかのようだ。 なじみの映画館へ。 ---10時半からか。 1時間ほど、どこかで時間をつぶさなくては。 通りの向かいの電気店へ。 娘も利用しているらしい。 ・Richard & son's キンドルをいくらで売っているか探す。 わずかに片隅に置いてあったのは、SONYのREADER。 タッチパネル式が、半値の149ドル。 やはり売れないようだ。 ---どこかいい店ないかな? 落ち着いてキンドルを読める店を探す。 もともと場末だから、ロクな店がない。 88th Street Lexington Aveまで捜索範囲を広げる。 ---おお、これはいい! 木材がふんだんに使われている。 アッパーウエストにあってもおかしくない オシャレな店だ。 店名も、新たな公共を感じさせる。 ・Bakery & Communal Table まだ空腹を感じていないが、 カフェオレとクロワッサンを注文し、キンドル読書。
10時半、映画館へ。 アニメ映画"YOGI BEAR"を見ることに。 料金は、シニアで13.5ドル。 ---3Dで儲けてようとしてるな。 12時、映画終了。 外は、雪だった。
12時、帰宅。 4時まで熟睡する。 5時、入浴し、薬を貼り代える。 6時、夕食をつくる。 白いご飯、とり、野菜のおじや。 見てきた映画の映画批評をまとめる。 9時半、女性陣が帰宅。 大きな買い物袋、ブーツの雪が部屋に入ってくる。 外は、大雪で嵐だったとか。 11時半、就床。 今日の一句は、 ・長旅の 疲れを癒す おじやかな 柏庵
12月27日。 5時起床。 柏庵日乗を書く。 7時半アパートを出る。 ---おお、すごい雪だな。 雪は止んで、青空もみえる。 歩道は、積雪で通行不能だ。 車道は除雪車が出て、歩きやすい。 クルマも少ないから、歩道のようなもの。 高級マンションの前では、小型の除雪機が活躍している。
8時、お目当てのレストランにたどりつく。 ・GRACY MEWS RESTAURANT デニーズのような造りだ。
窓際の席に座って、外を観察する。 自転車は車輪が半分雪に埋もれている。 みんな雪で気分が高揚しているのか、 笑顔を浮かべて、通過していく。 渋い顔をしているのは、老婆と身障者と小型犬。 ---さて、何を食べようかなぁ? "GREEN KITCHEN"と同じようなものを注文してみる。
お味は、まあまあだった。 お値段は、6.25ドルと1ドルほど安い。 キンドル読書をしようかと思ったが、 背中が痛むし、 ブーツから入った雪で靴下が濡れているので、 早々に退去することにする。 9時帰宅。 雪道を歩いたので、汗ばんだ。 「不実な美女か貞淑な醜女か」を読みすすむ。 10時半、女性陣が起きてくる。 おじやができるまで、パンとコーヒーの朝食。 コーヒーをいただく。 「ヨーグルト食べる?」 「ああ、どんな味が知りたいね」 銘柄によってちがうのかもしれないが、 チーズのように濃い味だった。 2時半、「不実な美女か貞淑な醜女か」を読了。 窓から強い日差しが差し込んでくる。 遅い昼食は、おじや。 次の本に取り掛かる。 ・米原万里「魔女の1ダース」新潮文庫 3時半から昼寝。 4時半、目覚めると、外はもう薄暗い。 映画批評を書く。 ---筋肉痛が治るかも。 また夕食まで寝る。 今日の一句は、 ・夜昼が 逆さになった 惰眠かな 柏庵
12月28日。 6時半起床。 映画批評を書きたいが、 つれあいが寝ている部屋にあるので、 ネットに接続できない。 ---そうだ、キンドルという手がある。 Wi-Fiがついているから、googleも見られる。 "Get Low"と入力すると、IMDBが出てくる。 原題、監督名、キャストなどをメモする。 いつもは、コピーペーストしているのだが、 それは目下出来ない。 あらすじ、User Reviewなどは、 キンドル画面をみながら、翻訳していけばいい。 映画批評の半分くらいは、 キンドルがあれば書けることが判明した。 7時半アパートを出る。 昨日よりクルマが増えている。 昨日と同じ店へ行き、同じメニューを注文する。 昨日とちがうのは、4人席を独り占めして、 キンドル読書をしたこと。 8時半、店を出る。 ---スタバはどこにあったっけな。 昨日よりは、除雪が進んで、歩きやすくなった。 なじみのスタバがみつからないので、 イースト・リバーへ向かう。 川沿いにジョギングルートを歩くつもりだったが、 接続ルートが工事で遮断されている。 9時半帰宅。 汗ばんだので、入浴する。 つれあいが起きていたので、ネットに接続し、 映画批評のデータをコピーペーストする。 11時、つれあいから声がかかる。 「そろそろ行きましょう」 「ほう、もうそんな時間になったか」 次女、つれあいと3人で、 アパートの前のバス停へ向かう。 「あれは一日仕事ね」 クルマが雪に埋もれている。 それを何とか動かせるようにと、 おばさんがシャベル片手に奮闘している。 ときどきボンネットに腰かけて、 ため息をついている。 「プロに頼めばいいのにねぇ」 「この大雪じゃ、プロも出払っているんだろうよ」
バスはセントラルパークを横切り、 アッパーウエストへ出る。 地下鉄に乗り換えて、125stで下車。 「間に合わないかも」 「あれだ、アポロシアター」 長女が、見学ツアーを予約してくれた。
「ドアが開かない!」 おばさんが現れて、 もうはじまっているから急げと言われる。 「料金16ドル、どこで払うんだろう?」 怪訝に思いながら客席へ。 壇上にガイド。 客席には、先生に引率されて30人ほどの高校生たち。 ガイドが言う。 「黒人文化の聖地へようこそ」 最近も誰々が来たと有名人の名前を列挙する。 聞きとれたのは、ミシェル・オバマくらい。 「このステージに上れる絶好の機会だから、 誰か志願して、芸をみせてくれないかい?」 うながされて、7組ほどがステージで芸を披露する。 歌、踊り、語り... 何だか忘年会の余興のようだ。
20分ほどでステージを後にして、楽屋を見て回る。 ---ここで、あのスターが身震いしていたのか。 このトイレに、マイケル・ジャクソンが入ったのか。 1時、ツアーが終わって裏口から外へ。 「料金16ドル、払う場所なかったわね」 「儲けたかも」 ぞろぞろと道路の向かいのレストランへ向かう。 「ここ、ちがうんじゃない?」 お目当ては、長女おすすめの店。 足元の悪いなかを探し回る。 「あった! ここよ」 ・Sylvia's Queen of Soul Food 店内は、ほぼ黒人客で埋まっている。 「食欲、湧かないなぁ」 左隣りのテーブルには、小山のような鶏のから揚げ。 次女が、注文する。 若い頃のオバマさんのようなウエイターが首を振る。 「もう1品くらい注文してくれなきゃ」 「じゃ、サラダ」 「それとアイスティー」 お目当ては、名物おばあちゃんの名を冠した料理だ。 「80歳になるのに、元気で働いているんだってさ」 ・Sylvia's World Famous Rib Steak 16.95%
リブを1本ずつ。 つけあわせのパン、大盛りのサラダで、 もうお腹いっぱいになる。 左隣りの席の黒人家族4人が、大量に食べ残した料理を 持ちかえっていく。 右隣りの黒人カップルが気になる。 女性は、ミシェル・オバマ風。 男性は、某喜劇俳優風。 向かいあって、お互いの手を握って、 食事の前にお祈りの言葉をつぶやいている。 ---いいなぁ。 昔の日本では、それが普通だった。 お百姓さんに感謝しなさい。 祖母に厳しくしつけられたものだ。 1時半、店を出る。 「美味しかったわね」 「ちゃんとしたお店だったわね」 後味を楽しみながら、ハーレムを散策する。 "Nat king Cole"の名を冠した通りがある。 「今昔の感があるわね」 「昔は、110丁目のスーパーに遠征するだけで、 冷や汗ものだったもの」 黒人大統領オバマさんの登場で、 黒人は白人を優しく扱うようになった気がする。 3時前、地下鉄でアッパーウエストヘ出る。 ブロードウェイの72th Streetへ。 ここに、3ケ月前に開店したスーパーがある。 ・TRADER JOE'S
店のなかへ。 フロアも壁もすべて木製だ。 通路も広いし、従業員も愛想がいい。 次女が叫ぶ。 「うわぁ。いいお店ね」 さっきまでは、 「見るだけよ、買うのは"Fairway"よ、いいわね」 そう言っていたが、 オーガニックでありながら、値段も安いのに感動したらしい。 オレンジ・ジュース、ミルク、チーズ、サーモン、 それに野菜・果物をせっせとカートに入れていく。 レジ台も木製だ。 レジの店員も愛想がいい。 日本から視察団が来ているにちがいない。
5時、バスに乗る。 セントラルパークを横切るルートだ。 いつもは30分なのに、1時間もかかる。 車内で人間観察。 斜め向かいのおばあさんは、グレガ・ガルボ風だ。 銀幕のシーンが次々と思い浮かぶ。 帰宅すると、背中や肩の痛みと疲れでぐったり。 ベッドに倒れて、そのままグッスリ。 9時過ぎ、長女が仕事から帰ってきて、夕食。 就寝11時。 今日の一句は、 ・ハーレムや 昔の地獄 天国に 柏庵
12月30日。 6時起床。 筋肉痛が悪化しているようだ。 背中が痛くてよく眠れなかった。 8時過ぎ、長女と一緒にアパートを出る。 つれあいも、早起きして同行する。 昨日と同じ店へ案内し、 同じ席でつれあいと食事する。 昨日のハムが塩辛かったので、ベーコンに変える。 つれあいは、フレンチトースとソーセージ。 案の上、もてあましている。 「NYは、電話代が安いのかね」 隣席のおばあさん、食事をしながら、 電話をかけまくっている。 40分後、立ち上がって、黄色いスーツを着て、 襟元にエルメスのスカーフをし、 黒い毛皮のコートを羽織る。 杖をつきながら、店を出ていく。 「年とっても、働いているのね」 9時帰宅。 治療入浴し、つれあいに背中に薬を塗ってもらう。 映画批評に専念する。 12時、つれあいと次女が外出する。 トイレに行き、排便。 息むと、背中に鋭い痛み。 1時に、ようやく作業が終わって、外出する。 歩いていると、今度は、脇の下の筋肉が痛む。 ---オレの身体、いったいどうなっているんだろうな? どうなっているのかといえば、NYのゴミの処理。 こんなにゴミが残っている場所がある。 ゴミの山というべきか、万里の長城というべきか。 巨大な消費文明の象徴だ。
1時半、昼食を摂る。 3rd Ave.86th Streetの交差点にある、 間口一間ほどのピザ屋だ。 ---でかいなぁ。 半分食べ残し、持ち帰ることにする。 Yankee Beansなる野菜スープは全部飲み干す。
---さっき買っておいてよかったな。 映画館の前に行列ができている。
2時から映画"TRUE GRID"を見る。 コーエン兄弟のスタイリッシュな西部劇だ。 4時10分、映画館の外へ。 路面が濡れている。 雨が降っていたのだろうか? だが、青空の夕景が広がっている。 街角で、小さなパトカーをみかけたので、 写真を撮る。 "INTERCEPTION"とは、どういう任務なのだろうか?
4時半治療入浴し、背中に薬を貼る。 6時まで背中をさけて横たわる。 HPをUPする。 7時、ひとりで夕食。 昼の残り物とバナナ、ミルク。 キンドル読書をしているうちに眠くなる。 10時に起きて、柏庵日乗を書く。 11時、女性陣が帰宅。 「どうだった?NYフィル」 「よかったわよ、ラベルとか」 長女に聞いて、疑問が氷解する。 "INTERCEPTION"は、交通整理のことだった。 今日の一句は、 ・痛まない 体位求めて 反転す 柏庵
12月29日。 6時起床。 7時、早出の長女と一緒にアパートを出る。 昨日と同じ店へ行き、同じ席でキンドル読書。 昨日とちがうのは、ソーセージをハムに変えたこと。 ただし、塩辛いので、食べ残した。 ---今日こそ、あのスタバに行こう。 2nd Ave,81st.長女が教えてくれた通りだ。 1Fは、前と同じ。 ラテ・ショート(1.74$)をもって、2階へ。 階段の途中に立て札があり、 午後9時以降は、進入禁止とある。 2階は、模様変えしていた。 古びたソファがなくなって、簡素な木の椅子に変わっている。 長時間、居座るなということなのだろう。 幸い、電源テーブルは健在だ。 先客は、3人。 PCをやっている中年男性。 黒人青年。 新聞を広げている中年の肥ったおばはんの後ろに座る。 白い髪を後ろで無造作に束ねている。 立ち上がったときに、間違いに気づく。 男性だった。 しばらくキンドル読書をする。 9時半帰宅。 途中、ドラッグストアに寄って、筋肉痛の薬を探す。 ・BENGAY pain relief+ massage 容器の先がイボイボになっているのだ。 入浴後、この薬を塗る。 ---アメリカの薬だから、少しは薬効アラタカかも。 溺れるものは藁をもつかむというではないか。 次女に言われる。 「あんた、少しパソコンやめたら?」 確かに、PC作業は目もつかれるし、肩も凝る。 ♪わかっちゃいるけどやめられない 11時まで柏庵日乗を書き続ける。 次女がいう。 「今日は早めにでましょう」 昨日の苦い経験に懲りたのだろうが、 目的地へは、30分ほどで着いてしまった。 ・Gracie Mansion East End Avenue at 88th Street
1時から入場できる。 その間、KARL SCHURZ公園を散歩。 子供たちがそり遊びをしている。 イーストリバー沿いの遊歩道は、ほぼ除雪され、 ジョギングしているひともいる。
ユリカモメの飛翔やハトたちの日向ぼっこをみていると、 つれあいが叫ぶ。 「あら、リスがいる、リスよ」 「どこどこ?」 「枝のところ」 枝というが、枝だらけだ。 幹を覆う青々と茂る葉っぱのなかに息をひそめている。 1時、門が開いて行列が動き出す。 「厳重だな」 空港にあるような手荷物検査の機械がある。 黒人の係りが、バッグのなかを改める。 「お金いつ払うのかしら? 入場料(3人で21ドル)用意したのに」 パスポートの提示も必要なかった。 「変だね。昨日も払わずにすんだ」 「まぁ、いいじゃない」 見学者は20人ほど、女子高生らもいる。 品のいい中年女性にガイドされて、 ホール、応接間、食堂、寝室、談話室、図書室などをみて回る。 床、暖炉、壁紙、家具、絵画、シャンデリアなど、 いづれも美術館のように洗練されている。 勿論、このマンションの歴史も説明される。 ・1646年、オランダ人農夫が西印度会社から、当地を買い取る。 ・1977年、独立戦争時、G.ワシントンが要塞として使用。 ・1878年、貿易商Archbald Gracieが2F建ての木造別荘を建てる。 ・1896年、NY市が買い取り、公園に。 倉庫、トイレやアイスクリーム売り場として使用。 ・1923-32年、NY市の美術館に。 ・1942年、La Guadia市長の公邸に。 以後9代の市長が住む。 ・2002年、現市長 M.R.Bloombergが一般公開へ。 「ははは、この狭い部屋が寝室か」 昔、こんな話を聞いたことがある。 1994-2001年、市長だったR.W.Giulianiの愛人問題が発覚。 奥方は、2Fを占領、彼は1Fに蟄居したとか。 2時、ツアーが終わる。 「ここ穴場ね」 「変な美術館よりいいね」 88th Streetを西へ向かう。 York Ave→First Ave→ Second Ave→ Third Ave→Lexington Ave 途中、見事な教会を発見。 住民に聞いたら、"TRINITY CHURCH"と言っていた。 パリに迷いこんだような気になる。
2時半、一昨日みつけた店に到着。 ・Bakery & Communal Table 「混んでるなぁ」 「いいお店ね」 「確か、パリにこの店あったわ」 ここも、床・壁、テーブルがすべて木づくりだ。 流行に敏感な若いひとが集まっている。 「何を食べる?」 「そうねぇ」 娘はワッフルとラテ、 つれあいは、ブリオッシュとカプチーノ。 わが輩は、変わった名前のもの。 ・Lorraine with Ham,Swiss and Leek 11.95ドル 食べて分かったが、キッシュのサラダだった。 そのほかに、ベルギービールを注文。
3時、店を出る。 つれあいと娘は、アッパーウエストにブーツを買いに。 こちらは、背中も痛むので帰ることに。 「あれ?」 店の隣りに、立派な自転車屋さんがある。 ・metro bicycle store 黄色いジャージが目についたが、防水仕様。 もうひとつは、婦人物。 何か黄色いものはないかと探す。 黄色いボトルがあるが、ケージつきだ。, 「まぁ、いいか」 先日、Tyrell用に寺田商会でつけてもらったばかりだが、 重量が60gと軽いのがいい。 ・Kids Sideswipe cage 10.88ドル 4時帰宅。 背中や肩の痛みと疲れでぐったり。 ベッドに倒れて、そのままグッスリ。 6時、長女が仕事から帰ってくる。 つれあいと次女は、7時頃帰宅。 頑張って映画批評を書く。 円高で下った日産の株価はみない。 就寝10時。 今日の一句は、 ・旅先で 痛みいや増す 筋肉痛 柏庵
12月31日。 7時起床。 背中の筋肉痛をふせぐために、 うつ伏せで、2時間ほど寝た。 映画批評を書く。 8時、長女と一緒にアパートを出る。 こちらでは、大晦日も仕事日だ。 昨日と同じ店へ行き、同じ席に座り、 同じメニューでキンドル読書。 若いウエイターに、ミルクと言うが通じない。 コーヒーに注ぐ仕草をしたら、分かって 「ムルク」と言う。 ---Milkは、ミルクだろうが。 そう思ったが、「ムルク」と反復したら、 喜んでいた。 食後、天気がいいし、脇の下の痛みもないので、 気をよくして、イーストリバー沿いを散歩。 先日のGracie Mansionまで足を伸ばす。
---もう少し先まで歩いてみようか。 ここは、自転車も走れる。 標識の文字にいたく感銘した。 "Respect Others" ほかのひとのことも考えて
9時40分、First Ave.96th Streetに出る。 歩道の除雪車に遭遇する。
---そうだ、ここだっけ。 この前、NYに来たとき、ワインを買った店だ。 ZAGARTの評判が高い。
「20ドルのカリフォルニアワインが欲しい」 そういうと、店員が愛想よく探してくれる。 「これだね。だけど、このほうがもっといいね」 ・STAG'S LEAP WINE CELLARS Sauvignon Blanc 2007 Napa Valley しばらく歩いていくと、脇の下の痛みが再発。 ---呑み薬でも買おう。 86th Streetのドラッグストアに入る。 若い薬剤師が無礼なので、カウンターを叩く。 ようやく薬のありかまで案内してくれる。 10時50分帰宅し、治療入浴。 11時半、つれあいと次女が外出。 12時45分、昼食。 ぶどうパン、ゆで卵、ムルク、オレンジジュース。 大量の水で、錠剤2ケを呑みこむ。 ・arthritis pain relief acetaminophen 筋肉痛、背中や腰の痛み、頭痛・歯痛などに効く ---おお、奇跡が起きた! 3時頃、やや痛みが薄らぎ、4時半、ほぼ完治。 5時前に、2人が戻ってくる。 気をよくして映画批評を書く。 キンドル読書をしていたら眠くなる。 目が覚めたのは、何と9時。 爆睡したようだ。 痛みのない世界へようこそ。 9時半、年越しそば。 錠剤2ケを呑みこむ。 「紅白は明日みようね」 2人は、不思議大発見(モナコとグレースケリー)をみている。 就寝11時。 女性陣は、セントラルパークの打ち上げ花火を見に行った。 冷えるとよくないらしいので、参加せず。 今日の一句は、 ・痛み消え 世界の痛み 思いやる 柏庵
1月1日。 5時半起床。 錠剤を呑む。 8時間経過すると薬効が失せるのか、 背中が痛い。 昨夜12時過ぎに雷鳴が聞こえた。 その後、黄色い歓声が聞こえたので、 セントラルパークの打ち上げ花火だと気づく。 残念ながら娘のアパートからは見えない。 周辺の高層ビルからは見えたのだろう。 キンドル読書のあと、 8時、アパートを出る。 昨日と同じ店へ行き、同じ席に座り、 同じメニューを注文。 請求書をみると、値段が違う。 昨日は、5.15ドルなのに、7.25ドル。 文句を言ったら、平日は特別料金なのだといわれる。 ---ま、いいか。 今朝のNYは、天気がよく、寒くない。 散歩には、最高。 81th Streetを3rd Ave.まで歩く。 途中、ゴミのリサイクルの表示を撮る。 イラストになっていて、分かりやすい。
チエックしたお店は、"Beyoglu"。 ZAGATやミシュランガイドに載っていたのだ。 トルコ料理の店で、焼いたタコのメニューの存在を確認。 この前、ギリシャで食べた味が忘れられない。 開店は正午のようだ。 3rd Ave.をUP TOWNへとお店をチェックしながら歩く。 出合った若者から挨拶される。 "A Happy New Year!" ---そうか、今日は元旦なんだ。 年をとると、時間の観念がぼやけてくる。 正月が何だ。 人為的なものじゃないか。 ---ま、いいか。 宗教や行事を信じているひとに ケチをつけることもあるまい。 79th Streetに、新しいベイカリーを発見。 クロワッサンとシナモン・スティックを買う。 イートイン・コーナーもある。 ---いつか食べにこよう。 ・CORRADO BREAD & PASTRY
9時40分、2nd Ave.75th Streetに、スタバを発見。 ---トイレ休憩しよう。 NYは、いろいろなひとがいて、面白い。 カウボーイハットを被ったひょろ長いおじさんがいる。 "TOY STORY"の主人公を思い出してしまう。 キンドル読書をしていると、 隣席に女子学生が戻ってくる。 英語で日本人であることを確かめあう。 アート(彫刻・ビデオ)の勉強中とか。 気があって、長時間、話し込む。 帰り際に素敵なイラストのある名刺をもらう。 11時帰宅し、治療入浴。 女性陣はまだ寝ている。 痛みを抱えながらキンドル読書を続ける。 1時、ようやく錠剤を飲む時間がやってくる。 1時半、昼食に外出する。 ---痛いなぁ。 3時までは痛みが続くのだ。 休日なので、どのレストランも混んでいる。 ---何か買って家で食べよう。 Lexington Ave、88th Streetまで足を伸ばす。 ---ここのブリオッシュ、 つれあいが気に入っていたっけ。 ・Bakery & Communal Table ---スープも欲しいな。 3rd Ave.86th Streetのピザ屋で、 先日と同じ野菜スープをテイクアイトする。 ---2nd Aveを歩いてみよう。 昔ながらの寂れた通リだが、新発見! ハンガリー人のお店があった。 美味しそうなお菓子を買ってみる。
3時帰宅し、治療入浴。 風邪気味の長女は、まだ寝ている。 つれあいと次女はどこかへ行っているようだ。 パン、野菜スープ、オレンジ・ジュースで遅い昼食。 薬の副作用か、食欲がない。 4時、2人が戻ってくる。 「あら、あなたも、あそこへ行ったの?」 ブリオッシュが2つになった。 長女も起きてきて女性陣は遅い昼食。 痛みが消えないので、キンドル読書で紛らす。 ---寝よう。 寝れば痛みが意識から去る。 6時半、起きる。 痛みをこらえながら、この柏庵日乗を書く。 咳をすると、背中に痛みが走る。 この錠剤も効き目は一時的のようだ。 9時、錠剤を飲む。 その後、この日3度目の治療入浴。 HPをUP。 Trader Joe'sで買っきたステーキが出た。 娘2人は、ワインを1本空にした。 就寝、11時。 今日の一句は、 ・後悔は 先に立たずか 医者嫌い 柏庵
1月2日。 5時半に錠剤を呑む。 7時起床。 昨日よりは背中の痛みが軽い。 左の掌を痛む肩に当てて暖めたのが よかったようだ。 3度治療入浴したのも、 その後、肩やを背中を乾布摩擦したのも よかったのかも。 8時、アパートを出る。 傘のいらない程度の小雨が降っている。 ---おお、雪が減ったな。
3rd Ave.79th Streetの新しいベイカリーに向かう。 残念ながらまだ開いていなかった。 ---どこで食べようかなぁ? 8時35分、Lexington Ave.77th Streetへ。 地下鉄駅のそばに店が開いていた。 ・PICK A BAGEL 通勤客がカウンターに並んでいる。 店の奥のテーブルを確保して、 クロワッサン(ハム、チーズ入り)を注文する。 熱々で味もよかったが、汗びっしょりになる。 湿気が多いうえに、気温も高いせいだろう。
---どこかで身体を拭かなくては。 2nd Ave.81th Streetのスタバへ向かう。 トイレで、汗を拭う。 2Fで、しばらくキンドル読書するが、 汗が次々と噴き出してくる。 ---こりゃ堪らん。家へ帰ろう。 途中、1st Ave.79th Streetのグルメスーパー "Agata & Valentineに寄って、 チキンとミネストローネ・スープを買う。 10時帰宅し、治療入浴。 思いついて、肌着の上から右肩にホカロンを貼る。 ---効くなぁ。 信じられないほど痛みが和らいでいく。 12時まで、キンドル読書に専念。 1時、昼食。 ブリオッシュ、チキン・スープ、 食後に、お菓子とデカフェ。 1時半、錠剤を飲む。 2時、4人揃って、外出。 昼頃、陽が射していたのに、また小雨だ。 Lexington Ave.77th Streetで、地下鉄に乗り、 長女の指示で、乗り換え、すぐ降りる。 「ここ来たことある」 「タイムズ・スクエアよ」 「大晦日のカウントダウン、寒かったなぁ」 「そこのホテルに泊まったでしょう」 「もう何年も前になるなぁ」
相変わらずの雑踏だ。 「カウントダウンの名残りよ」 紙吹雪があちこちに散乱している。 3時、インペリアル・シアターへ。 これから、ブロードウェイ・ミュージカル、 "BILLY ELIOT"を見るのだ。
評判がよくて、いい席が取れなかった。 トイレ待ちの女性たちをすりぬけて階段を昇る。 ようやく席へ着く。 劇場の後ろから2番目、天井桟敷だ。 それでも、料金は、41,5ドル。 目の前に大男が座っていて しかも、頭をしょっちゅう動かす。 "RESPECT OTHERS"と言ってやろうかと思うが我慢する。 舞台の幕があく。 「案外よく見えるね」 「そうね、こんなに急な階段の席なんてはじめて」 予習してきた映画「リトルダンサー」とはかなり違う。 閉鎖される炭鉱夫たちの悲劇が前面に押し出されている。 主人公ビリーの友達も大活躍して笑いを誘う。 かといって、ツボを外してはいない。 You Tubeでみた白鳥の湖のシーンは、 やはり生でみると迫力がある。 6時前、スタンディング・オベイションで終了。 当然、主役のビリーには割れるような拍手喝さい。 炭鉱夫の父親が、バレエの衣装をまとって登場し、 終了の挨拶をして、場内が大笑いする。 「サービス精神旺盛ね」 「だからまた見たくなるのよね」 ビリー役は、4人が交代で演じるが、 今回は、PETER MAZUROWSKIだった。 「あの坊や、ブロードウェイ・デビューですって」 「バレエ、上手だったわね」 「タップダンスやアクロバットもやれるんだものなぁ」 6時10分、女性陣と別れて、帰路へ。 長女に教えてもらった通り、 Cラインに乗り、81 Stで下車。 もう目の前がセントラルパークで、 クロスタウンのバス乗り場がある。 すぐにバスが来る。 York Aveのひとつ手前で降りて、歩く。 イルミネーションがきれいだ。 ---小腹が減ったな。 York Ave 81Streetのスタバへ。 ラテ・ショートとクルミのパウンドケーキを注文する。 混んでいてようやく窓際のカウンター席へ。 女性がパソコンをやっている。 ---あれ、この店も電源があるんだ。 娘のアパートから近いから、実に便利だ。 7時、階段を昇って、娘の部屋へ。 いつもの通リ、鍵穴に鍵を差し込む。 左へまわせば、ドアが開く。 ---変だな。 格闘すること15分、汗だくになる。 女性陣は、スパイス・マーケットとダラー・ショップに寄ると言っていた。 少なくとも、9時にならないと戻ってこないだろう。 ---弱ったなぁ。薬も切れるし... 階段を降り、外へ。 ジャケットを脱いで、寒風で身体を乾かす。 続いて、近くのドラッグストアで身体を暖める。 薬売場でホカロンを探す。 ---おお、これいいじゃん。 ・heat Therapy patch ホカロンとはちがい、直接肌に貼っていいのだ。 タオルも買って、スタバに舞戻る。 すぐトイレに行き、身体を拭き、乾布摩擦し、 痛みの激しい場所に、パッチを貼る。 スモール・ラテを注文し、何とか席をみつける。 こんなに混んでいるのに、 席を荷物置き場にしている若い女性がいる。 不機嫌なので、また"RESPECT OTHERS"と言ってやりたくなる。 我慢して、キンドル読書。 ・Bryan Gruly "Starvation Lake" 終わりに近づいて、面白くなってきた。 8時40分、娘の部屋へ。 ドアを叩くと、長女の声。 「ちょっと待って」 誰かが着替えているのか。 治療入浴し、薬を飲み、パッチを貼り直す。 「ご飯、食べる?」 「いや、やめとく」 薬のおかげで、お腹が弱っている。 スモークサーモンとワインは魅力的だが、 ここは、我慢我慢。 10時就寝。 今日の一句は、 ・アップアプで、ホームページは upせず 柏庵
1月3日。 5時起床。 錠剤を呑む。 7時、アパートを出る。 快晴だが、風があって寒い。 食後、イーストリバー沿いを散歩。 でっかい犬に出会う。
West End、86th Streetで、街に出る。 薄着したので、また脇の下が痛みはじめる。 York Ave 81th Streetのスタバへ。 スモール・ラテを飲み、一息つく。 若い女性が、特大サイズのラテを注文していた。 9時半帰宅し、治療入浴。 ホームページの更新をする。 11時15分、4人でスタート。 11時50分、23 Streetで下車。 長女に教わって、"FLAT IRON"なる平たい建物を撮る。 みんなが撮っているから名所なのだろう。
「ここ新しく出来たのよ」 "EATALY"なるイタリア食材街へ入る。 パスタ、チーズ、パン、肉、野菜、魚など... ものすごい混みようだ。
長女のボーイフレンドを紹介される。 「オレより大きいなぁ」 コーヒーを飲みながら50分待って、食事。 4種のチーズピザが、猛烈にうまかった。 2時半、みんなと別れて、ユニオン・スクエアに向かう。 途中、変な格好のアコ−デオン弾きに出会う。
ユニオン・スクエアへ。 農家が野菜や花をもってきている。 女性がバイオリンを弾いている。 ---チゴイネルワイゼンかな? 写真を売っている。 自転車のある風景があったので、買う。 地下鉄に乗る。 ---Astor PL、変だな。 Bleeckerで下車し、UP TOWNに乗り換える。 3時半、2nd Ave, 77th Streetの"Le Pain Quotidien"へ。 見たような顔のウエイターがいるので、聞く。 「12月29日、Lexington Ave、88th Streetの店にいなかったか?」 「ああ、ここがボクのホームタウンなんだ」 同席したおばさんから、話しかけられる。 「そのウエア、いいね」 「ユニクロを知っているか?その最新モデルだよ」 「暖かい?」 「さぁ」 4時、帰宅。 脇の下が猛烈に痛む。 やはり薄着は、いかん。 治療入浴して、寝る。 6時半、女性陣が帰ってくる。 7時半、夕食は、カキ、まぐろの刺身など。 今日の一句は、 ・でっかいな 痛いなぁと 街歩く 柏庵
1月4日。 6時半起床。 遅れたが錠剤を呑む。 キンドルで新しい本を読みはじめる。 ・Jeffery Deaver "The Broken Window" 8時、つれあいとアパートを出る。 彼女の希望の店へ。 昨日、行ったばかりだ。 ・Le Pain Quotidien 「客層がいいわね」 「高いからね」 クロワッサン、ブリオッシュ、コーヒー、 それに、サラダ(ハムやフルーツ)で、24ドル。
機嫌がよくなって、黒人に話しかける。 "Parlez vous Francais?" "Oui,Monsieur" 聞けば、コートジボワールから来たとか。 先日の"EATALY"の黒人ウエイターは、ハイチから。 いずれも、旧フランス植民地だ。 戻る途中、スーパー"DAGOSTINO"に寄る。 ここの客層は、低所得者のようだ。 10時に帰宅。 11時、外出する。 いつもの映画館に向かう途中、小さな映画館をみつける。 ---"BLACK SWAN"がみられるんだ。
映画館に到着し、チケットを買う。 ---まだ時間があるな、ここで食べておくか。 ・BURGER KING ここの客層は、さらに低所得者だ。 11時45分から映画"King's Speech"を見る。 1時50分、映画終了。 出たところの黒人の物売りから鞄を買う。 キプリングの偽物だ。 20ドルを14ドルで買った。 帰路、耐えられぬほどの痛みに襲われる。 ピリピリと焼きつくような痛みだ。 薬を1時に飲まなければならなかった。 途中、コーヒーを買う。 娘のアパートまで待てず、 近所のダイナーに飛びこんで、出された水で錠剤を飲む。 お礼にフルーツサラダを注文し、 キンドル読書をする。 この店の客層は、年寄りだ。 3時帰宅し、治療入浴。 効果テキメンで、痛みが薄らぐ。 キンドル読書を続行し、読了する。 1時間ほど寝る。 5時に起きて、映画批評を書く。 6時半、長女が戻ってきて、心配してくれる。 「パパの痛みは神経痛だと思うよ」 「そうかもなぁ」 医者にかからないと薬は出してくれないそうだ。 新薬が日本でも許可されて入手可能とか。 さらに、当面の処置として、 薬局で"Heating Pad"を買ってきてくれる。 背中全体を覆えるほどのサイズだ。 電気で均一に暖めるらしい。 コントローラーで、温度を調節できる。 カバーの布を濡らせば、MOISTモードになる。 8時に夕食。 帰国日が近づいたので、残り物整理。 サーモンがメインだ。 今日の一句は、 ・旅に病み 夢は枯野を かけめぐる 芭蕉
1月5日。 6時起床し、錠剤を呑む。 長女の買ってきてくれた"Heating Pad"おかげで、 痛みがかなり薄らいでいる。 だが、映画批評を書いていると、 痛みがぶりかえす。 8時、つれあいとアパートを出る。 行き先は、"GREEN KITCHEN"。 最初に行った店だが、最後はここで締めよう。 記念に窓から交差点の風景を撮る。
10時帰宅し、治療入浴。 HPの更新作業。 12時、娘たちが外出する。 セントラルパークのリンクで、スケートをするとか。 ---元気だな、羨ましいな。 つれあいは、荷物整理。 キンドル読書をし、昼寝。 1時40分、つれあいと外出。 2nd Ave 84th Streetのハンガリーの店へ。 つれあいは、菓子パン2ケ。 こちらは、ビーフ・スープと名物のcabbage strudel。 ---何なんだ、この味は。 魚の内臓と煮込んだきゃべつをパイ生地で包んだもの。 コーラをはじめて飲んだときも、 何なんだ、この味はと思った。 慣れると、無性に恋しくなる味なのだろう。 2時50分、つれあいと別れて、 1st Ave 、84th Streetの映画館へ。 "BLACK SWAN"を見る。 ---痛いな、痛い。 また痛みがぶりかえすなか、帰宅、 すぐ治療入浴する。 6時、HPをUP。 夕食は、ギリシャ料理。 長女がわざわざ買いに行ってくれた。 「出前をしてくれないよね」 ・Beyoglu 3rd Ave 81th Street 焼いた海老は絶品だった。 煮タコはとろけるように柔らかかった。 昨年のギリシャで食べた味を思い出す。 食後は、ケーキ。 いよいよ、明朝、帰途につく。 ほぼ2週間の滞在だった。 我ながら、何もしなかった。 痛い痛いといいながら、近所をほっつき歩いただけ。 今日の一句は、 ・蛸足の 段階に入りぬ わが人生 柏庵
1月6,7日。 全員6時に起床。 長女の部屋の片付け。 8時、長女に見送られて、TAXIに乗る。 イーストリバー沿いを走る。 ♪ああ 川の流れのように ゆるやかに いくつも 時代は過ぎて ああ 川の流れのように とめどなく 空が黄昏に 染まるだけ 美空ひばりの絶唱で知られているが、 この歌詞は、秋元康さんがニューヨーク滞在中に、 イーストリバーを眺めて作ったものらしい。 JFK空港ターミナル3で、降りる。 次女は、別便だから、ターミナル7へ向かう。 出発まで時間がイヤというほどある。 痛みが激化して、歩くのもままならない。 12時45分発。 幸い、素敵な女性と隣り合わせたので、 会話がはずみ、痛みを忘れることができた。 機内映画は、「ソルト」1本。 4時、予定より1時間早く、成田着。 重いスーツケースは、宅配便へ。 京成アクセス特急では、韓国人の若者2人とおしゃべり。 滞在4日、日本ははじめて。 持っているハングルの地図では、 新宿、秋葉原、お台場、六本木、上野の拡大図がある。 「新宿より、渋谷のほうがいいよ」 「池袋?どうかなぁ?」 6時帰宅。 浴槽にたっぷりお湯を沸かし、治療入浴。 家中が冷え切っているので、再度治療入浴。 夕食は、カップ麺とおむすび。 今日の一句は、 ・健康で なければ出来ぬ 医者通い 河野政子