2010年の秋になって... 札幌の従妹から法事の通知。 叔母の7回忌と従弟の1回忌。 叔父は、道庁の役人で、 陳情の季節には、わが家にやってきました。 千歳の保健所長時代の武勇談を聞かされたもの。 千歳基地は、敗戦後、米軍基地になったのです。 荒んだ基地の街では、違法行為が横行し、 叔父はGメンのように摘発に狂奔していたとか。 愉快な思い出も。 東京にくるたびに風邪を引くのです。 「東京は寒いなぁ」 豪快なひとでしたが、晩年は大酒飲みに。 以下は、胸の内です。 「お金がかかるなぁ。 でも、行ってあげなくては... 母の通夜にも来てくれたんだから」 では、早速、旅日記へ。
札幌時計台目次:
1 札幌:大通り公園イルミネーション |
2 札幌:法事/浅倉卓弥 |
3 小樽:運河/政寿司/啄木歌碑 |
4 札幌:北海道庁/植物園 |
11月27日。 晴れ。 6時起床。 録画映画をみる。 8時10分、タクシーがくる。 柏駅西口へ向かう。 何でこんな混むルートを走るんだ。 娘を送るルートなら20分で行けるのに。 40分、ようやく空港バスに間に合う。 車中、洋書を読み進む。 ---ああ、トイレにいきたいなぁ。 2時間後、羽田空港着。 いつものように首都高が渋滞していた。 チェックイン、保安検査後、 搭乗ゲートまでカートを引いて走る。 ぎりぎりで、11時の便に間に合う。 12時26分、無事着陸。 空港バスに飛び乗って、札幌市内に向かう。 何年ぶりだろう。 1973年5月以来かも。 石油危機でクルマの販売が激減し、 販促イベントで、やってきたのだ。 ジェリー藤尾さんがヒコーキ嫌いなので、 列車ではるばる。 旭川では、ヒデとロザンナと合流した。 車窓の風景を眺める。 全国チェーンのお店が増えた。 札幌ドームもできた。 豊平川もなつかしい。 亡き叔父に、案内されたっけ。 2時20分、ホテル・ニューオータニに着く。 朝日新聞ビルにある。
部屋は12階、眺めはよくない。 3時、従妹に教わった店へ。 ホテルのそばにある時計台を見てから、 お目当ての店へ。 ・町のおすし家四季花まる。 ランチが1200円、美味だった。 「北地蔵?」 「入ってみる?] 薄暗い。 京都の長屋みたいに奥行がある。 「松本のまるも、みたいね」 「コーヒーの香りが染みこんでいる」 ・ミルクコーヒー 580円。 4時、ホテルへ戻る。 ベッドに寝転がったら、もうダメ。 そのまま熟睡。 目が覚めたら、朝青龍が2敗したシーン。 そのままNHKをみていたら、 ローカルニュースで、旭山動物園。 大通り公園のイルミネーションの点灯式。 「今日からだってさ」 「知ってたわ」 小雨が降っていたが、ホテルの傘を借りて、 大通り公園へ。
「きれいね」 「ああ」 こちらは、デジイチの操作に忙しい。 夜景・イルミネーションモードに切り替える。 テレビ塔だけは、縦画面で。 つれあいを撮るには、フラッシュだが、 使い方がわからない。 テントの下へ。 若いひとが、ビールにソーセージ。 実に旨そうだ。 「これでも飲むか」 ・ドイツホットワイン500円を飲む。 つれあいは、おみやげ探し。 味はともかく身体が暖まる。 8時半、ホテルに戻る。 ロビーの有料PCで、日産の株価をみる。 9時半、洋書を読んでいるうちに、寝つく。 今日の一句は、 ・散尽し 銀杏の空に ある安堵 野田ゆたか
11月28日。 雪。 5時起床。 つれあいが寝ているので、外出。 小雪がぱらついている。 掃除のおじさんに聞いた店へ。 インターネットカフェだ。 初めて入るのは、すこし勇気がいる。 ---犯人が潜伏してないだろうね。 受付で、料金体系を聞く。 基本料金200円、延長30分毎に150円。 インターネット使い放題、マンガ・雑誌・新聞完備、 フリードリンク、そして足湯! 学生4人がやってきて、足湯につかり、 TVをみて、騒いでいる。 1時間半ほど、POMERAで、拍庵日乗を書く。 料金は、900円。 2時間パック700円を利用すべきだった。 7時、部屋に戻るが、まだ寝ている。 ロビー階のチャイニーズカフェで 新聞を読みながら、待つ。 朝食ビュッフェはお預けだ。 8時20分、つれあいがやってくる。 「ご免なさい、すっかり寝坊して」 このレストランには、見事な絵が飾ってある。 ベルナール・ビュッフェの大壁画「北海道の鳥たち」だ。 丹頂鶴が5羽、中央の2羽が羽をひろげている。
写真は、別サイズの絵。 10時すぎ、散歩。 時計台横の花畑牧場カフェをのぞく。 越後の和菓子店・瑞花へ。 味七咲を買う。 黒海苔、昆布、海老、黒胡麻、青のり、ザラメ、しそ砂糖で、105円! 11時、ホテルに戻って、喪服に着替える。 タクシーを拾って、札幌後楽園ホテルへ。 正面に、冠雪した大倉山。 11時半から、法事。 ホテルでの法事ははじめてだ。 備え付けの祭壇まである。 匂いのないお線香が開発されたので、 可能になったとか。 30分後から、隣室で会食。 かにとあわびのスープが美味だった。 「変ねぇ」 東京からくるはずの従妹2人がこない。 機内で、怪我したらしい。 解散後、ようやく到着。 2階席かららせん階段を下りるとき、 転落して足首を捻挫し、 病院で長時間待たされたらしい。 悪いことに、ケータイで連絡したのに、 手違いがあったらしい。 ともかく再会を喜びあう。 4時半、雪の舞うなかホテルに戻る。 大相撲をみながらうとうと。 7時、買い物と夕食に外出。 丸井今井の付近で、お菓子のMORIMOTOを発見。 ジュンク堂書店で、文庫本を買う。 ・浅倉卓弥「四日間の奇跡」宝島文庫 法事の席で会った親戚の息子さんとか。 第1回ミステリー大賞を受賞し、 佐々部清監督、吉岡秀隆、石田ゆり子主演で、 2005年6月4日に公開されたとか。 「お腹に優しいのがいいわね」 「じゃ、この粥屋にするか」 エステ店の直営店とかで、 メニューには、美人粥がついている。 われわれが食べたのは、 ・ねばー元気美人粥 980円 おくら、じゅんさい、なめこ、納豆、長芋、めかぶが入っている。 10時、洋書を読みながら寝つく。 ・法要を 終えし安堵や 居待月 須美
11月29日。 曇り。 6時半起床。 7時、時計台前のcafedorへ。 開店1番客だ。 pomeraで、50分ほど柏庵日乗を書く。 窓からは時計台がみえる。
8時、ロビーでつれあいが待っていた。 モーニング・ビュッフェ。 男爵芋にバターを塗り、そのうえに塩辛。 ミルク、そして、みそ汁。 やはり暖かいのが落ち着く。 9時半にホテルを出て、駅まで歩く。 駅構内を散歩。 売店で、シレトコドーナツと養老牛放牧牛乳を買う。 10時14分発のエアポート小樽に乗る。 ---30分で小樽に着くんだ。 車窓の風景がいい。 はじめは、車窓左手に大倉山の山並み。 15分後には、右手に、大海原。 それも波打ち際を走る。 11時20分、小樽駅前の三角市場。 海産物店が軒を並べている。 カニが動いている。 時鮭は美味しそうだ。 知らない魚の干物もある。 荷物になるから、買うなら帰りだ。 だだっ広い大通りを海に向かって歩く。 かって栄えていた商都を忍ばせる洋館が並ぶ。 洋館・運河プラザへ。 観光案内所と物産店が入っている。 旧小樽倉庫だったとか。 地図をもらって、運河に向かう。
---写真の夜景と趣が違うなぁ。 工事中だし、建物も汚れている。 長さも1kmもないのでは。 中国人の観光客が群れている。 人力車がある。 ---寿司屋通り、どこにあるんだ? 駅のほうへ、坂をのぼったところにあった。 12時45分、お目当てのおたる政寿司本店へ。 特上大とろ入り十貫にぎりを注文。 ---うめえ。 カウンターの若い職人さん、見事な腕前だ。 話がはずむ。 香月くんは、九州からきて5年、 東京には行ったことがないという。 事業仕訳けには批的判だった、 「四日間の奇跡」は読んだことないとか。 読みたいですとメモをしている。 「あの味なら安いわね、2800円でも」 「まあな」 つれあいは、自腹を切っていない。 店の横のだらだら坂を登っていく。 つれあいは、歩きたがらない。 急な長い階段を登り切ると、水天宮だ。 誰もいない。 小樽港を見晴らす高台。 風が冷たく、汗が急速に引いていく。 一角に、石川啄木の歌碑があった。
ニシン御殿が建つほどバブルだった小樽、 当時のひとびとの気性は、荒々しかったのだろう。 急階段を下って、堺町本通りへ。 有名なお菓子屋が並んでいる。 六花亭、LeTAO、北菓楼... まず、LeTAOルショコラ店へ。 チョコを試食させてくれる。 次は、LeTAOチーズケーキラボへ。 ここのドゥーブル・フロマージュは絶品だった。 最後は、美しい洋館のLeTAO本店。 スーパーのレジ並みの行列だった。 話題の"雪やこんこ"を買う。 ---うまいけど... 道端で食べたほたての串焼きのほうが美味だった。 このほか、寄ったのは、 利尻屋みのや本店、ヤン衆北の漁場と北一硝子アウトレットなど。 メルヘン交差点広場に出る。 歩き疲れたわ。 ---小樽駅よりも、歩かなくてすみそうだ。 南小樽駅へは、急坂を上って徒歩10分。 2時44分発の区間快速に乗り、35分後には、もう札幌駅。 3時45分、ホテルに戻る。 また大相撲をみながらウトウト。 6時40分、また大通り公園へ。 イルミネーションを撮り直す。 昨日は雨だったから、いまいちいい写真が撮れなかった。 ミュンヘン・クリスマス市の人混みに加わる。
「ここで夕食にするか」 「そうね、いいわよ」 ・カボチャのスープ ・野菜とハムのスープ ・エゾ鹿のソーセージ ・アップルパンケーキ 「コーヒーでも飲みに行こうか」 「いいわよ」 丸井今井のそばのCAFE CROISSANTへ。 パイとラテを注文し、新聞を読む。 「いつもと変わらないわね」 「いいじゃん」 8時、ホテルに戻る。 シャワーを浴びて、内藤vs亀田戦をみる。 内藤が完敗するとは。 今日の一句は、 ・かなしきは 小樽の町よ 歌ふこと なき人人の 声の荒さよ 石川啄木
11月30日。 曇り。 6時半起床。 7時、今朝もcafedorへ。 ちょうど、時計台の鐘が鳴った。 pomeraで、柏庵日乗を書く。 8時からモーニング・ビュッフェ。 9時半、タクシー乗り場。 「北大ポプラ並木へ」 「台風で倒れて、立ち入り禁止だよ」
「えっ! じゃ、植物園」 「歩いていけるよ」 てなことで、まず北海道庁を目指す。 赤レンガの建物がいい。 1888年竣工で、重要文化財になっている。
「あら、鴨がいる!」 前庭に大きな池があり、一周する。 餌をくれるかと思って、大勢がついてくる。
次は、植物園へ。 「えっ、閉館?月曜日だからか」 「冬季閉館だってさ」 「温室へ行こう、やっているみたいだ」 110円払って、入館。 「ありゃ...、見えない」 急に暖かいところに入ったので、レンズが曇ったのだ。 バナナやサボテンなどを撮影して回る。
11時半、道庁前の最新しい高層ビルへ。 日本生命札幌ビルは地上23階建。 1FのGODIVAへ。 カフェで、ラテを飲む。 「ホテルへ帰ろうか」 12時、ホテル隣のラーメン屋"久楽"へ。 12時40分、札幌駅。 12時55分、エアポート千歳に乗る。 36分で、千歳空港駅へ。 バスよりだいぶ早い。 空港では、買い物三昧。 ・MORIMOTOのハスカップ ・LeTAOのドゥーブル・フロマージュ、 ・王子サーモン 5時間以内に冷蔵庫へ入れる必要がある。 つれあいがケータイをチェック。 「いまどこ?空港で会いましょうって」 ANAに乗る従妹たちからだ。 こちらはJALなので、カウンター前で出会う。 彼女たちは、昨日、旭山動物園に行ったとか。 3時40分発。 5時34分、羽田空港発の京急に乗る。 えんえん乗って、新鎌ヶ谷で乗り換え。 8時前に帰宅。 「バスより早く着いたわね」 近所のレストランで夕食し、 シャワーを浴び、荷物の整理。 11時、娘と顔を合わす。 「おたる政寿司に行ったよ」 「あたしの言ったとおり、美味しかったでしょう」 今日の一句は、 ・寒月の 音無き音を 聞く家路 野田ゆたか