友よ、ソウルへ
2010年。 3月11日、茨城空港オープン。 3月15日、ソウルへ行った。 定期便は、アシアナ航空のソウル便のみ。 アシアナ(asiana)は、ラテン語。 国境を超えてアジアの人々の翼でありたいという意味だとか。 一樹の陰 一河の流れも 他生の縁 見知らぬ者同士が同じ木陰で雨宿りするのも、 同じ川の水を飲み合うのも、すべて前世からの因縁。 そう、隣県・茨城、隣国・韓国のひとも、みんなアジア人。 ソウルメイトなのだ。
目次
1 いざ、茨城空港へ |
2 茨城空港を見学する |
3 アセアナ航空に乗る |
4 仁川空港からソウルへ |
5 梨泰院でカルビ |
6 明洞でお粥 |
7 鍾路で映画:義兄弟 |
8 清渓川プロジェクト |
9 国立中央博物館を見学する |
10 63ビルへ |
11 漢江でサイクリング |
12 麻浦大橋を渡る |
13 明洞で参鶏湯 |
14 帰国の日 |
そんななか、定期便の機影がみえてきた。
どよめきが起きる。
到着しても、見物客は減らない。
1時間後の出発を見届けようというのだ。
12時10分、IFに降りて、
手荷物検査、そして出国検査をすませる。
開港初日には、検査機械の故障で、
乗り遅れそうになって走ったひともいたらしい。
搭乗ロビーへ。
---へえ、免税品売り場もあるんだ。
12時40分、搭乗開始。
空港ビルを出て、航空機まで歩く。
蛇腹のボーディングボードから乗るのではなく、
タラップを昇って機内に入る。
展望デッキからみんなが見送っている。
そんななかを歩いていくと、プチVIP気分になる。
ガイドさんとおしゃべり。
---お子さんはいるの?
---独身?
---主人がいます。
---韓国では兵役があるんでしょう。
---2年ね。
---交際中、寂しくなかった?
---兵役が終わってから交際したから。
つれあいに依頼された化粧品を見せる。
---これ、どこで売ってるかな。
---では、免税品店に寄りましょう。
ミニバンは、ソウル市内に入る。
見覚えのある風景がひらけてくる。
---ここで降りてください。
光化門のそばにある東和免税店だった。
売り場に直行し、わずか5分で店を出る。
5時10分、ホテルに到着する。
・梨泰院クラウンホテル
7時20分、タクシーに乗る。
---時間が貴重だからな。
バスを待つのはやめる。
この運転手さん、日本語も英語もダメ。
ガイドさんにもらった明洞の地図を示すが、クビを振っている。
考えてみれば、タクシーに乗って渋谷へというようなもの。
駅前とか、東急百貨店とか、詳しく言わなけばならない。
---ロイヤルホテル!
思いついて、言ってみると、通じた。
タクシーは、広い道を走り、やがてトンネルに入る。
昔、ソウルに来たときも、何度も、ここを通過したものだ。
南山の頂上には、N ソウル・タワーがあるが、
まだ行ったことはない。
7時30分、ロイヤルホテル。
タクシー代は、4,200ウォンだった。
円に換算すると、わずか336円!
目の前に、お粥専門店がある。
---コンジハウスか、入ってみるか。
ガイドさんに教わった店を探すのは面倒だ。
洋風カフェ風で、24席。
日本人客ばかりだ。
海鮮おかゆ(8,000ウォン)を注文する。
まあまあの味だった。
外へ出る。
厚手のコートを羽織らずに出てきたが、そう寒くない。
手袋をしていないひとも、半分くらいいる。
---渋谷のセンター街みたいだな。
ガイドさんに教わったお粥専門店を探す。
---ここか。味加本は。
こっちで食えばよかったな。
先に書いてしまうが、
このお店には、昼食時に戻った。
繁盛していて、しばらく待たされた。
なかなか美味だった。
マイ・ミシュランでは、☆☆☆。
・しいたけとかきのお粥 10,000ウォン
---さて、どこへ行こうか?
8時8分、スタバに入る。
ここで地図をみて、行き先を検討することに。
ラテ(Tall 4,100ウォン)を注文する。
座って、洋書を読んでいると、
次々とOLたちがやってくる。
---美人ぞろいだな。
30分ほどいて、店を出る。
清渓川がきれいになったとあるので、行ってみることに。
しばらく歩くと、銅像がある。
この辺で、自決したらしい。
ナ・ソクチュ(1892-1926)
日本の植民地時代の過激派活動家だった。
「わが2000万民族の生存権を取り戻し、
自由と幸福を千秋万代にわたって享受するため、
義烈団の一員として倭敵の官設・私設機関を破壊せむ」
12月28日、東洋拓殖会社に爆弾を投じ、警察官7人を殺害し、
日本警察と対峙する状況の中、乙支路2街で自決した。
大通り(乙支路)に出て、右折する。
大きな建物がある。
KEB(Korea Exchange Bank 外換銀行)本店だった。
仁川空港で両替したのは、この外換銀行だ。
この辺りは、丸の内のオフィス街だな。
ここまでの歩行ルートは、たしかこんな風だった。

B
タプコル公園前へ。
B
---何か、いわく因縁がありそうだな。
北東側の壁沿いにレリーフが並んでいる。
日本語が分かるひとがいそうもないので、
ガイドブックを開く。
タプコル公園(旧パゴダ公園)
三一運動蜂起の地として有名。
日本による韓国併合(1910年)のあと、
独立を求める最初の行動が起こった地点がここ。
1919年3月1日、数千人の学生が集まり、
「独立万歳」と叫びながら、市内をデモ行進した。
次々に市民が参加し、数万人規模に達し、
商店街はシャッターをおろし、学校は休校となった。
騒動が朝鮮半島全体に広がったため、
朝鮮総督府は、警察や軍隊を動員し治安維持に当たった。
先程のナ・ソクチュの銅像だけではなく、
ソウルでは、あちこちで日本占領時代の怨霊が現れてくる。
---あれ、映画館じゃん。
1日1本映画をみているものとしては、
新作映画は見逃せない。
韓国語がまったく読み書きできないが、
看板の男2人がいるポスターがある。
ガイドさんが言っていたのは、この映画かも知れない。
・ソン・ガンホ&カン・ドンウォン主演『義兄弟』観客300万人突破
9時半からの回に間にあった。
代金は、8,000ウォン。
日本より安い。
プリモス・ピカデリー
映画は、韓国語が分からなくても、不自由なかった。
主演のソン・ガンホが、芸達者だから、その表情や仕草で、
どうなっているかが分かるのだ。
韓国では、2月4日公開だが、日本では今秋公開らしい。
あらすじ
ソウル中心街で発生した銃撃戦で、
国家情報院要員ハンギュ(ソン・ガンホ)と
南派工作員ジウォン(カン・ドンウォン)は出会う。
作戦失敗の責任を負ったハンギュは国家情報院を辞め、
ジウォンは裏切り者とされて北朝鮮から追放される。
6年後、敵視していた2人は互いに身分を偽り、
目的遂行のために顔を合わせる、やがて親しくなる。
だが、ある日、ジウォンに北朝鮮から再び指令が下る。
2人は人生を賭けた選択をする...
いまだに南北分断なのだ。
東日本と西日本が半世紀も戦争しているのだ。
11時30分、映画が終わり、
やけに長いエスカレーターに乗って、地上へ。
開放感からすこし近所を散歩する。
貴金属店街にぶつかる。
1店だけ入ってみる。
簡素な首飾りが、46万ウォンとあって、退散する。
いよいよ、お目当ての宗廟だ。
世界遺産で、その荘重にして流麗な正殿の建築美に惚れたのだ。
---さぁ、わがHPの冒頭写真を撮るぞ。
胸はずませ、心ときめかして、正門に向かう。
---あっらら。
休日とあって、扉はすべて堅く閉ざされていた。
---ははは。
かさばるものを運べるように、自転車の荷台も一工夫してある。
さらに南下する。
---何だ、この広場は?
幸い、日本語のパンフレット「広場の話」が置いてある。
ここは、世運グリーンベルト広場のようだ。
読み進むと、こんなことが書いてある。
世運商店街一帯(43万m2)を再開発し、
宗廟と南山の間に幅90m、全長1kmの緑地帯をつくる
実は、あとで、分かったのだが、
壮大なプロジェクトが進んでいるようなのだ。

新年のご挨拶
私の市長就任後、ソウル市では、
73万1000件の新しい雇用が創出されました。
光化門広場や漢江特化公園、東大門歴史文化公園、
世運緑の帯公園など、都市に活力を吹き込むランドマークも完成しました。
大気中の微細粉塵は、1995年の観測以来最低値を記録し、
生活圏の緑地は、就任前に比べて246万uも増えました。
無料または廉価で提供される文化プログラムの開催も年間500回以上と画期的に増えました。
都市競争力は、就任前の世界27位から12位に上昇し、
金融競争力も2007年の43位から2009年には35位に上昇しました。
さらに2008年には中国、日本、タイにおいて、
ソウルが「最も訪問したい都市1位」に選ばれました。
2010/1/2 呉世勲
世運グリーンベルト広場の先は、再開発中。
まだ、照明器具街が残っている。
戻って、清渓川にかかる世運橋へ。
川の写真を撮る。
ガイドブックには、
清渓川は全長約5.8km
河川の清掃や地下水を放流するなど水質浄化をした。
市民の憩いの場となったとある。
---川辺を歩いてみよう。
階段を下りて、しばらく歩く。
上からでは気づかなったことがみえてくる。
---ドブ川かと思っていたが、澄んでいるなぁ。
ソウルの地下鉄の下から湧き出る地下水を導水しているらしい。
---お、滝もあるし、川も渡れるんだ。
名古屋のテレビ塔脇のロサンゼルス広場を設計したとき、
池を渡れるようにしたら、異論が出たことがある。
子供が池に落ちたら、どうする?
踏み石を大きくし、その間隔を狭めて、実現した。
都市公園には、こうした遊び心が必要だ。
壁画もある。
長通橋の壁画
1795年、正祖が母君の還暦祝に、
水原にある顕隆園までの行程を壁画にしたもの。
この壁画、幅2,4m、長さ192m。
1779人の随行員と779頭の馬が続いている。
12時21分、明洞へ。
お粥専門店・味加本が満員で待つ間、
「広場の話」に目を通す。
こんな記述があった。
北漢山のリスが北岳山を経て昌慶宮=宗廟を経て、
南山を通り龍山公園を過ぎて、漢江の水を飲んで、
再び北漢山へ戻れるように...
要は、南北に長大な緑地帯をつくろうというのだ。
いわば、高尾山の猿を東京湾へというわけ。
その後の記述に冷やりとする。
この都心緑地軸には、日本帝国が民族の魂を抹殺する政策として、
昌慶宮と宗廟を切断するために横切ってつくった栗谷路(赤い点線)を地下化して、
その上に緑地を造成する事業が含まれています
したがって、単純に都心に緑地空間を造成するだけでなく、
民族の精気を回復して文化財を復元する意味も含まれているのです
---民族の精気か。
こんな記述を読むと、つい思ってしまう。
日本は、キムヨナに負けただけではない。
サムスンに負けただけではない。
こうした都市デザインでも負けているのだ。
日本は、これでいいのか?
本当に、こんな体たらくでいいのか?
トンネルを出て、坂を下っていく。
途中、左手に梨泰院クラウンホテルが見えた。
坂を下りきって、右折。
博物館の正門をすぎていく。
---こいつ、場所分かってるのかな?
ようやく敷地内に入っていく。
運転手は、守衛に指示されて地下通路へ。
1時08分、地下の入口で下車する。
---7,000ウォンか。
正門前で降ろしてくれれば、もっと安かっただろう。
この後、地上に出るのに苦労し、
入場券売り場をみつけるのも、一苦労した。
シニアと言って、パスポートを見せる。
チケットをくれる。
無料入場券らしい。
次は、展示場の入り口がどこか分からない。
さきほどの守衛が寄ってきて、指さしてくれた。
博物館の内部に入る。
受付カウンターで、チケットを渡す。
日本語オーディオ・ガイドがあるらしいので、
受付嬢に聞くと、あちらだと指さす。
---同じ場所でやりゃぁいいのに。
どこの国でも、受付嬢はおおむね官僚的だ。
ようやく展示館へ。
吹抜けになっている。
突き当たりまで行ってみる。
敬天寺十層石塔
高さ 13.5m
建立 1348年
京畿道開豊郡の敬天寺址にあったもの。
元の工匠を招いてつくらせた
三層の基壇の上に立つ十層の大理石の石塔、
高麗後期の異型石塔の代表例で、
元の木造建築様式を忠実にあらわしている。
案内図をみる。
---ふーん。
・考古館:旧石器・新石器・青銅器・初期鉄器・原三国・高句麗・百済・伽耶・新羅・渤海
・歴史館:ハングル・年表・金石文・文書・地図・王と国家・社会経済・伝統思想・対外交流
・美術館T:書道・絵画・仏教絵画・木質工芸
・美術館U:仏教彫刻・金属工芸・青磁・粉青沙器・白磁
・アジア館:インドネシア・中央アジア・中国・楽浪遺跡出土品・日本
・寄贈館:寄贈文化財
駆け足で、1階から3階までの展示室をみて回る。
長さが404mあるから、いい運動になる。
美術館T、Uは、台湾の国立故宮博物院をみているので、
さほど感銘を受けない。
アジア館の日本は、明治時代に日本人が描いた36点と物足りない。
---広隆寺の弥勒菩薩があるぞ。
よく似ていたので、間違ってしまった。
この2つの像を比べると、
韓国の金銅半跏思惟像は力強く華美、
日本の弥勒菩薩は、シンプルで繊細という相違がある。
金属と木材という素材の違いもあるだろうが。
いずれにせよ、この像が先に出来ており、
弥勒菩薩はこれを真似して出来たのだろう。
弥勒菩薩は、わが国が誇る国宝指定第1号。
それが、韓国の後塵を拝しているのは、気分悪いが、
率直に認めなければならない。
古代文化は、朝鮮から日本にやってきたのだ。
金銅半跏思惟像 vs 広隆寺:弥勒菩薩半跏思惟像
1時間ほどで展示館を出て、屋外へ。
---漢江が見えんなぁ。
高層ビル群にはばまれている。
正門まで下って、展示館(西館/東館)写真を撮る。
パノラマモードで撮ろうとしたが、やりかたが分からなかった。
---転々としたんだ!
国立中央博物館
1945年、誕生。
朝鮮戦争時に、釜山へ疎開。
1953年からソウル景福宮に移転し、
次に、徳寿宮の石造殿に移転する。
1972年、景福宮に再移転し、国立中央博物館と改称。
1986年、旧中央庁(旧朝鮮総督府庁舎)に移転し、
1996年、光化門付近に移転。
2005年、ようやくこの地に。
この博物館には、大きな課題がある。
訪れた外国人の割合は3.5%。
まだ、国際的には認知されていないのだ。
日本占領時代に奪われた文物を取り戻して、
展示内容を充実させる動きもあるようだ。
若い運転手は、強引にUターンして、
ビルの正面玄関につけてくれる。
大分走ったが、5,000ウォンで済んだ。
ソウルのタクシーは、ほんとうに安い。
2時半、63ビルの切符売り場へ。
展望台は、63スカイアートというらしい。
料金は、12,000ウォン。
ほかに、水族館、蝋人形体験館、アイマックスシアターなどがあって、
それぞれ別料金になっている。
せっかくカモがきたのだからカネを巻きあげようというのは、
池袋のサンシャイン60やNYのエンパイア・ステートビルと同じだ。
---63ビルなのに、60階で下りるのか?
ぶつぶつ言いながら、大きなガラスへ向かう。
いい景色だ。
海抜264mの大パノラマがひろがる。
---こっちは、マンション団地だらけだ。
足早に一周して、一番眺めのいい場所に戻る。
やはり、漢江はいい。
マンションが万里の長城のように連なっている。
こいつらのおかげで、漢江まで歩けなかったのだ。
その向こうに南山のソウルタワーがみえる。
---次回のためにも、どこで借りられるかくらいは、
確認しておかなくては。
展望台の女性係員をつかまえて、英語で聞く。
またもや首を振られてしまう。
3人集まってきて、みんな首をかしげている。
韓国語をしゃべれないとどうしようもないのだ。
だが、粘る。
誰か日本語を話せるひとはいませんか?
(Is there the person who can speak Japanese?)
ようやくひとりが反応する。
ちょっと待っててという仕草をする。
5分ほど待たされる。
あきらめて立ちさろうとすると、エレベーターのドアが開いて、
救世主が登場する。
年増のガイド嬢で、発音はおかしいが、
日本語を話せる。
---あれ、漢江のサイクリングロードでしょう。
---そうです。
---自転車を借りられるの?
---はい。
---どこで借りられるの?
---漢江沿いに何ケ所かサイクル・ステーションがあります。
---ここから一番近いところは?
---ヨイナルです。
---ヨイナル?どこにあるの?
眼下の風景を示し、指を動かす。
---ピンク色の建物があるでしょう、あのそばです。
---ピンク色?どれが?
目をこらすと、学校の校庭らしきものがあって、
その先にピンク色の建物がある。
---分かった、あれね。ありがとう。
---いいえ、どういたしまして。
彼女とともにエレベーターで1階まで降りる。
63ビルの出口まで同行してれて、右手の横断道路を渡れという。
彼女、ほんとうに救世主だった。
---パリの街みたいだな。
漢江沿いの大通りの内側に街路樹のある小径がある。
左手にクアム中学の建物が続く。
その先が、例のピンク色の高層マションだ。
10分ほど歩くと、ようやくヨイナル駅前に出る。
ちょうど下校する時間帯だったのか、
中学生たちが三々五々校門から出てくる。
どこの国でも同じだが、じゃれあっている生徒たちもいる。
ソウルの日常生活にはじめて触れたような気分になった。
麻浦大橋たもとで、自転車を借りて、
西江大橋をくぐってきたが、
前方には、2つの橋が見える。
---あそこまで行くべし。
堂山大橋(鉄橋)と揚花大橋を通過して、時計をみる。
---4時10分か、まだ時間があるな。
4時50分には返さなければならないが、
帰りはフォローの風だから、20分もあれば大丈夫だろう。
てなことで、ぐんぐん走る。
---大きな橋だな。
4時20分、城山大橋に着く。
橋の名前がなぜ分かったかというと、
赤い橋桁に城山大橋と大書してあったからだ。
ところで、後で分かったことだが、
このあたりが、映画の舞台になったのだ。
グエムル -漢江の怪物-(2006)
ソン・ガンホ主演のホラー映画。
漢江市民公園で売店を営むパク一家は、
家長のヒボン、長男カンドゥ、次男ナミル、長女ナムジュ、
そして彼らの愛情を一心に受けるカンドゥの娘ヒョンソの5人家族。
ある日、いつものように人々が河川敷でくつろいでいると、
突然、巨大怪獣が出現する。
逃げまどう人々を次々と食い殺しはじめる。
売店の店番をしていたカンドゥ(ソン・ガンホ)も、
一人娘のヒョンソの手を握り逃げ出すが、手が離れる。
ヒョンソは、怪物に連れ去られてしまう...
この怪物が出没したのは、ここ汝矣島の漢江市民公園なのだ。
怪物が娘のヒョンソをさらって飛び込んだのは、西江大橋付近。
まさに、このあたりなのだ。
今朝見た映画「義兄弟」の主演も、ソン・ガンホ。
これも、何かの縁だろう。
---今度は、蚕室大橋まで足を伸ばしたいな。
映画の序盤で、二人の釣り人が怪物を見つけた橋だ。
ロッテワールドの近くにある。
---分からんなぁ。
実は、レンタサイクル場の女の子に、
"Bicycle Seoul Tour Map"をもらっていたのだ。
手帳サイズに折りたたんであって、
拡げると、72cm×52cm大になる。
これが、全部、ハングルなので、場所の名前が分からない。
首をひねっていると、カフェの娘さんが、
現在地に、赤い丸印をつけてくれた。
2008年から2012年までの整備ルートが色わけされている。
全線整備が終了すれば、かなりの長距離サイクリングが楽しめそうだ。
ソウル市、漢江の奇跡"から"緑の奇跡"へ
"自転車ルネッサンス"の時代へ
呉世勲市長(49)は、自ら自転車生活を実践しており、
300q近くの自転車道路を作り、自転車通勤時代を開く構想を打ち出している。
地下鉄の蚕室駅周辺で8.03q、蘆原駅周辺で14.16q、
汝矣島と上岩デジタルメディアシティ(DMC)で21.4qの自転車専用道路を設ける。
「自転車に優しい町」をつくるために、
学校、病院、市場、レジャー施設を自転車で安全便利に往来できるようにする。
車線を縮小することで、自転車専用スペースを確保し、
駐輪場を駅や学校周辺などに設置する。
既に、汝矣島・上岩などの業務地区、松坡・蘆原などの生活地区に加えて
文化観光地まで自転車にやさしい町を拡大する。
これら4地域のほか、2009?2010年には江南地区、
2010?2011年には、江西・唐山・ハプジョン地区、
2012年以降には、12地区が「自転車にやさしい町」になる。
5時半、ようやく橋を渡り終える。
30分歩いたことになる。
麻浦の地下鉄駅付近へ。
その昔は、漢江の渡し場として栄えていたらしいが、
いまは、ごく普通の下町だ。
退社時なのか、サラリーマンやOLで賑わっている。
麻浦は、「デジ(豚)カルビ」で有名らしい。
今回は、パスすることにする。
横断歩道を渡り、タクシーを呼び止めて、
「明洞ロイヤルホテル」と告げる。
その昔、明洞で参鶏湯を食べたことがある。
身体が温まり、すっかり元気になった。
今回の旅の楽しみは、本場の参鶏湯を食べること。
店は違うが、ここも参鶏湯の老舗専門店のようだ。
参鶏湯(サムゲタン)
韓国の代表的な煮込みスープ。
ひな鶏の内蔵を取り除き、そこに
高麗人参、もち米、なつめ、にんにくなどを
詰め込んでじっくり煮込んだもの。
疲労回復、夏バテ、滋養強壮、美容にいい。
店内は、広い。
100席ほどあるだろうか。
そろそろ、お客が増えてくる時間帯だ。
ウエイトレスのおばさんがやってくる。
メニューを示して、おすすめを指さす。
山参培養根、鳥骨鶏湯とある。
---その手には乗らんぞ。
日本人客とみて、高い料理を食べさせようとしている。
スタンダードの参鶏湯(13,000ウォン)を注文する。
トイレから戻ると、3人前の皿が並んでいた。
レジのおやじに文句を言って、下げさせる。
料理がやってきた。
---記念写真を撮ろう。
早速、デジカメを出して、パチリ。
だが、湯気でレンズが曇ってしまう。
そう、ぐつぐつ煮えたぎっているのだ。
You Tube:参鶏湯♪
湯気が消えるのを待って撮り直す。
---うむ、こいつは旨い!
ウエイトレスの応対で出鼻をくじかれたが、
お味のほうは、さすが老舗とあって大したもの。
とくに、スープがいい。
・コクのある白濁スープは絶品
ガイドブックに書いてあった通りだ。
キムチ、カクテキ、ニンニク、鶏の骨を捨てる壺の他に、
人参酒とあずきおこわがつく。
---日本でも、この味を味わえたらなぁ。
6時33分、大満足して、店を出る。
しばらく明洞のメインストリートをぶらぶらする。
若い女性は、衣料品・化粧品、雑貨店に群がっている。
こちらは、まったく用がない。
そこで屋台を見て回る。
屋台の数は、さほど多くない。
クルマを横付けしただけの屋台もある。
6時51分、大通りに出て、タクシーを呼びとめる。
クルマは渋滞する繁華街をぬけていく。
---きれいなビルだな。
若い頃は、ネオンが灯ると、
飢えた虎のように元気になったものだ。
今や、そんな昔を懐かしむのみ。
カジノにも、カラオケにも、バーにも興味がない。
7時10分、ホテルに着く。
タクシー代は、6,000ウォンだった。
部屋に戻って、荷物の整理。
---やはり、部屋の風呂に入るか。
ホテル内には、汗蒸幕のあるサウナがあって
人気を呼んでいるというので、このホテルを選んだ。
だが、出発直前にネットをみると、トラブル事例が載っていた。
---ウチの風呂のほうがいいな。
ぶつぶつ言いながら、汗を落とす。
狭い風呂から上って、テレビをつける。
韓国でも、NHKが映るのだ。
---うるせえなぁ。
どこの部屋だか分からないが、話し声や物音がする。
昨夜は、静かだったのだが...
12時、ようやく寝入る。
8時06分、33番ゲートへ。
乗客は誰もいない。
いるのは、掃除のおばさんたち。
10時発、搭乗開始が9時35分だから当然だが。
みんなきらびやかな免税品売り場をうろうろしているのだろう。
航空機が待機している。
---さて、一眠りするか。
椅子を3つ占領して、横にごろり。
30分ほど熟睡した。
---コーヒーでも飲むか。
・マックのラテ 2600ウォン
それでも、搭乗案内まで時間があるので、免税品売り場へ。
---おみやげに買っていくか。
・キプリングのバッグ K12959 ウルトラピンク
9時36分、搭乗開始。
旅慣れていないひとが多いのか、あわてている。
10時05分、仁川空港を離陸。
座席は、窓側だ。
---おお、きれいだな。
眼下に多くの島がみえる。
仁川空港は、ソウルの西52kmの永宗島にある。
飛行中は、隣の女の子とおしゃべり。
女子大生かと思ったら、中学3年生。
高校入学も決まって、
両親と妹と一緒に、3泊4日。
群馬からきたが、
茨城空港まではクルマで2時間だったとか。
茨城空港、案外、将来性はあるかも。
圏央道が全線開通すれば、
埼玉、栃木、群馬の新たな旅客需要を喚起できるかも。
首都圏中央連絡自動車道(圏央道)
都心から約40〜60キロメートル付近を走る高速道。
神奈川、東京、埼玉、茨城、千葉をまたぐ。
全線開通は2015年を予定。
11時45分、茨城空港に着陸。
帰りは、偏西風に乗るので、早く着く。
空港がコンパクトだから、すべてがスムース。
駐車場の愛車に会いに行く。
---おお、無事でいてくれたか。
日本は暖かいな、春だなぁ。
尿意をもよおし、空港に戻り、トイレへ。
12時23分、駐車場をスタート。
愛車に乗ると、もうわが家に帰ったような気になれる。
筑波山を目指して走る。
紫色の山がみえる筑波空港、なんていいんだ。
・春立つや 見古したれど 筑波山 一茶
2時18分、帰宅。
柏ICからがやはり遠い。
1時間もかかった。
手早く荷物を整理し、入浴する。
依頼されたおみやげをつれあいに渡す。
---うれしい! いくらした?
やっぱり向こうのほうが安いわね。
・THE FACE SHOP エッセンシャルマスクシート
10枚パック 8ドル
筑波空港からソウルへ。
何だか病みつきになりそうだ。
友よ、ソウルの桜を見に行かないか?
漢江の風を受けて、サイクリングしないか?
お粥やカルビや参鶏湯に笑顔を浮かべないか?
友よ、ソウルへ ♪