第二十一回は、わが家の春。 わが陋屋の庭にも、春は訪れています。 わが庭に咲いている花々をご紹介しましょう。 本当は、”わが世の春”にしたかったのですが... しがない年金生活者にとっては夢のまた夢。 ところで、"わが世の春"といえば、藤原道長公。 こんな歌を詠んでいます。 ・この世をば わが世とぞ思う 望月の かけたることも なしと思へば 一時期のホリエモンがそうでしたよね。 飛ぶ鳥を落とす勢いでした。 あの若さで、資産がなんと百数十億円。 六本木ヒルズの月額220万円の高級賃貸マンションに住み、 自家用機も買っての豪遊三昧。スケールがでかかったのは、太陽王ルイ14世。 ヴェルサイユ宮殿で、連日連夜の豪華絢爛たる舞踏会。 まさに、"わが世の春"を謳歌しました。 一時期のブッシュ一家もそうでしたね。 父親についで、息子まで大統領になったのですから。 オトーサンがかつて好きだったのが、西田佐知子さん。 なかでも「エリカの花散るとき」はステキでしたね。 ♪山をいくつ越えても うすい紅いろの エリカの花は まだ見えぬ 悲しい恋に 泣きながら 夕日を今日も 見送った エリカ エリカの花はどこに咲く 径ははるばる つづくのに そんな思い出もあって植えたエリカ。 ちっぽけな苗が、いまや背丈が2m以上になりました。
太陽の恵みをいっぱいに浴びている 王侯貴族、大統領、富豪に比べると、 われら庶民は、日陰に生息しておりますなぁ。 地べたを這って、何とか一花咲かそうとしております。 悪さもせず、光熱水費も節約しつつ、 スミレのように健気に生きのびております。 かっこよく言えば、 「一隅を照らす、これぞ国の宝」の意気です。 ・山路来て なにやらゆかし すみれ草 芭蕉
オトーサン、 欲をいえば、清貧のひとと呼ばれたいなー。 スズラン、沈丁花、水仙の香気にあやかりたいものです。
昔のひとは、季節の移り変わりに敏感でした。 ・冬来たりなば春遠からず ・三寒四温 気象庁より正しいことを言ってますね。 でも、地球温暖化の影響でしょうか。 椿とつつじが一緒に咲いています。 植物のほうも、戸惑っているようです。
オトーサン、 つれあいにしみじみと述懐します。 「おれも、この花みたいに咲き誇りたかったなぁ」 「あなた、この花の名前、知ってる?」 「いや」 「ボケよ。あなたが植えたのでしょう」 「...」 ボケといえば、写真のほうもピンボケ。 でも、これはカメラのせいではありません。 春の嵐で花が大きく揺れていたせいです。
撮影機材:PANASONIC DMC-LX1