オトーサンの写真美術館

第二十三回は、ユングフラウ。
オトーサン、
「おお、おお!」
「滝だ!」
「ほら、麓の村があんなに小さくなった」
スイス・アルプスの雄大で美しい景色にみとれました。
大して期待していなかったので、びっくり。

オトーサン、
「すごい急勾配を登っていくんだ」
登山電車ですから、当然といえば当然。
次第に雪景色に変わっていきます。

オトーサン、
「ここ、どこだ?」
「...」
次女はあきれて、教えてくれません。
奥方と長女は、名物のセントバーナード犬に夢中。
"Jungfraujoch"とありますから、
ユングフラウヨッホ駅なのでしょうか?
いやいや、よく見ると駅名表示に矢印があります。
一体どこなのでしょうか?
そう、後で分かりましたが、
乗り換え駅のクライネシャイデッグ駅でした。

オトーサン、
「おっ、犬の係員は日本娘だ」
「おお、ハネムーンなんだ」
氷点下の寒さを吹き飛ばす勢いでした。
そうそう、麓のインターラーケンは、
インド人だらけでしたっけ。
「なんで?」
「インド人は雪がめずらしいのよ」
「そうか?エヴェレストがあるじゃん」
「...」

オトーサン、
「なーんだ、トンネルばかりじゃん」
高度に慣れるために、
何度も途中駅で停車し、乗客は下車。
洞窟をぬけ展望台へ行っては、戻ってくるのです。
でも、ようやく終点へ。
川端康成さんの表現を借りると、
「長いトンネルをぬけると、そこは氷河だった」

オトーサン、
「イヤだよ」
「そんなこと言わないで」
奥方に叱られて、写真の列に加わりました。
これがホントのお上りさん

オトーサン、
帰国してから調べました。
「そうだったんだ。
 世界遺産の氷河もきちん撮影しておくべきだった」
展望台にいたカラスなど撮っている場合じゃなかったのです。
"後悔先に立たず"
やはり旅行に行く前には、下調べが大事です。

○ユングフラウ鉄道
 Jungfraubahn
 スイスの登山鉄道。
 インターラーケンからユングフラウヨッホまで全長9.3km。
 所要時間50分。

 1896年に建設が開始され、1912年開通。  終着駅のユングフラウヨッホは、ヨーロッパで最も高い3454m。  アイガー山中をトンネルで抜け、急勾配を登る。  スイスアルプスの名峰ユングフラウは、4158mだが、  一般人はエレベーターで昇る「スフィンクス展望台」の3571mmまで。  ここから、ユングフラウが目の前。  大パノラマが広がり、アレッチ氷河が見られる。 ヨーロッパ最大の氷河で、スイスで一番初めに世界遺産に登録された。  全長40kmだが、温暖化で縮小しつつある。  出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 撮影機材:Nikon COOLPIX P3